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幹事が得するのはお金ではなく信用

「一度なくした信用取り戻すのは、最初に信用作るより大変なんだ。」

これは僕の人生のバイブルである「闇金ウシジマくん」の特に好きなセリフだ。僕はこの言葉を炎上している彼に送りたい。

目先の小銭のために大切な友達の信用を失ってどうするんだ。結果的に大損するぞ。信用はお金よりもずっと大切なんだ。

ちょっとのぞけば分かるが、飲み会で稼げる発言をした彼は情報商材屋の類で、こういった炎上ツイートで注目を集めて、そのうち0.01%にでも高額な商材を売ることができれば御の字というわけだ。なのでこのツイートを真に受ける必要はない。が、僕はどうしても傍観できず「一度なくした信用を取り戻すのは大変だ」と呟いた。今回はこの発言の真意について書いていきたい。

何を隠そう、僕はずっと幹事はやった方が得だとずっと発言してきた。その理由は主に3つ。「金銭面で得をするから」「段取りが上手になるから」「信用されるから」だ。僕のSNSをずっと見てる人は、この「金銭面で得をするから」を見て、中島も結局やってることは同じなのでは?と思った人もいるかもしれない。それは全く違う。

金銭面で得をするからというのは決して多めにお金を徴収して儲けるためじゃない。幹事になってお店選びをすれば、みんなの予算に合わせてお店を決めることができる。グループのメンバーを見て、この会ならこのくらいの価格帯だろうと見積もり、適切な予算のお店を取れる。これは結局、自分のためだけでなく参加者全員にとってもプラスになる。

二つ目の「段取りが上手になる」も大切だ。さっき触れたようにメンバーやシチュエーションによって選ぶお店は変わる。気のおけない男友達を飲むのに鳥貴族はいいかもしれないが、狙ってる子がいる合コンで鳥貴族を選ぶのは違う。大学生の飲み会で客単価7000円のお店を選ぶのは場違いだが、誕生日会だったり内定祝いに選ぶのはありだろう。最初は選ぶのが大変だが、何回かやっているうちに慣れてくる。そのうちいろんなお店のストックも貯まっていて、どんな場所でも使えるお店がパッと思いつくようになる。

そして最後三つ目。一番大切なのが「信用される」だ。これは「感謝される」と言い換えることもできる。幹事をやれば絶対に参加者に感謝される。予約して、会がうまく進むように準備して、最後まで責任を持つ。幹事がいなければ成り立たない。みんな幹事に感謝する。

例えばこれが合コンだったら、幹事は無理に目立とうとしなくても感謝されて頭ひとつ抜けることができる。小手先のテクニック的な話だが、これもまた幹事のメリットの一つだ。

それはさておき、しっかり準備して会が成功すれば、それは参加者の「信用」に変わる。「こいつにお願いしてよかった」「本当にありがとう」友人からの信用ほど価値があるものはない。「信用」とは「恩」でもある。「幹事をしてもらった恩があるから、いつか返そう」と、「返せ」と言わなくても多くの人はそう思うだろう。別の飲み会があったら誘ってもらえるかもしれない。いい情報があったら真っ先に教えてくれるかもしれない。信用は貯めることができる。飲み会に限らず、大切な友達の信用を貯めることは結果として得をする。

しかしこの何よりも大切な信用は、一度失ったらそう簡単には戻らない。リアルな場面を想像してみよう。あなたが友達が主催する飲み会に参加したとする。参加者は10人。1人4000円と言われ、ちょっと高いなと思いながら参加。ちゃんと楽しかったが帰り際にレシートがチラッと見え、実は1人3000円だったことに気が付く。

この瞬間、あなたはどう思うだろうか。二度と彼が主催する飲み会には行きたくないと思うだろう。せっかくの楽しかった気分もぶち壊しだ。

大切なのはここからだ。なぜあなたはここまでガッカリするのだろうか。それはお金が関わらなくても楽しく集まれるはずの相手に、お金がないと集まりたくない、お金のためなら会ってやってもいいと思われたと感じるからだ。

「こいつは目先の数千円、数万円のために、友人である僕らに平気で嘘をつく人間なんだ」と僕らは考える。「こいつは僕らと友情ではなく、金でつながっている。こんな人と二度と飲み会になんて行きたくない」こうして彼は信用を失う。

さらに恐ろしいのはここからだ。今回参加した10人が大学のサークルのメンバーだとしよう。誰か1人が嘘に気づけば、その話はすぐ他のメンバーに回る。その結果、嘘をついた幹事は、他の9人全員の信用を失うことになる。それに止まらない。その9人は他のサークルのメンバーや、大学の知り合いにも話すだろう。あいつは幹事をやって、みんなに黙って金を取ってると。こうなったらおしまいで、もう誰からも信用されなくなる。目先の数千円、数万円に目が眩み、大勢の信用を失うのだ。そして「一度なくした信用取り戻すのは、最初に信用作るより大変」なのだ。もう誰も飲み会に来てくれなくなる。一体ここからどう信用を取り戻せばいいのだろうか。僕には解決策が何も思いつかない。それだけ信用というものは築き上げるのが難しく、崩れるときは一瞬にして崩れるものなのだ。トランプで作ったタワーのように。浜辺に作った砂のお城のように。何かがコツンと当たれば、波が押し寄せてしまえば、これまでの一緒に積み重ねた時間が全て無になってしまう。

幹事が得をするのはお金ではない。利益を得るために幹事をやってはいけない。目先の数万円のために信用を失ってはいけない。リスクリターンが全く見合っていない。愚かとしか言いようがない。信用はお金よりも大切なのだ。そして信用は、めぐりめぐってお金にもなる。君が困っているとき、信用を、恩を感じてる相手ならきっと助けてくれるはずだ。一つ目にも重なるが、例えばクーポンなどをうまく見つけて本来4000円の会計が3000円になったらそれも感謝されるだろう。ここで安くなったのに定価のまま1000円多くもらうより、安くなったことを伝えてお得に済ませた方が、結果として自分が得をする。情けは人の為ならずとはまさにこのことなのだ。みんなが得をするように頭を使えば、結果として自分が得をする。

信用を貯めよう。目先の小銭のために、大切な人の信用を失ってはいけない。みんながみんなで得をするように頭を使おう。嘘をついても幸せになれない。何より自分が一番気持ちが悪いはずだ。常に堂々と生きよう。王道を行こう。王道にお金を稼ごう。人を幸せにして、その対価としてお金をもらう。それが商売、ビジネスの本質だと僕は思う。信用を何よりも大切に。それだけは今後も守っていく。

それでは素敵な1日を。

【追記】
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