RAGE AGAINST THE MACHINEという奇跡のバンドを知ってますか?
1992年にデビューしたRAGE AGAINST THE MACHINE(以降RATMと書く)というバンドを知ってますか?
リリースされた4枚のアルバムは全てプラチナレコードとなり、音楽的には極めて高い評価を受けている。
ボーカルのザック・デ・ラ・ロチャと、ギターのトム・モレロの2枚看板(と言っては失礼かもしれないが、この2人が凄かった)で、この2人が出会って同じバンドでやっていたことが奇跡なんだ。
実は、RATMは私の人生に少なからず影響を与えている。
彼らは社会主義的思想で、私は全くそうではないので、政治的思想の影響を受けたわけではない。影響については下で説明する。
私の人生に影響を与えたバンドをふと紹介してみたくなったので、知っている限りで書いてみる。
このバンドには2回ハマった時期がある。
最初は小学生の時、デビューアルバムを聞いて、単純に音楽がめちゃくちゃかっこよくてハマった。
自己紹介でも書いたが、アメリカンスクール在籍時に隣で数学の授業を受けていた3年落第した兄ちゃんが紹介してくれた。
重厚なロックに、パンチの強いラップを乗せて、新しいジャンルを切り開いた。
超かっこいいと思ってその後ギターリフは真似しまくった。
2回目にハマったのは高校生の時。こっちが本ハマり。
なんでか覚えてないが、大学生のドラマーにドラムを教えてもらう機会があった。
彼はRATMのことが好きで、趣味一緒っすね~、なんて話してたら、このバンド名の意味知ってる?と聞かれた。
RAGE=怒り、MACHINE=機械、機械に対する怒り?なんて答えると、MACHINEは体制の意味で、体制に対する怒りという意味であることを知った。
それってアナーキズムみたいなこと?
パンクミュージックも好きだったが、自分が知っている音楽界のアナーキストたちとRATMは全然違って、よく分からなかった。
アナーキストって自分の中では、イギリスの労働者階級が、階級社会を嫌って反政府主義になった人たち。
SEX PISTOLSとかTHE CLASHがそれで、見た目からしてRATMとは全然違う。でもよく考えてみると、RATMの歌詞はスラングだらけで、帰国子女の自分でも意味が全然分かってなかった。
一気に興味がわいて、RATMのことを調べた。
そしてハマった。
まずボーカルのザックとギターのトムが普通の人間ではないことが分かった。
ザック・デ・ラ・ロチャ
90年代最強のフロントマンと称されるぐらい、彼のボーカルとしての存在感は半端じゃない。
これは百聞は一見に如かずで、とにかく見てほしい。
https://youtu.be/Y0DUkeJYAwQ
反戦活動家の母と反体制思想を持つ壁画家の父との間に生まれている。
この時点でもう普通じゃない。
父は不平等社会や反ベトナム戦争を壁画を通じて唱えた。
曽祖父は、当時スペインの植民地化にあったメキシコの労働者階級(貧困層)で、メキシコ独立革命を戦った。
高校生の頃、彼は地域で数少ない非白人だったため人種差別を受けた。
自身の経験と、血族の経験が重なり、徐々に彼は現状に対する問題を音楽を通じて訴え始める。
当初はハードコアやパンクミュージックを聞いて、自身もギターボーカルをやっていたらしい。
その後、徐々にKRS-ONEなど、政治主張の強いヒップホップアーティストの影響を受けるようになり、ラップ調へと変貌。
RATM結成後、重厚なヘビーロックに、切れのいいラップを通じて自身の主張を叫ぶスタイルを確立する。
トム・モレロ
「ローリング・ストーン詩の選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において2003年は第26位、2011年の改訂版では第40位に選ばれる名ギタリスト。
人は彼のことを「変態」と称する。
独特な演奏方法で、ターンテーブルのスクラッチ音を再現したり、ギターとアンプを繋ぐシールドというコードのジャックを直接弦に当ててデジタル音を再現したりする。
とにかく今までにはなかった方法で、色々な音を作り出した彼の演奏は変態的だということで、変態と呼ばれている。
これも百聞は一見に如かずで、是非見てみてほしい。
https://youtu.be/qogtDaTwERU
また、これは本当かどうか分からないが、RATMを直訳すると「機械に対する怒り」となるので、デジタル機器を使わずにデジタル音を再現する、ということらしい。
彼の凄さはこれだけじゃない。
なんとハーバード大学出身。
しかも、なんとなんと、主席で卒業している超秀才。
彼もザックと似ていて、ケニアの過激派の父(後に国連代表)と公民権運動家の母という政治色の強い両親のもとに生まれる。
やはり両親の影響を受け、ギターに目覚める傍らで、左色の強い政治思想を育んでいく。
RATM結成
1991年に結成、政治的思想(基本的には社会主義思想)が近かった革命家ザックと天才(変態)トムが出会ってしまった。
小学生ではじめてRATMにハマったときは歌詞の意味は全く分からなかったし、アルバムのジャケットもちゃんと見てなかった。
しかしその後、彼らが反体制を主張するバンドだと分かってから色々聞き直して、見直してみると、そこにはめちゃくちゃ主張があったことにやっと気づく。
デビューアルバムのジャケットは何かグレーの模様ぐらにしか見てなかったが、ちゃんと見ると焼身自殺をしているお坊さんの写真だった。
ベトナムの仏教徒差別に抗議するために自らに火をつけたティック・クアン・ドックという仏教の僧侶だ。
そしてそれぞれの曲の歌詞には強烈な主張がなされている。
ここで、とても分かりやすく和訳しているので、興味があったら見てほしい。
各アルバム、めちゃくちゃカッコいい曲の中に、強烈な反体制、抑圧をもたらす政治への攻撃的なメッセージが含まれている。
聞き返してみて、歌詞の意味を調べてみて、ホェーと圧倒された。
そういう人たちだったのね~と。
受けた影響
冒頭に、RATMは私の人生に影響を与えていると書いた。
それは政治的な思想という意味ではなく、自分で考える、という意味だ。
彼らの主張を聞いて、それを調べてみて思ったことは、物事には自分が知らない側面があるということ。
物事は全て多面的であり、特に政治とか戦争には必ず当事者それぞれの正の主張がある。
そして、そのそれぞれの正に隠れて、必ず抑圧された弱者たちもいる。
この色んな側面がありながらも、ニュースでは、歴史の授業では、一つの側面しか教えてくれない。
それじゃだめで、特に今なんてネットで調べればいくらでも情報は集められるので、自分で情報を集めて学んで、自分で考えて、自分で行動を決める、ことが大切だと学んだ。
これマジなんです。
今世の中はウィルスとか戦争とか、色々な脅威があるが、決してニュースなどの一つの情報に惑わされることなく、自分で勉強して理解して、その上で自分で自分の行動を決めることが一番大事だと思っている。
残念ながらバンドは2000年に解散。
その後再結成したり辞めたりで、今は結成状態だが新アルバムの発表はまだ。
でも得てして、こういうバンドは最盛期のインパクトを再現することはできないので、あまり期待もしてない。
2000年に来日したときは幕張メッセまで行って、音漏れを聞いて盛り上がった(チケット取れず)。
良い思い出だ。
RATM最高!!
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