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旅の記憶(エッセイ)

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これまでの一人海外旅のエッセイです。実際の旅の順とは関係なく、基本的に一話読み切り。今は2005年のオーストラリア一周の旅を時系列で書いています。(古い情報も含まれますので実際に…
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2023年2月の記事一覧

【旅の記憶】フィレンツェの甘いクリスマス

フィレンツェでふなっしーを見かけたのは、あと数日でクリスマス、という寒い朝だった。 サンタ・クローチェ教会の広場のクリスマスマーケットで ふなっしーは、バーバパパやキティちゃんと一緒にバルーンとなって売られていた。いつの間にそんなワールドワイドに。 いや、ふなっしーとはどこか違う。青い服の雰囲気も違うし、メガネもかけているし。 ふなっしーの偽物かもしれない。偽物にしては謎の完成度。 そんなことを思いながら、クリスマス直前の街を歩き回った。 クリスマス感あふれるショップや教会

【旅の記憶】夕暮れのザッテレ(旅のなかの旅 ブラーノ島③)

ブラーノ島には結局4時間ほど滞在しただろうか、このユニークな島との別れを惜しみつつヴァポレット(水上バス)へ。 暖かい船内で少しうとうとしながらフォンダメンタ・ヌオーヴェに戻る。 空がまだまだくっきりと美しく、座ってちょっと休憩したいと思いつつ、結局てくてくと本島を縦断する形でサン・マルコ広場へ向かう。 この辺りは初めて歩く場所であり、名も知らぬ教会のファサードが綺麗だったり、やはりヴェネツィアはどの路地を通っても興味深い。 通ったことのない道を珍しがっているうちに、本島の

【旅の記憶】島の散策とにぎやか有料トイレ(旅のなかの旅 ブラーノ島②)

いよいよブラーノ島へ上陸。のっけから鮮やかな建物たちがお出迎えしてくれる。 少し歩くと湾曲した水路のあるメインストリートと思われるところへ出た。 この水路に沿って可愛らしい家が軒を連ねている。 まるでレゴブロックを積んだような建物は、外壁とはまた別の色で窓枠やドア、鎧戸が塗られている。 訪れた日は年末だったが、クリスマスの飾りを残している家も多い。 更には二階の窓にロープを渡し、洗濯物をずらりと干している家も沢山ある。 下着などもお構いなしで最初はどぎまぎしたが(だって青い家