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ダメおやじの北海道自転車旅(釧路>稚内) その5<4日目>

これは、定年退職直前のダメおやじが体験した自転車旅の顛末です。

 根室でした。朝食はコンビニで買った巻き寿司+おにぎり+お茶。おにぎり残り一つはペットボトルの水と一緒にリュックに入れて今日もスタートです。

北海道といえば乳製品でしょ?

 国道44号を釧路方面に進み、厚床まで33km。100kmの行程と見積もるとおよそ3分の1を午前10時頃にクリアしました。なかなか順調です。朝は足が厳しいかなと思ったけど、道がかなり平坦だったこともあり、気持ちよく走れます。
 厚床から左に外れて国道243号から244号へ。快調快調です。途中でキタキツネと遭遇しました。痩せてるなあ、コイツ。最近のキタキツネはみんなこんな感じなんだそう。といったところで小休止。リュックに入れておいたおにぎりを食べます。

キタキツネを目撃 瘦せているなあ

 道を進むと道の駅がありました。別海町の道の駅「おだいとう」です。別海町は生乳生産量日本一だそう。へえ、そうなんだ。テトラパックの牛乳とプリンを購入して外のベンチで牛乳をいただきました。美味しかったです。プリンの方は凍っていてそのまま食べるのは無理だったので、リュックに入れて再び標津町に向けて走り始めます。

別海町の牛乳とプリン プリンは凍っていました orz

心残りの野付半島

 で、到着したのが野付半島への分岐点。前日スナックでお会いした女性陣にお勧めされた観光地ですね。当初野付半島はルートに入っていなかったのだけど、あれだけ勧められると心が揺らぎます。時間的に見ても若干余裕はあるけど、野付半島の突端まで行く時間はありません。悩んだ挙句「途中まで走ってみるか」という結論になりました。
 結論。かろうじて道の両側が海とわかる場所まで走り、そこで360度カメラを取り出しパチリ。約3km地点でした。そこでUターンして分岐点まで戻って、再度標津町を目指しました。
 これ、今になって若干の心残りが。もう二度と行くことはないだろう土地です。やっぱ、先端まで行くべきだったかな(それなら最初からそういう計画にしておかなきゃ)。
 海岸沿いの道路を走って標津町に到着。今日はここで昼食を取ることにします。適当な店を見つけました。郷土料理の「武田」。で注文したのは「しべつ鮭三代漬け丼」。三代っていうのは、いくら、鮭の漬け、鮭ぶしの三つ。それに帆立の漬けがてんこ盛りになった一品です。美味しくいただきました。

「郷土料理 武田」の「しべつ鮭三代漬け丼」

 食後、その後の中標津までの道順を確認します。Google先生に中標津までの適切なルートを教えてもらいました。今回はGoogle先生に教えてもらった道を行ってみようかな。
 武田で会計をして自転車で走り出します。と、二つ目の信号が赤で停止した時に、はたと気付いた。リュック背負ってないじゃん! 武田に置いてきてしまった。ああ、前回もやってしまった失敗を今回も繰り返してしまいました。進歩がないですな。

Google先生のバカ!

 店まで戻り、ちょうどトイレもしたかったのでトイレをお借りし、リュックをピックアップして再出発です。
 で、Google先生の指示通りに進む。難しい。道を間違えたりしてちょっと逆戻り。先生の指示する道を見つけたと思ったら、あら、川沿いのサイクリングロードじゃないですか。確かに自転車での最適ルートで検索したけど、まさかサイクリングロードとは思わなかったです。「まあ行ってみるか」と進むことにしました。
 これがどうやら失敗だとわかったのは、かなり進んでからのこと。最初は舗装した道だったのが途中で未舗装の道路になり、ぼうぼうと生える草の間を通る細い泥道になってしまいました「ああ、騙された」こんなところでもしヒグマにでも遭遇したら、誰も助けにきてくれないじゃん。でも、仕方がないのでそのまま進みます。
 ようやく自動車の走る道路に出ました。もう無理。中標津までの幹線道路を見つけてそちらを走ることにします。この道、路肩も整備されていて走りやすい道路でした。最初からこっちでいいじゃん。
 途中、駐車場みたいな公園があったので一休み。リュックからさっきのプリンを取り出すと、あら食べ頃な感じです。美味しいプリンをいただきました。
 しばらく走ると16時前に中標津に到着です。中標津はやや大きな町なので、ロードバイクを扱うサイクルショップがあるはず。と探した結果、見つけたのが「はやしサイクルステーション」です。空気入れを貸してもらえたらと、行くことにします。ちょっとバタバタさせてしまって申し訳ありませんでした。無事適正な空気圧でタイヤに空気を入れていただきました。ありがとうございました。
 で、この日のお宿「ホテル開陽イン」にチェックインしました。ルーティーンとなった、シャワーから洗濯・乾燥を済ませて18時までに外出準備が完了です。

