【読書感想】 嫌われる勇気(24年2月)

2013年12月に出版された「嫌われる勇気」。

日本国内にとどまらず、海外でも大ヒット。
2024年時点、累計発行部数1200万部を突破という類を見ない売上に到達しています。

私が同著に出会ったのは2016年。
本屋さんの週間売上ランキング1位。
ミーハー的であまりランキング本を買うのは好きではありませんでしたが、「嫌われる勇気」というタイトルに惹かれ、騙されてもいいと思い、購入してみました。

読み始めて驚きました。
とにかく、内容が新鮮で衝撃でした。少年の立場になりながらどんどん独特の世界観へのめり込んでしまいました。
ここまで本にハマったのは23歳で読んだ「竜馬がゆく」以来でした。

そして、それから私のそばには「アドラー心理学」が常に近くにある人生になりました。
「反応しない練習」「般若心経」など哲学・仏教的な名著も読んだりして、自身のライフスタイルを常に修正する毎日です。

2024年2月。
2年ぶりくらいでしょうか。3回目の通読をしました。
今回感じたことをまとめてみたいと思います。

常識へのアンチテーゼ

3回読んで感じたこと、“嫌われる勇気”最大の魅力!!
それは「常識へのアンチテーゼ」だということです。

・人生はシンプルである → 人生間違いなく複雑です 
・人は誰でもすぐに幸福になれる → なれれば苦労しません
・自由とは他者から嫌われること → 他人に嫌われたくない
・人は変われることができる → 出来れば苦労しません
・不幸であることを自ら選択 → 選択したいわけない
・承認欲求は認めません → 無理だよ、承認されたいもん
・原因論ダメ、目的論です → 目的論って理想過ぎ
・「いま、ここ」未来とか過去ない → 意味不明。未来と過去もあるでしょ

“嫌われる勇気”は多くの人達が“常識”とする価値観を明確に強く否定します。
そこが劇薬ともいわれる所以です。

重要なことは、アンチテーゼになろうとかしようとしたわけではなく、人間が幸福感を得るにはどうしたらいいのか。
その根本的な問いを考えていった結果、“常識へのアンチテーゼ”だらけの理論になったということです。

だから、人々は驚愕させられ、その内容に魅力を感じるのだと思います。

何度読んでも学びがある

嫌われる勇気で示されていることは、“人生の正論”です。
ある種、禅とか悟りなどの仏教的なことと通ずるものもあります。

雑念がない方が良いというのは頭でわかっても雑念は浮かんでしまいます。
だけど、雑念を消す→悟りに向けてお坊さんの方々は修行・鍛錬を積むわけです。

アドラー心理学は人間の本能的な思考グセも含めて、自然にそう考えてしまうことへ対峙を求めます。※承認欲求や横の関係、原因論思考、現状維持バイアスetc
だから、理想に見えるし、アドラー心理学を実践するにはものすごいハードルを感じます。
でも、アドラー心理学を実践しようとすること自体が幸福なんです。
だから、何度でも読むべき原点が“嫌われる勇気”です

何%くらい実践できているから幸福とはではありません。少しずつ自分の中で実践出来ていると実感することが増えること、増えそうなことにチャレンジすること。
それ自体が“今、ここを生きる”ことなんだと3回目読んでわかりました。

“自分”と向き合うこと

結局は、“その瞬間の自分”と向き合うことです。

自分と向き合っていなければ、“嫌われる勇気”など持てません。
自分と向き合っていなければ、幸福感を感じることなど出来ません。

他者はどこまでいっても他者だし、自分は他者のためにいるし、他者は自分のために存在します。

共同体感覚で他者貢献をすることが自己受容に繋がります。
他者と自分は区別出来そうで出来ないものであるという感覚が大事なんだと思います。

会社に勤め、家族と過ごす日常生活だけを送っていると、あっという間に“常識”的であり、近視眼的な視点に偏ってしまいがちです。
人生経験を積んでいると、自分のことをないがしろにするし、わかったつもりになります。

嫌われる勇気は幸福に生きるためにやるべきことが書かれた教科書です。
日常生活や会社で上手くいかない、不安に思うようなことがあってもこの本を読むと、ほとんどの事はちっぽけだし、次の瞬間から変えられるんだと思わされ、
勇気をもらえます。

自分と向き合うことから逃げていないか。アドラー心理学は”自分とぶつかり合う勇気“を何度でも優しく授けてくれます。




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