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0秒思考は「紙と鉛筆で行う」べき?習慣化・効果最大化の観点で、デジタル利用を是非を考える

「0秒思考は紙と鉛筆で行う」

本メソッドの発明者である赤羽雄二からも、推奨されているやり方である。PCでのタイピングよりも紙に書くことのほうが習熟度が高くなる可能性は、研究にも示唆されている。

 しかし、現在のデジタルデバイスや人工知能の普及を加味すると、適切にデジタル化された0秒思考が、果たしてあらゆる点において紙とペンによるものに劣るのか、という疑問が生じる。

 今回は、デジタル化が既存のものを凌駕する可能性について、効果と習慣化のしやすさの観点から考えてみる。

こんにちは。なかじまです。エンジニア?プログラマ?やってます。

はじめに


先日、0秒思考をデジタルデバイスで行うためのwebサービスをリリースしました。 今回の記事はこのサービスを作った背景を再整理するといった趣旨も含めます。

有難いことに、早速利用していただく方、好意的な反応を寄せてくれる方もおり、非常に励みになっています!

これを読んだ皆さんも、ぜひ、利用してみてください…!
(hosting環境の関係で、初期表示ちょっと遅いときがあります 🙇 )

【時間がない人のための、ざっくり結論】

手書きに比べてタイピングは脳の活性度は低下する可能性がある
が、デジタル的な付加価値によって、思考を深めることができ、デジタル化によって0秒思考の効果最大化ができると思われる。そのためには使いやすさ・付加価値を追求していくことが必要。



0秒思考の効果

まず、0秒思考の効果について改めて整理してみます。

1分間の高速なアウトプットを反復することで、思考力が向上する。
言語化により頭がスッキリし、メンタル面にも良い影響を与える。

書籍「0秒思考」の説明やレビュー、様々な0秒思考実施の記事を拝見しても、この認識はおよそ正しいのではないかなと思います。

私の実体験においても、0秒思考を数日行っただけでメンタル面の影響を感じるようになり、また、数週間行った段階では思考の初期スピードの向上を感じるようになりました。


しかし、繰り返し実施していく中で、0秒思考が抱える課題についても感じ始めました。



0秒思考の継続における課題点

✏️ 道具の携帯が難しい

「いつでもどこでもできる状態にすること」が推奨されていますが、現実問題難しかったです。「やりたかったけどできていない」という状況が多く生まれる結果となり、習慣化の心理的妨害要因になると感じています。

僕の0秒思考セット。外出用に小さいものを用意しているけど、しばしば忘れる。

📁 紙の整理が大変

即座にフォルダに整理した後、3ヶ月後、6ヶ月後に振り返ることが奨励されていますが、そのフローを徹底することがどうしても難しい。。。どのように整理すればうまくいくのか、正解がわかっていません。。。(僕は1ヶ月でやろうとしたけどできなかったです)

👦 過去の自分との対話が実質不可能

これは、「メモの資産価値」が低くなっている、と言い換えられるでしょう。

特定事象に関する過去のメモを見ることが実質不可能 、すなはち「過去の自分との対話を行うことが難しくなる」と言う点を強く感じています。

同じタイトルで繰り返し考えると、自然と該当事象に対して考え抜いた状態となる」と言うことは0秒思考を続けていった段階として言われていますが、今の思考と過去の思考の対比により、この状態に急速に近づくことができるのではないかと考えています。


「0秒思考の効果を最大化するために、このメモはもっと活用することができるのではないか。。。」


せっかく作成したメモ用紙を見るたびに、そのような思いが湧き上がってきます。


紙で実施する利点

デジタルが紙に対して優れている点を考える前に、「紙」の利点について考えてみましょう。

✨ 手書きの学習効果

思考し、時間をかけて、手を動して文字を書く、この高度な作業を行うことにより脳が活性化し学習度が高まると言われています。

🕺 圧倒的な自由さ


0秒思考の書籍で述べられていることですが、A4用紙全てを自由に書くことができると言う大きなメリットがあります。

レイアウトを変え、対比的なメモを書く、図を書く、マインドマップを書くなど、どのように表現するかを考え出すことを含めて、脳を総動員し、創造性を伴った「思考の言語化」が行える事は、タイピングにはない、紙の利点でしょう。

📃現実的で視覚的な達成感

「実際に現実世界で、そこに存在する、紙の束」

これは、達成感や充足感、自己肯定感を感じるためには大きな役割を占めているのではないかと感じています。

開発したアプリの背景画像には、自分が今までやった0秒思考の紙を散らした写真を利用しているのですが、やはり実際に触れることができ、重さの知覚が可能な「紙」はデジタルでは得難い体験があるなと、切に体感しました。