オススメの店で有給休暇消化中のお仲間と遭遇

 夕食を食べる店なんだけど、これはまず「いちばん星」に行ってみないことには始まらないでしょう。釧路のスナック「わだい」OさんOサトミさんが紹介してくれた居酒屋さんですな。Oサトミさんが連絡してくれたけど予約が取れなかったお店です。
 19時からだと入れないかと思ったのでちょっと早めの18時30分に店に着きました。「一人なんですけど入れますか?」と聞くと、「大丈夫ですよ」と入口近くのカウンター席の左端に案内されました。ラッキーでした。
  まずは生ビールと刺身の盛り合わせ、ザンギをオーダーしました。風呂上がりの生ビールは流石にうまい。刺身も新鮮で美味しい上にボリュームがあって大満足です。「量多いですかね?」と店の方が言うので、「ちょっと調整していただけると助かります」とお願いしました。臨機応変な対応、ありがとうございます。

「いちばん星」でオーダーした刺身の盛り合わせとザンギ

 ここでも日本酒「北の勝」をいただきました。ツブ貝焼き、カレイの唐揚げを追加オーダーして楽しみました。どれもうまい。
 と、一人で楽しんでいると、カウンターの右端に陣取っていた男性がこちらに声をかけてきました。
 「お一人ですか?」「はい」「僕もなんです。どちらから?」「横浜です」「僕は大阪からです」
 色々と話を聞くと、彼は新千歳空港からレンタカーで苫小牧から襟裳岬と海岸線を走ってここまで来たらしい。7月に地方銀行から大阪のメーカーに転職するという話で、今は有給休暇を消化中だそうです。「あと1週間かけて北海道をぐるっと回って小樽からフェリーで出身地の新潟に帰る予定」とのことです。地銀で大阪に単身赴任していたんだけど、転職を決断したという話。でも、「家族(妻と小学校3年と年長さん)は、有給休暇を取得していることは知っているけど、北海道に来ていることは知らない」だって。
 こちらの話もして、「霧多布岬でラッコ見ました?」「見ました見ました」とかいう話題もあって盛り上がりました。記念にツーショット写真を撮ったりしました。
 「食事の後にスナックに行くのが旅の楽しみの一つなんですよ」とこちらからカマをかけてみても「いや僕はそういうところには行かないので」と体よくお断りされてしまいました。そうですか。でも、楽しく会話できたのでとてもよかったです。

「ウィダー in ゼリー」は万能らしい

 「いちばん星」での夕食を終え、お楽しみのスナックは釧路で会ったOさんに紹介してもらった「ティファニー」へ。店内に入るなり「Oさんの紹介で来ました」と言うと、「ああサイクリングで来ている方ね」と話が通じているようで、嬉しい限りです。
 店内には、ママとママをサポートする女性(チーママ?)のほか男性のお客さんが3人ほどいて、和やかな雰囲気でした。席についてハイボールを注文してお話に加わります。
 これまでのルートの話から翌日の行程についての話になると、チーママが「ぜひ開陽台には行ってほしいなあ」だって。開陽台っていうのはオートバイの聖地と呼ばれているところらしい。「高台で見晴らしが素晴らしいから」とチーママが強くオススメしてくる。次の日は今日走ったルートを逆に標津町まで戻って、そこから海岸線を北上する予定だったから、かなり外れたルートになってしまう。それでも「こういうルートならそんなに距離をかけずに海岸線にいけるよ」とか、お客さんも加わっていろんな道路を紹介してくれる。「でも、ヒグマに出会いそうな道よね」とママの一言でこの話は終了しました。それでも地元の方の話は聞くべきだと思っているので、開陽台については頭の片隅に置いておきます。
 さらにその先のルートの話になりました。
 「知床横断道路を通っていくの?」「はい」「自転車で?」「はい」「大変だよ」と言う流れから、チーママの旦那さんの話になりました。「充分水分なんかを摂らずにランニングしていたら途中で倒れていたんだよ。私が助けに行かなかったら死んでた」というエピソードトークから「脱水症状になったら水だけじゃダメでエネルギーの補給も重要なんだって。ウィダー in ゼリー持って行きなよ」と、猛烈なウィダー in ゼリー推しに。
 このチーママの猛攻に対してさらっと受け流して話を聞いていたら「こいつ人の話を聞かない奴だ。いくら言っても聞きやしない」と匙を投げられてしまいました。
 てな感じで楽しい時間を過ごし、10時30分くらいにお店を出ました。釧路のOさん、いいスナックを紹介していただき、ありがとうございました。感謝感謝です。
 宿に戻る前にセイコーマートに寄って翌日の朝食用にパンを3個とブラックコーヒーを購入し、ホテルの部屋に戻ったらこの日もバタンキュー。ご苦労様でした。

🔳🔳 教訓 🔳🔳

Google先生を盲信することなかれ。
特に自転車の最適ルートは先生に頼らないが吉。


次回「その6<5日目>」に続く。


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