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買収を成功させる、プログラマティックM&Aとは【M&A日記】

「マッキンゼー価値を創るM&A」という著書の中で、M&Aを4つの類型に分け、類型ごとにM&Aがどれぐらいうまくいっているのかという比較をしている。

M&Aの評価としては超過TSRが用いられている。
TSRは、株価の上昇額に配当金を加え、それを当初株価で割って算出する。
なので、株主に対してどれだけ還元できているかを示す指標。
例えば買収時の株価が100円、1年後が120円になっていて、配当が10円だとすると、(120-100+10)/100=0.3=30%となり、TSRは30とされる。

”超過”TSRというのは、このTSRが同業種の水準をどれだけ超過しているかというもの。
なので、要は単純にどれだけ良い買い物だったのかということを客観的に示す指標となる。

4分類とその意味は以下のとおり。

  1. プログラマティック:体系的に年1,2件の買収を継続し、その累計で時価総額を高めていく。

  2. 選択的:選択的に買収するので、件数は少なく、対象規模もまばら。

  3. 大型案件:時価総額の少なくとも30%を占めるような大型の買収を1件以上実施。

  4. 有機的:3年に1件以下の買収しか行わない。

各分類ごとに日系企業の超過TSRをそれぞれ算出すると、プログラマティックM&Aが最も良い結果を出していたというもの。

また、注目すべきは、プログラマティックM&Aのみがプラスで2。
続くのが大型案件で-0.1、選択的が-1.7、有機的が-2.3となっている。
マイナスは即ちM&Aのパフォーマンスが悪いということになる。

何故プログラマティックM&Aが良いかという詳細は本を是非読んでもらいたいが、要約すると以下のとおり。

M&Aは、約束されていない将来に期待値を込めて高値で買収されるため、それを実現し、かつシナジーを生みだしていくことが必須。
ということはPMI(買収後に期待される結果を実現していく作業のこと)がとても重要。
PMIには相応の組織力が必要となる。
ある程度M&Aに一貫性を持たせることで、PMIにおける成功要因を踏襲できるほか、PMI力が磨かれていくことで、成功確率が高まっていく。

選択的にやってしまうと一貫性がないために、成功要因を踏襲しづらかったり、有機的(たまに)にやってしまうとPMI力が低いために難しい。
ある程度体系的にM&Aを継続して行うことで、結果成功確率が高まる、というようなこと。

M&Aを成長戦略として活用していきたいという場合は、プログラマティックM&Aを実践していくことをお勧めする。
その最たる成功事例がGENDA社だ。

詳細知りたい方は是非購読ください。私の著書ではありません。


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