7年越しで成立したM&Aから得た学び【M&A日記】

私はお手伝いするお客様と長くお付き合いさせて頂くことが多い。

会社を売りたいというニーズが顕在化してる人ではなく、中長期的に売却することを視野に入れている方のお手伝いが多いため。

DMなどの広告宣伝に多額の費用をかけているM&A会社は、会社を売りたいというニーズが顕在化してる人を探すため、相談が始まればすぐに動き出して、1年以内に譲渡完了というパターンが多いだろう。

もちろん私にもそういう時間軸でご相談される方はいるが、多くの方とは3年ぐらいのスパンでお付き合いして、売主のタイミングが来た時にお手伝いしている。

中でも私が関わったもので最長の期間を有したのは7年。

この件には大事なポイントがいくつかあると思っていて、それをご紹介。

①買いたい人が1人いれば売れる
7年かかっているので、お察しの通り相手探しは簡単ではなかった。
それには色々な理由があるが具体的な話は割愛。

それでも7年かかって最終的には成約した。
M&Aは、1000人が買わないと言っても1人が買うといえば成立する。

時間が経てば外部環境も変わるので、買いたい人がいずれ現れるという可能性を否定することなく、諦めずに探し続けること。

②7年間専任契約を続けさせてくれた
7年もの間買い手を見つけることができなかったわけで、売主からすれば私に矢印を向けて、お前が実力不足だから売れないんだと契約を打ち切られておかしくない。

しかし、私が諦めるまではやって欲しいと言われた。

専任もそのまま。
7歳もその間に歳をとられていたのに。

頼んだM&A会社でダメならダメなんだろう、と思わせるぐらいの信頼関係と実績を積むことの大切さを強く認識した。

③買い手を選ぶこと
決して7年もの間、成果なしで動いてきたわけでは無い。
売主とは何社もの買収候補企業が面談しているし、意向表明を出してきた会社もある。

また、この会社なら買うだろうなという会社はあった。
結論、売主に私の意見と合わせて情報をお伝えして、見送ってきた。

最終的に買って頂いた会社の傘下で、譲渡された会社は今も順当に成長している。

ただ、それ以上に良かったのは、進めなかった会社の判断。
1社はコロナ禍の影響を受けて破綻した。
意向表明を出してきた会社も大打撃を受けて、大変なことになっている。

他を選ばなかったことで、結果的に会社の存続と発展を守ることができた。

これは私にとっては何より大事な結果。

ということで、7年かかった案件からの学びでした。

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