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Netflixの「ストリートグルメを求めて」を見て真の商売魂に泣いた

僕の旅の楽しみの一つは、ストリートグルメを食べることだ。昼夜を問わず、人通りのある通りには所狭しと屋台が軒を連ねる。

「美味しいよ!食べてって!」

僕の知らない言葉ばかりだが、きっとこんなことをいっているのだろう。タイでも、台湾でも、このストリートグルメを求めて僕は夜な夜な街を歩いた。どこに行っても、何度断っても、彼らは売ることをやめない。その迫力に押されるとともに、彼らを突き動かすエネルギーは何なんだろうと不思議に思ったのを覚えている。

そして旅行に行けない今、海外に行った気分を楽しめる番組はないかとNetflixを徘徊しているときに見つけたのが「ストリートグルメを求めて」だった。

はじめはよくある料理番組だと思っていた。屋台を歩いて美味しそうなグルメを紹介する。見ているだけでお腹が好きそうな料理が出てきて、海外旅行気分も味わえる。一石二鳥だ。

特に思い入れもなく何となく見始めたのだが、第一話を見終わった後、僕は涙を流していた。

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僕が涙を流した理由、それは僕の憧れる真の商売人たちの姿を目の当たりにしたからだ。

「ストリートグルメを求めて」では、各国の屋台で人気のグルメが紹介されているだけではなく、その店主の半生にまで迫っている。

高温の窯の中でガスマスクをつけてヤギの燻製を作る台湾のヤギおじさん。

素手でマグロを焼く大阪のとよさん。

ベトナムで絶品蟹入りオムレツを振舞うジェイ。

彼らはみな貧しく、家族を養うお金がなかった。明日生きるのも精一杯なドン底の状況で、何とかして生き抜くために、その身ひとつで屋台を立ち上げたのだ。

場所を借りるお金もない。

どんなに頑張ってもうまくいかない。

そんな困難に立ち向かいながら、美味しいものを作ってお客さんを笑顔にしたいというその一心で料理を作り続け、彼らの魂の料理がストリートグルメの文化を作り出してきた。

かっこいい商売とは何だろうか。僕はいつも考えている。僕は「人を幸せにして、その対価としてお金をもらう商売こそが王道」だと思っている。

そして生活をかけ、人生をかけ、ストリートで屋台をかまえフライパンを振りかざす彼らの姿は、まさに商売の王道をいく真の商売人の姿そのものだった。

ストリートグルメで大切なことはただひとつ。

美味しい料理を作ってお客さんに食べて喜んでもらうことだ。

美味しければお客さんが買ってくれる。おいしくなければ売れない。

そんなシンプルで残酷な世界で、彼らは戦っている。

もし売れなければ、そこには苦しい生活が待っている。彼らはストリートで、文字通り命がけで商売をしているんだ。

僕は偉そうに上から目線でアドバイスをする人間より、自分で手を動かして商売をする人間の方が心の底から尊敬できる。商売において、学歴や社会的地位は関係ない。

もしかしたらこれを読んでいる人の中に「屋台なんてみっともない。もっといい仕事をしたらいいのに。」なんて思う人がいるとしたら、それは大間違いだ。

僕が思うかっこいい商売人とは、どこへいってもモノを売れる人間だ。いい大学を出て、いい会社に入って、自分で商売をしたことがないくせに偉そうに仕事をしている人間を、例えば台北のストリートに放り出すとしよう。

「今日からここで商売をしろ。自分で料理でも服でも作って、それを売れ」と言われたら、あなたはどうするだろうか。

こんなとき、何もできずただ呆然とするような大人に僕はなりたくない。どんな状況でも、人を幸せにする料理なりアイテムなりを作り出し、売り、買ってもらい、対価としてお金を得る。そういうことができなければ真の商売人とは言えない。

肩書きとか全部とっぱらって、路上に打ち捨てられても、一から商売を作っていける人間こそが、真の商売人なのだ。

「ストリートグルメを求めて」に出てくる彼らは、そんな真の商売魂を持っている。

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「俺は世界一うまい料理を作ったぞ。さあ、食べにこい。うまいぞ。」

そう自信満々に腕を振るう彼らの姿を見て、カッコ良過ぎて涙が止まらなくなった。汗まみれになりながらフライパンを操る彼らの姿は、偉そうに腕を組んで写真を撮られる横文字好きなビジネスマンなんかと比べ物にならないくらい輝いて見えた。いつだってカッコいいのは、自分の手でリスクを取って商売している人間なんだ。これだけは間違いない。そして僕も、そんな商売人になりたい。

暑くても、寒くても、雨が降っても、雷が鳴っても、家族を養うため、美味しいご飯を作り、お客に食べさせて喜んでもらうため、彼らはストリートに立ち続ける。こんなに美しい商売の形が他にあるだろうか。

命をかけて、ひとつのことに打ち込む人間は強い。そしてかっこいい。

もしみなさんが自分で商売をすることに興味があるなら、「ストリートグルメを求めて」をぜひみてほしい。そこには商売の真髄がある。

それでは素敵な1日を。


<予告編はこちらから>




最強になるために生きています。大学4年生です。年間400万PVのブログからnoteに移行しました。InstagramもTwitterも毎日更新中!