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「文学」のために

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「文学の可能性」を探っていくマガジンです。YouTube、文学フリマ、句会、映像化、Tik Tok、メンバーシップ等々、文学のために何ができるか考えていきたいと思っています。不定…
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#芥川賞

失われた「夏目漱石賞」を復活させて欲しい

芥川賞、三島由紀賞、谷崎潤一郎賞と、偉大なる文豪を冠した賞が数々ありますが、その中でひとり肝心な人を忘れている気がします。 それは、つまり夏目漱石先生のことです。夏目漱石賞、ありそうでない賞です。 しかし、いろいろ調べてみるとかつては存在したそうです。1946年に桜菊書房というところが、夏目漱石没後三十周年を記念して、賞を作りました。 その栄えある第一回が渡辺伍郎「ノバルサの果樹園」という小説でした(残念ながら消えてしまいましたが)。 この夏目漱石賞。なぜか第一回限り

遥かかなたの芥川賞

昔は、芥川賞や直木賞と聞くと、数ある文学賞の中でも特別な賞だという印象がありました。それこそ、年二回の発表があるときには、新聞やテレビで大々的に発表され、受賞者は一夜にして有名人になったぐらいです。 しかし、今では、一年前の受賞者は誰だかわからないといった、隔世の感を禁じ得ない状況となっています。 もともと両賞は、文藝春秋社を創立した菊池寛が作った賞だと言われています。年二回の賞があるのは、商売の世界では「にっぱち」と呼ばれる、2月と8月の不振の月の対策のためでした。