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器用貧乏の勧め

小学生の頃から、生粋の中日ファンです。

最近、少し前の大谷選手から始まって、最近の根尾選手のコンバート問題を含めて、何かと二刀流が話題になっています。

何かを同時にやるというのはとても難しいことです。それも投手と野手というようなそれぞれ専門職と言えるものなら、極めるのが大変なのはなおさらのことだと思います。

昔の話で恐縮ですが、かつて小学校で部活があった頃、夏は野球部、冬はサッカー部に入るというのが普通にありました。その中でも、野球がうまい子は、サッカーもうまいのが事実です。彼らは「運動神経がいい」と、一括りにされていました。

アメリカに住んでいる知人によると、複数の部活(クラブ)に所属するのは、案外普通のことで、こうした「運動神経がいい」と言われる人は、いろんなクラブに所属して活躍していると言います(合わない競技はすぐ見切りをつけるそうですが)。

そういう人を、わざわざ二刀流とは言いません。当然ながら、その競技においてどれだけ結果が出ているだけが問題とされます。アイスホッケーで成果に、たとえアメフトのレギュラーであるという評価は加味されません。

本当の二刀流とはサッカーと野球。バスケと野球(そういえば、同時ではないですがマイケルジョーダンがいましたね)。というまったく違う競技を同時にやって、両方で成果を出すことだと思います。

野球という競技の中で、投手と野手と分けなくても、それを両方やることを二刀流と大げさに言わなくてもいい気がします。文学で言えば、詩と小説ぐらいの違いに過ぎないと思います(こう言い切ることによる多くの批判は謹んでお受けします)。

投手と野手どっちつかずになるのは、根尾選手がかわいそうだという意見もありますが。自分としては、本人が良ければそれでいいと思います。もともと、彼は完全試合をしたロッテの佐々木選手のように、投手、野手のどちらかのずば抜けた才能を買われて入ってきたわけではありません。投手と野手、どちらもいける才能の持ち主という希少価値で、ドラフトが競合したのです。

根尾選手は、これから主に投手として出場するようですが、自分としては、途中から守備固めとして外野守備に入っても、時にはチャンスに代打で出ても、はたまたショートとして先発して、途中から中継ぎで出ても、その姿を見れるだけでいちファンとしては素直にうれしいです。

すべてができる。それだけでも新しい野球人の可能性が感じられて、気持ちがワクワクします。だからこそ、根尾選手のようなオール4の選手(今はです)は、これからの野球界では十分ありの存在だと思っています。ぜひ、そうしたパイオニアになってほしいです。そもそも、オール6のような大谷選手があまりにも異次元すぎて、比べるのはあまりにもかわいそうです。

「中途半端」、「器用貧乏」。これらは、特に突出した才能がなく、無難になんでもこなせる、ある意味残念な人を指して言う言葉ですが、そもそもオール3や2の人について、言われる言葉ではありません。才能はあるが、ただ一つには突出していない。しかし、とにかく何でもできる。それは決して残念なことではなく、実は唯一無二の貴重な個性だと思います。

世の中オール5か、一つの分野を極めつくして名人になるのが尊ばれますが、何でもできる、器用にこなせる人の価値を、プロ野球に限ったことではなく、会社や、学校でも、もう少し、認めてあげてもいいのかなとも思います。もちろん、本人が自認しているという前提があるでしょうが。 

全然関係ないですが、芸能人で言えば所ジョージさんの生き方を見ているとそんな感じがします。器用貧乏ではなく、器用富豪。トータルとして人より際立つ。

まあ、自分は文学世界ではオール3の選手かもしれませんが・・・。
ではまた

夢はウォルト・ディズニーです。いつか仲村比呂ランドを作ります。 必ず・・たぶん・・おそらく・・奇跡が起きればですが。 最新刊は「救世主にはなれなくて」https://amzn.to/3JeaEOY English Site https://nakahi-works.com