『Green Slumbers』
草色のストール揺れて図書館の隅のテーブル君はまどろむ
(竹内亮)
頬杖でささえきれないまどろみの向こうであなたは数式を解く
(鈴木美紀子)
まどろみはほほえみに似て凍りつくどこへも行けぬ夢の魚たち
(倉阪鬼一郎)
目覚めたら喉が渇いていてだれも魚の頃の話をしない
(鈴木晴香)
一日の終をまどろむわたくしに今日を生き抜くわたくしが過ぐ
(中畑智江)
肉体を疲れに浸けて眠るまで壁に緑の砂浮かび来る
(虫武一俊)
KanKanPress ほんのひとさじ vol.5
意図もせず相聞をする歌たちの意思は歌人の碧き言霊
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?