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M&Aの成否は判断が難しい【M&A日記】

買収側にとって、何をもってして成功なのかというのは判断が難しい。

例えば上場企業はのれんの減損テストを行っているので、減損=失敗と捉えやすいが、必ずしもそうではない。
例えば以下のGENDAのように減損は事業の業績悪化によるものではなく、構造上の影響ということがあったりする。

あるいは、業績悪化していたり、縮小していたとしても、時間軸を考慮する必要がある。

買収後数年は伸び悩んだり、業績が悪化したとしても、それが後の成長のための準備である可能性もある。
当初は失敗とみられていても、後に大成功という評価に転じる可能性もある。

また、買収された会社の業績が思うように伸びなかったとしても、買収した側の会社が、シナジーによって業績を伸ばすことができていれば、それはそれで成功という捉え方もできる。

逆に買収当初は凄くうまくいっているように見えても、中長期的にみるとその影響が段々と薄れ、振り返ってみればあのM&Aは失敗だったねということもありうる。

何をもってして成功かというのは、時間軸や誰が?によって変わる。
なので、一概に言うことは難しいという前提で、当社としての考え方を共有。

当社は売るも買うも目的は会社の成長のため、という前提でM&Aの支援をしている。
会社を売る場合も、その会社がもっと良くなるため、成長のための手段として譲渡する、という考え方。

なので、中長期的に譲渡された会社が成長軌道に乗っていること、を成功と捉える。

PMIが簡単ではないことは12年のこの仕事の経験値でよく理解していて、なので短期的に期待された結果が出なかったとしても、そのときは「頑張れ!頑張れ!」という心境。

そして5年程度経った時に、譲渡された会社が譲渡時点よりも成長していて、そこにいる意欲的な従業員たちが成長環境を勝ち取ったということを見て、このM&Aをお手伝いできてよかった、と思う。

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