開発アプリのTOP画面


デジタルで実施した時の利点

🗾 仕事中・移動中など、どんなところでも実施できる

スマートフォンが普及しきった現在、多くの方が常にスマートフォンを携帯、またはPCを前にしているかと思います。スマートフォン・PCの双方で利用可能なサービスがあれば、いつ・どこでも0秒思考を実施できます。

🧩 付加価値の組み込みやすさ

デジタルデバイスでメモをとるとき、データとして保存されます。そのデータは他のツールやデジタル機能と容易に連携ができます。では、連携によって、どんな良さがあるのか。付加価値を考えてみます。

  • リマインドを行い、想起ができる 🕐

「メモを作成した時刻」を利用した通知により、メモを見返す習慣を徹底でき、赤羽氏が奨励している、3ヶ月後・6ヶ月後の確認を簡単に行うことができます。

また、これは赤羽氏は推奨していないことではありますが、メモを見返すことで、思考が想起され、より思考・記憶の定着が行われるので、そのような活用もできるかと考えています

  • データとして扱うことで、メモの資産価値を最大化できる 🔍

データとして保存した場合、簡単に検索機能を組み込むことができます。最近はAIやベクトル検索を利用して、キーワードに類似したカードを抽出することだって簡単にできます。これによって過去の自分との対話が可能となり、思考を深めやすくなり、メモの資産価値が最大化されます。

  • 自分のメモに対する第三者意見・コンサルの導入 👨‍💼

自己内省で完結しがち (それはそれでもいいと思うので、悪い意味ではない)な0秒思考に、第三者の意見を入れやすいです。例えば、メモ書きに対して、生成AIによって、一般論や事実注釈を添えること、半端で終わっているメモを探し出し、考えるべきテーマとして提示することなど、いわば0秒思考のコンサルタントを、他者にメモを開示することなく利用できます。

  • SNSとの連携が容易 💬

時間を食う虫であるSNS (偏見)。しかし簡単に他者に発信することは、(人によっては)習慣化を促進する助けになるのではないでしょうか。デジタル化することで、非常に簡単なフローでSNSに投稿することができます。 


デジタルで実施した時の欠点

✍️手を動かさないことにより脳の活性化が低下する


自分が確認できた先行研究では、「自己の思考を手書きで言語化する」際の効率について述べているものはなかったものの、何らかの効果の差異があることは、やはり間違いないでしょう。

この欠点を対策するためには、視覚効果や文字入力の体験を操作することなどの対策が考えられます。

❌レイアウトの不自由さ


デジタルデバイス、特にPCで行う時は、紙のように自由にレイアウトすることは難しいです。データ化の観点からしても非構造化データとなり、活用方法に制約がかかります。

この欠点の対策は正直思いついていません。他のペイントツールとの連携を強化したところで、紙のような早さと自由さはどうしても実現できそうになく… (誰かいい案あったら教えてください 🙇)



結論。やはり、デジタルが紙を上回る可能性はある。

確かに、紙に手書きで行うことで、手書きによる脳の活性化効果ということはあるだろう。ここについては否定するつもりは、毛頭ありません。(そもそも、否定する材料もない…)

0秒思考の主題である「思考と感情の言語化トレーニングを行うことで、頭を良くし、心を鍛える」といったものを包括して考えると、デジタルならではの良さを活用し、「思考の深化」「自己内発思考以外の利用」といった側面で十分、アナログを凌駕できるのではないでしょうか?

さらには、視覚効果などを最適に活用することで、手書きによる脳の活性化効果に近づける・超えることもできる可能性まであると思っています。

終わりに

本記事のことを踏まえて、デジタルを活用した0秒思考の最適化・最大化を目指して、今後もアプリを改善していきます!

みなさま、是非使ってみてください
(まだ機能は少ないですが、順次追加改修を行なっています!スマホ用の表示も近々用意できる見込みです…!)

フィードバックいただけたら嬉しいです!

「紙にはデジタルでは実現不可能な、こういう良さがあるよ。」
「デジタルには、こういう良さがあるかもよ。」
「アナログ派だけど、こういう形の利用法ならデジタルはいいかも」
「こうすれば、効果最大化・習慣促進ができるんじゃないかな」
「アプリここへんだったよ!」

などありましたら、一緒に話していただけると大変嬉しいです!!
些細なことでもそれをきっかけにいいものができると思うので、ぜひ、ご意見ください!

ありがとうございました!


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