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日本の各ラウンドのVal・調達額・希薄化の参考値を調べてみた

どうもANRIのナカジです。ANRIというベンチャーキャピタルで働いております。今回はスタートアップにおけるラウンドのValuationと額とDillusionについて調査して考えてみました。

・対象の読者層

シードからアーリーの起業家やいまから起業を目指している人で、どのようなValuationをつけて、どうやって株を放出しながら大きな事業を作ろうかと考えている方

・これを読むことで理解が進むかもしれないこと

具体的なValuation・額・希薄化の相場感を掴むことができる・・かもしれない

なぜこのポストを書こうと思ったのか

日々投資検討含めしていくときに、頭を悩ますことは多々あるものの、その中でもどのようにラウンドを登っていくかというのは非常に重要かつ明確な答えがない課題だと常日頃考えています。資本政策と事業戦略は表裏一体で、今後更にその意味の重要性はましてくるなとおもっており、このベンチャーキャピタルの仕事を始めたときよりも、そこの意識はあがっていると思っています。なぜそこが重要になってくるかというと、ANRIというベンチャーキャピタルはシード投資でそこで終わりではなく、次のラウンドも含めてリードとしてラウンドメイクしていかないといけないなってのが肌身として実感しており、実際に自分でも連続でリードで投資していくっていうスタイルが多いです。そういったときに感じていることとしては、自分たちはエクイティストーリーの責任者の任務を担っているところはあるだろうし、未上場ファイナンスのプロではないといけないなってことを感じてます(自分で書いたけど、ほんとまだまだほど遠いですが。。)そういったときに、いまの自分に足りないのは未上場ファイナンスの知識・経験だなと。

そして補うためには1つはもちろん実践。いくら本読んでも実践に叶うものはなく、結論は日々起業家・事業に向き合うってことだとは思います。次のラウンドのためにはどういった状態にしないといけないのか、この状態だとファイナンシャルなVCでなく事業会社も巻き込んだラウンドづくりをしないといけないのか などなど。事業の最先端なことは起業家に敵わないと個人的にはおもっているので、そこではなくて、じゃあいま日本のマーケット含めてどういうふうに事業が投資家から見られるのかっていうところの目線合わせをしていくことは一つ自分たちにとっては重要なミッションなのではないかとおもってます。特に自分も投資先をフォローオンしていくためには、投資委員会含めて納得性が必要なので、そのためにどういった状態をつくれるかというのを投資終わった直後から考えないといけないとおもい、話してます(もちろんできているとは言えないけど、そのときの最善は尽くしているつもりです)

そしてもうひとつ知識をつけるために、自分の独断と偏見で選んだExit済みのスタートアップの登記簿含めて見て、どのようにValなどが上がっていったのかなどは教科書として学ぶ必要があるなとおもい、今回は40社弱(Exit済含めて)の資本政策をみて考えたことをせっかくならシェアしようとおもいシェアしてみました。

ピックアップした企業の基準と言い訳

・2012以降のエクイティ調達した企業(Exit済みも含めている)

・3回以上ラウンドを経ている企業

・ナカジの独断と偏見によって良いと思っているスタートアップ(なので自分の投資分野に近い領域が多いです。Deeptechなどは少なめ・・すみません)

・結構数字は丸めているときがあるので、緻密な正確性にはかけている可能性はあります(1.85億調達=>2億調達 みたいに計算しやすいようにまるめたりしてます。すみません)

・当たり前ですが資本政策に正解はないので、あくまで一助としてお考えください

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資本政策はアートでありその企業のストーリー

あらためて思ったんですが、上記の通り本当に千差万別の資本製作がありどれもが正解だしどれもが不正解かもわからないものだなって思いました。そして各VC・事業会社がどういう思惑でこのタイミングでこの資本政策・シェアで入っているのかなどを妄想するとその企業の成長ストーリーがわかるような気がしてて、調べてて楽しいなと思いました・・w

まあ下記のがあくまで平均値などの結果をわかりやすくグラフにしてみました。そんなに今実際自分が見ている肌感とはあんまりずれてないかなっていのうはなんとなく感じております。3-5倍のValuation成長倍数で伸びているのは良いシグナルなのかもなあと思ってます。(*基本的にはこの指標はあくまで結果論なので、じゃあ単純にValuation3倍-5倍にしよう!っていう話ではないのであしからず、基本的にはForecastの事業計画や最終的には純利益・PERに収斂していくものだと主います)

よりレイターになればなるほど希薄化も成長倍数は小さくなっていくんですが、メルカリ社は2倍以上をキープしており、さすがだなと実感しました。一方あるラウンドにおいて6-10倍ほどの成長をしているところもあり、ストレッチを効かせた調達力をもつ起業家か収益の見込みが垂直的に立ち上がった可能性もあるのかなと妄想してました。

あとはこれもケースバイケースではあるという前置きをしつつも、2回目か3回目のラウンドで20%以上の希薄化をさせているところが多いなっていう印象を持ちました。実感やはりここが踏ん張りどこですし、シリーズAクランチっていうわれるほどなかなかここの壁を乗り越えていくことがひとつ重要なフェーズなのかなと

そして過去のExitした企業を見るとシリーズCほどになるとどちらかというと事業会社の投資が目立っていたような気がしますが、直近を見るとVCからの調達に変わって来ている感を感じました。この数年でファンドサイズが大きくなったことをきっかけにVCの守備範囲・フォローオン投資の厚さが増してきたのかなとも

-Pre Valuationの平均値について

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-調達額の平均値について

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-希薄化の平均値について

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-成長倍率について

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みたいなのがざっくりとしたコメントなのですが

・じゃあExitを実際にした企業だけの上の数値感をみたい・PSRなどについても少し考察いれます

・事業会社がリードラウンドしたときにどのような変化がおきるのかについてファクトから情報をもらいたい。各ラウンドにおいて事業会社がリードした件数はどのくらいなのか

・もう少し個別企業のもののコメントを知りたい(StandfmのURL限定音声コメントをつけようかなと思ってます)

とかは続きはNotionで書こうかとおもっているので(そんなに期待せず・・多分プラス1000-2000文字くらいかと、かつ今後ちょっと気づきあればば自分のために更新してみます)TwitterのDMやFBで起業家の方は①やっている事業②経歴を自分に送ってくれればシェアします〜(*あとからメルマガでシェアするかもなので、めんどくさいかたは登録してお待ちください)友人の方などは声かけていただければシェアしますし、議論させてください〜(こういった切り口でみてみたいとかあったら生データはあるので、いじれます)

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あと、ANRIニュースレーターでもその続きの記事を配信すると思うのでこちらも登録いただければ〜


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