邦楽詳しくない人が選ぶ邦楽オールタイムアルバムランキング
はじめに
普段は極狭い範囲のブラック・ミュージックばっかり聴いている私のような人間が、邦楽のベストアルバムランキングを作ってみました。
トップ50、と思ったけど50枚も挙げられるほど邦楽聴いてねえ…
最初に言っておくと、はっぴいえんども細野も大瀧も達郎もRCも出ません。くるりもナンバガもバンプも出ません。
かつてnWo時代の武藤敬司はこういった。
「付いてこれないやつはおいてくよ」と。
そんな(どんな)ナチュラル・ボーン・マスターなランキング。
ルール
30位 GLAY/ beloved
当時からすでにヴィジュアル系のくせに昭和歌謡みたいな歌を歌うとは言われていた。でも変な転調とか無理やりなコード進行があったりする、変なグループ。それでもよく売れた。
29位 渡辺美里/she loves you
ベスト盤。パワフルな女性ヴォーカル。意外にも同路線のヴォーカリストがほとんどいない。岡村靖幸、大江千里、小室哲哉等、このあとメジャーになる才能溢れる個性派ミュージシャンたちが楽曲提供した破天荒な曲たちを硬軟自在に歌いこなす。がっつりソウルとか歌うのも聴いてみたかった。歳を重ね見た目がでっかくなるのも海外のソウル・シンガーみたい。ふにゃふにゃボソボソのほっそい声がチャートを占める現在の軟弱者どもに聴かせたい。
28位 ゆず/ゆず一家
当時のこの二人の影響力はすごかった。「流し」を「ストリート・ミュージシャン」に変えた二人組。岩沢の内省的な曲が素晴らしい。相方の曲は、うーん…
27位 ウルフルズ/ええねん
ウルフルズは割とブラック・ミュージック魂がある。でもこのアルバムは割とロック・ポップ寄りで聴きやすい。
26位 KAN/めずらしい人生
べスト盤。オリジナル・アルバムではもっと捻くれた感じの人だと思う。「愛は勝つ」が売れてしまったせいかなぜかさっぱり評価されないかわいそうなミュージシャン。まだまだ現役。
25位 aiko/秋、そばにいるよ
好みのタイプは人それぞれだけど、aikoのあざとさをかわいいと思えない男はいないのではなかろうか。初期の気持ち悪いコードやメロディ進行は減少し、ストレートないい曲が多い。
24位 密教 阿字観瞑想
アジカンと言ってもアジアンカンフージェネレーなんちゃらではない。前半はお経をバックにお経の現代語訳の朗読。正直朗読はいらん。後半から真言だけになるのでとても有り難い。
23位 HIGH-LOWS/ロブスター
ラストの「夏の地図」が好きすぎて辛い。ハイロウズは鍵盤奏者がいるからブルーハーツともクロマニヨンズともちょっと違う感じがいい。なおブルーハーツ並びにヒロトとマーシーの事は「ろくでなしBLUES」で知った世代。
22位 川本真琴/S.T.
21位 Thee michelle gun elephant/high times
「ギア・ブルーズ」以降は売れた事への反発か、音がハードかつシリアスになりすぎて好きじゃない。本作のポップ加減が良い。
20位 native/just four
クオシモードも須永辰緒もsleepwalkerもいいけど、2000年代Jジャズはこのグループに代表してもらいます。まあnativeやクオシモードがジャズか?って議論はここでは置いておいて。縁あってリーダーの中村智由さんのお父様とお話しさせていただいた事がありますが、なかなかファンキーな方でした。
19位 ソウルフラワー・モノノケ・サミット/アジール・チンドン
本隊のソウル・フラワー・ユニオンは全く好きではないが、別働隊のこちらは好き。
18位 B'z/loose
自分がティーンネイジャーだった90年代。田舎では誰もフリッパーズ・ギターなんて聴いていなかった。みんなB'zとかワンズだった。後世に大きな影響を本当に与えたのは小山田小沢より松本稲葉だ。「敵がいなけりゃ」は世の自称音楽オタク兼B'zアンチへの控えめな宣戦布告。
17位 Mountain mocha kilimanjaro/S.T.
オーサカモノレール、Scoobie do、在日ファンク等日本にも熱血ファンク・グループはたくさんいるけどJファンク代表はモカキリでお願いします。っぱデビュー作が最高。
16位 喜納昌吉&チャンプルーズ/S.T.
