見出し画像

純ジャパが準備ゼロで英語のスピーチコンテストに出場して大恥かいた話

これは僕が「人の目を気にしない方が楽しく生きられる」ことに気が付いた重要な出来事の話だ。もう社会人にもなったのに大学時代の話をするのはみっともないかもしれないけど、僕にとっては大切な出来事だったから、ちょっと昔話をさせてほしい。

大学一年生の僕は、このペンネームの通り何も持っていないけど意識だけは高い学生だった。今の自分は何もできないけど、何か得意なことを見つけて頑張りたい。そんな思いからプログラミングの講座を受けたり、中国語の勉強を始めてみたり、とにかくいろんなことに手を出していた。

そのなかの一つが英語で、話せないより話せた方がいいはずだと勉強を続けていた。そんなある日、ネットでたまたま英語のスピーチコンテストの広告を見た。神田外語大学が主催するENGLISH PRESENTATION CONTESTで、テーマに沿ったビジネスアイデアを考え、英語でプレゼンする大会だった。この大会は今も開催されている。

画像1

当時は賞金100万円と、アメリカで短期留学できる権利のようなものがついていた。これはぜひとも参加して英語力を磨き、あわよくば賞をとって海外に行きたい!と、ノリと勢いでその場でエントリーした。

その年のテーマは「日本の伝統工芸を世界に広める」がテーマで、本選に出場するためには事前にスピーチの概要を英語で送り、審査に通る必要があった。

僕は「扇子にも傘にもなるアイテム」という良く分からないアイデアを出し、とりあえず拙い英語で原稿を書き、審査に出した。正直、帰国子女でもなければ留学経験もないから本当にヘタクソな英語で自信がなかったのだが、どういうわけか審査に通り、本選に出場することになった。

そして迎えた本選当日。12月の寒い真冬の神田。プレゼン用にしっかりスーツを着て向かった僕は、ノープランだった。ノープランとはどういうことかというと、スピーチの練習やスライドの準備等、何もしていなかったのだ。英語の原稿なんてそもそも覚えられるわけないから、その場で原稿を手に持って読みながら、身振り手振り大きめでスピーチすれば、いいかんじにまとまるだろう。そんな甘ったれた考えを持っていた。

しかし神田外語大学に到着し、僕が参加するブロックの教室に行ってみて、自分はなんて場違いなところに来てしまったんだと驚愕した。そこには来る本番に向け猛烈に最後の練習をしたり、プレゼンに使用するスライドや模型の動きを綿密に確認する出場者で溢れていた。

とんでもないところに来てしまった。

大会について何も調べていなかった僕は、まさかこんなにガチな大会だとは思ってもいなかったのだ。

とはいえ、もうここまで来てしまったんだ。あとはやるしかない。しかしその気持ちも一人目の発表を見て崩れ落ちてしまった。プレゼンの内容は忘れてしまったが、一体どこで習ったんだという流暢な英語、綺麗なパワポ。素晴らしいプレゼンだった。その後の組もどれも洗練されたプレゼンで、誰も原稿を持ちながら発表する人はいなかった。

そしてついに僕の番が来た。ここで気づいたのだけど、この大会は3人までチームを組むことができ、僕がいたブロック30組中、1人で出場したのは僕だけだった。おまけに大学の国際交流系サークルの友人同士で参加してる人が多いのか、顔見知りで盛り上がっている集団もいた。

知り合いゼロで、準備ゼロで、ひとりでプレゼン。おまけに純ジャパ。

圧倒的アウェイ。そして地獄の10分間が始まった。

僕は本当に準備ゼロだったから、パワポすらもっていなかった。それでも「傘にも扇子にもなるアイテム」の模型だけ厚紙で作っていて、それを見せながら原稿を丸読みしてプレゼンをした。その英語も拙いものだったから、見てた人たちは「こいつ何しに来たんだ?」と不思議に思っていただろう。審査員も「おいおいとんでもねえのが混じってるな」と感じたことだろう。

プレゼンが終わった後、英語で質問がいくつか飛んできたのだが、当時ろくに英語が分からなった僕は何一つとして答えられなかった。適当に「Yes, Yes, Thank you...」と返すしかなかった。

準備をしていなかった僕が100%悪いのだけど、こんなにも自分はできないものなのかと愕然としたのを覚えている。

当然本選には落ちた。順位は分からなかったけど確実にビリだったはずだ。そのまま帰ってもよかったのだけど、午後に大きなホールで決勝戦が行われるということでせっかくだから見に行った。やはり決勝に残ったチームのプレゼンは素晴らしく、ここまで練習しないと優勝できないよな、と当たり前ながら思った。

これは僕がとてつもなく恥をかいた出来事の一つなんだけど、今思い返すと、あのとき恥をかいてよかったなと心の底から思える。誰も知り合いがいない大会に、1人で出て、笑いものになって、大失敗する。しかし人間、歳を取るとこんな大失敗はなかなか経験できない。直感的にこれは痛い目にあうからやらない方がいいなと分かってしまうから。

しかし大学一年生の僕は、若くて、意識だけ高くて、身の程知らずで、行動力があった。だから上手くいくかなんて微塵も分からなくても、「とにかくやってみたい!」という一心で未知の場所に飛び込み、大やけどすることができた。

結果としては参加したのが申し訳ないくらい悲惨な結果だったけど、恥をかくのはその場だけで、興味があるならどんどん突っ込んだ方がいいと身をもって学ぶことができた。なぜなら今誰かの前でプレゼンをするにしても、あの神田外語大のコンテスト並みに失敗することはありえないから、「あのときと比べたら大したことないっしょ!」と強気で舞台に立てているから。あの寒い12月に、ヘタクソな英語で人前に立ってスピーチをした経験があるからこそ、今の僕がいる。無駄なことなんて一つもないんだ。

友達がいなくても、やってみたいことは一人で突っ込んでいった方がいい。失敗しても、その経験は絶対に生きる。むしろ、誰も経験できないレベルの大失敗は話のネタにもなるし、メンタルが鍛えられる。失敗したって死にやしないさと、次の挑戦のハードルも下がる。いいことしかない。

スピーチコンテストでもなんでもいい。興味があることは片っ端からやろう。

何かを成し遂げるには人生はあまりにも短すぎるが、何もしないで過ごすには人生はあまりにも長すぎる。

人生は自由だ。それでは素敵な1日を。


最強になるために生きています。大学4年生です。年間400万PVのブログからnoteに移行しました。InstagramもTwitterも毎日更新中!