ストレッチングが必要なスポーツ障害(鵞足炎,膝蓋靭帯炎,アキレス腱周囲炎,腰部痛などが挙げられる)
伸張性トレーニングが疼痛知覚と治癒に関わる
伸張性トレーニングは腱の疼痛知覚を変化させ、また、腱の体積を減少させ、細胞間情報伝達を通じてコラーゲン沈着と基質成分回復を促して治癒を向上させます。
さらに、伸張性トレーニング後のアキレス腱には知覚神経ペプチドが見出され、これは炎症反応を促進し、血流を増加させ、したがって、腱の治癒を促す可能性があります。
ストレッチが必要なスポーツ障害
スポーツ障害では特に柔軟性の低下が深く関与し、ストレッチングが重要と考えられている障害が多くあります。
大腿四頭筋の柔軟性の低下
膝蓋大腿関節障害や膝蓋靭帯炎などには、大腿四頭筋の柔軟性が低下していると考えれらています。
大腿四頭筋は、体重支持の主働筋であり、膝関節の動きや固定にも重要な役割を持っています。
その為、大腿四頭筋の柔軟性が低下すると体重支持、着地衝撃吸収の効率が悪くなり、筋や腱の骨付着部への負担が増大し、これらの障害の発生につながると言われています。
ハムストリングスの柔軟性の低下
特にハムストリングスの肉離れに関与していると考えられています。
ハムストリングスの肉離れは、ダッシュや全力疾走のようなランニング時の受傷のみならず、ハムストリングスの柔軟性低下による可動域制限に加えて可動範囲を超えた動作が行われ、筋が過伸展されて生じるケースも多いです。
脛骨内側部には、縫工筋、半膜様筋、半腱様筋、大腿薄筋などのハムストリングスを構成する多くの筋が鵞鳥の足の形のように付着しています。(鵞足部)
その為、ハムストリングスの柔軟性が低下すると、これらの筋付着部への負担が増大し、鵞足炎が起こると考えれています。
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