スタジオで音を重ねすぎだとは思うけど、そうしたからこそポップ・ミュージックとして大衆に届いたのだから良かった。
15位 ちんどん通信社/大阪スタイル!!!
もしかしたらチンドン屋の中で世界で一番CDを出しているかもしれないグループ。知らんけど。ストリート・ライヴ(表記はフィールド・レコーディング)含む21曲。大道芸だけに、戦前の歌謡曲や童謡、果てはSMAPにサザン、サンタナのカヴァーも。全体的には割とマッタリしたテンポで、チンドン屋の魅力が全てあるわけではないだろうけど、楽しい。大工哲弘とのコラボ作品もある。
14位 Mr.children/深海
高校最後の文化祭の時に発売されたなあ。音楽的なことよりファッションがこれまでと全然変わったことが驚きだった。
13位 Bonnie pink/evil and flowers
12位 ソウル・フラワー・モノノケ・サミット/レヴェラーズ・チンドン
こちらは2nd。だいぶ音も整理されて聴きやすい。
11位 白木秀夫/祭りの幻想 Hideo shiraki in fiesta
和ジャズ、レア・グルーヴとして高名な1枚。ワイルドな石川晶とかと比べると実に端正でインテリジェンス溢れるドラミング。
10位 B'z/survive
個人的には’93~この辺りがB'zの全盛期。ハードありポップあり。この頃から既にモンスターよ。
9位 ソウル・フラワー・モノノケ・サミット/デラシネ・チンドン
3rd。「くんじゃんジントーヨー」からのバタヤン「島育ち」が狂おしいほど好き。ジャケットも最高。音楽がストリートから離れて一部の人にしかわからないものになったらそれはもう音楽じゃないよ。
8位 山本邦山/竹の組曲
ジャズ・ミュージシャンとの交流にも積極的だった二代目山本邦山。その手の作品なら「銀界」が有名だが、ここでは本作を。1975年の教会での実況録音盤。インプロ2曲。隙間だらけの静謐なる音は神聖ですらある。
7位 稲葉浩志/マグマ
初めての一人暮らしの部屋でよく聴いてた。兎にも角にも陰キャ全開の歌詞が18歳から20代前半の私の心を抉りまくった。
6位 東大寺のお水取りの聲明
キングのワールド・ルーツ・ミュージック・シリーズの日本編。3月に東大寺で行われるお水取りと言う儀式(?)の声明。ミュージック〇ジンとかはやたらとカッワーリー、特にヌスラット・ファテ・アリ・ハーンを絶賛しているけど、日本も負けてないでしょ。
5位 OKI/ tonkori
アイヌの楽器、トンコリの独奏集。ダブ寄りな音よりシンプルなOKIが好き。日本にも多くの人種がいて多くの音楽があると教えてくれたアルバム。スピリチュアル。
4位 Various artists/j jazz deep modern jazz from japan 1969-1984
ここで裏技的コンピレーション。UKのBBEから逆輸入的な日本のジャズ・コンピ。現在vol.3まで出ているけど、どれも素晴らしい。さすがにこれを選ぶのは卑怯か。でもあのアルバムもこのアルバムもランキングに入れたいのに入れられない…そんなジレンマを解決してくれる1枚なので見事ランクイン。
3位 相澤徹カルテット/Tachibana Tohru aizawa quartet
オリジナルは激レアらしいピアノカルテット。全編通して濃厚なモーダルかつスピリチュアルな音空間が拡がる。チック・コリアの「la fiesta」をここまで緊迫感溢れるサウンドで聴かせるのは素晴らしい。
2位 Various artist/groovy indeed! trio records 1971-1981
ダメだと思っていても一度やってしまうと、タガが外れたように何度もやってしまう事ってあるよね。また選んでしまったコンピ。「groovy indeedシリーズ」のトリオ・レコード・レーベル編。こちらは比較的ストリート・アヘッド物からフュージョンまで。タイトル通りグルーヴ重視の選曲で聴きやすいかも。
1位 峰厚介クインテット/ダグリ Kohske mine quintet daguri
菊地雅章グループ出身。コルトレーンの焦燥感だけでなく、リリカルな面も消化したホンカー。村上寛の夢幻ドラムの上を疾走するソプラノ・サックスが最高なタイトル曲がグルーヴィ。
まとめ
正直順位はあんまり関係ないかな。やっぱりポップスに関しては中学〜高校の時に聴いていたのがどうしても多くなる。
はっぴいえんどとその周辺もくるりもバンプも好きですよ、ええ。
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