怖い顔してる人への正しい声かけの方法

こんにちは！
職場のメンタルヘルスとコミュニケーションの研修講師、中井裕規です！

皆さんは「怒ってる？」って聞かれたことありませんか？
私も人生で何度かありますが、久々に聞かれちゃったのでその時に考えたことをシェアします。

うちの2歳の双子は保育園に行っておりまして、道路に面していることもあり駐輪場には見張りのおっちゃんがいつも待機してくれています。
みんな良い人で、お喋り好きな私はどの方ともいつも挨拶や少しの雑談を楽しんでいます♪

保育園の送りの朝のこと。
子どもを送った後に、おっちゃんに「怒ってる？なんか怖いわぁ笑」と言われてしまいました。
私にとっては特になんでもない普通の朝だったので、驚いて怪訝な顔をしてしまったと思います。
私の心の中では「え？なんもないけど？」と言いたくなるようなちょっとモヤッとした気持ちが湧きました。

この「怒ってる？」という質問というか声のかけ方、皆さんはどう思うでしょうか？

今回の私は怒っていないですが、その場合だとやっぱり「え？」ってなりますよね。
怒ってないのに「怒ってる？」って言われると、なんだかイヤな気分になります。

一方で、本当に怒ってる場合はどうでしょう？
「うるさいわ！ほっといてくれ！」となるんじゃないでしょうか。

こう考えると、「怒ってる？」という声かけにはリスクやデメリットはあっても、上手い声かけではないと気づけます。

じゃぁもし本当に怒ってそうな人にどうやって声かけるのが正解でしょうか？

たとえば、「今日どないしはったん？いつもと雰囲気ちゃうけど大丈夫？」だとどうでしょう？

怒ってない人なら「え、そうですか？大丈夫ですよ」となって、嫌な思いはないですよね。
怒っている人なら「今日はホンマ、朝から色々あってね･･･」とかってなるかもしれませんね。

「怒ってる？」というのは、『当てにいこうとしている』部分がありますよね。
これは、相手の心に一気に踏み込みすぎるリスクがあります。だから、怒っていても怒っていなくても、一気に距離を詰められるものだから拒否反応が出やすい上にYES or NOしか答えを生まないんですよね。

一方で「今日どないしはったん？いつもと雰囲気ちゃうけど大丈夫？」というのは『当て』にいこうとはせず、相手に話す余地を与えています。
だから一気に距離感を詰めすぎないことで、拒否反応が出にくくて、相手が続きを話してくれる流れを作ることもできます。

こんな風に、少しの言葉のチョイスで相手の心象やその後の会話の流れが大きく変わっていきます。
特にカウンセリングではクローズドクエスチョンというYES or NOに限られる質問の使い方は難しいため、相手に話す余地のあるオープンクエスチョンが基本的には使われます。
皆さんもオープンクエスチョンでのコミュニケーションを心掛けてみると、雑談だって盛り上がり方が変わりますよ。

ちなみに私とおっちゃんはすでに良好な関係ができていたので、その後も良い関係が続いています。
特に私の方は、「怒ってる？」って尋ねられたことを後から振り返ってみて、私自身は特に変わらない朝だと思いつつもきっと無意識のコンディションの悪さが表情に出ていたのかもしれないと思い、その日は仕事をセーブして早めに寝ました。
また、声の掛け方は上手くなかったとしても、心配して声をかけてくれたおっちゃんはめちゃくちゃ優しいなと感じるし、無愛想な私の対応を反省しました。
普通、怒ってるって思ったら怖いから声かけないですよね。おっちゃんの優しさに感謝です。

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●筆者について
株式会社EAPサポート喜び
代表取締役　中井裕規(なかいゆうき)
精神保健福祉士、公認心理師、社会福祉士
東京大学大学院医学系研究科　職場のメンタルヘルス専門家養成プログラム修了
大学、大学院にて心理学を専攻。EAP会社勤務を経て、独立起業。職場のメンタルヘルス対策、コミュニケーションを専門として企業研修、法人コンサルティング、職場カウンセリングを行なう。複数のEAP会社のスタートアップや新規事業の構築にも参画。双子の男の子を育児し、多胎家庭支援やパパママに対する講演活動にも積極的に取り組む。

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