![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/145825425/rectangle_large_type_2_9e4ea1ef5c3eaf002f3828531e780184.png?width=800)
Photo by
soeji
見落とされがちな取引にかかる費用【M&A日記】
時価純資産と解散価値の違いを答えられるだろうか。
時価純資産は、企業の資産のうち、負債を差し引いた純資産部分の現在の市場価値を反映したもの。
企業が保有する資産の時価を基に計算される。
計算方法:資産の市場価値 -負債の市場価値。
解散価値は、企業が解散する際に全ての資産を売却し、全ての負債を清算した後に残る価値。
解散手続きや資産売却に伴うコストも考慮される。
計算方法:資産の清算価値 - 負債の清算価値 - 解散コスト(例:手数料、税金、解雇手当など)。
お気づきになっただろうか。
時価純資産は資産・負債の時価をベースに計算する。
ただ、時価ってなに?となると、実際に売れた金額が最も時価なので、じゃあそうすると生産価値と同じじゃない?となる。
そう違いは資産・負債の価値ではなく、解散価値には解散コストが考慮される点だ。
取引には概ね色々とコストがかかる。
税金とか手数料とか手続きの費用とか。
こういったものは、M&Aで見落とされがち。
例えば会社を10億円で譲渡する。
ただ会社では1億円の自宅を所有しているため、10億円の譲渡対価を払った後に1億円で自宅を買い戻すという条件になったとする。
数字的には会社の1億円の資産が現金1億円に変わるだけに見えるが、引き取る側には、不動産の取得税がかかるし、建物には消費税がかかるし、登記手続きの費用もかかる。
他にも会社所有の車を引き取るケースとか、役員を変更する場合とか、買主・売主それぞれに各種税金やら手数料やらが発生する可能性がある。
取引金額によってはそれがそれなりの金額にもなるため、予め認識しておくことが必要だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?