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傷害予防プログラムの共通要素(ジュニア選手においては、股関節屈曲を強調し、大殿筋を使って衝撃吸収することにポイントを置いてトリプルフレクションによる着地動作をしっかりと習得させることが非常に重要)

傷害予防プログラムの共通要素

・ウォーミングアップのランニング
・ストレッチ(静的/動的)
・自体重による下肢筋群や体幹筋群の強化
・バランスやプライオメトリック
・競技特性を含めたアジリティランニング

パワーポジション習得の重要性

傷害予防においてパワーポジション、スクワット動作を習得することは基本になります。

パワーポジションにおける適切なアライメントは、前額面において3つの関節(股関節、膝関節、足関節)が一直線状であり、膝関節が足部の上に位置し、内側あるいは外側に位置するようなポジションにならないことになります。

矢状面においては、3つの関節を屈曲(トリプルフレクション)し、肩関節と膝関節が足部の拇指球上に位置し極端に膝蓋骨部がつま先より前方に出るようなポジションにならないこと、そして、体幹と下腿のラインが平行になっていることになります。

適切なアライメントによるパワーポジション習得後、ジャンプからの着地動作を学習することになり、着地時の衝撃にトリプルフレクションの関節角度を深くすることで、衝撃をより吸収できるようになります。

特に、ジュニア選手においては、股関節屈曲を強調し、大殿筋を使って衝撃吸収することにポイントを置いてトリプルフレクションによる着地動作をしっかりと習得させることが非常に重要になります。

パワーポジション習得後

次に自体重での下肢筋群強化、バランスエクササイズやプライオメトリックトレーニングを用いられる片脚による動作習得が傷害予防に効果的になります。

シングルレッグスクワットでは、3つの関節が一直線上に位置するようにバランスを取りながら動作をしなくてはなりませんが、不適切な動作として、膝関節が内側に入り、股関節が外側に逃げるような動作が認められ、こういった誤った動作を改善し、適切なアライメントでの動作を習得していく必要があります。

障害予防に関する子どもや思春期の研究

MSF(筋骨格系能力)の他の要素と同じく、障害予防についても、子どもや思春期の若者に関する研究は成人に比べて少なく、しかもそのような研究の大多数が、思春期後期の若者の膝の傷害予防に関するものになります。

そのような研究の多くは、筋力および神経筋のコーディネーションと制御が改善すると、重度の膝の傷害(すなわち前十字靭帯損傷)が減少することを示唆しており、このような研究は有用であり、実戦にも確実に影響を及ぼしています。

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