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レーマン方式とその歴史【M&A日記】

殆どのM&A仲介やアドバイザリー会社は、手数料計算にレーマン方式を用いている。
手数料は譲渡の規模によって変わり、規模が大きくなればなるほど段階的に手数料率が小さくなる仕組み。

M&Aで最も一般的なレーマンテーブルを用いて、取引額が50億円だった場合の手数料を計算してみる。

5億円までの部分の5%=2500万円。
5億円から10億円までの部分の4%=2000万円。
10億円から50億円までの部分の3%=1.2億円。
手数料合計は1.65億円となる。
50億円に対する手数料率は3.3%となり、当初の5%と比べて手数料負担が少なくなる。

取引金額が大きくなるほど手数料率が低下するため、大規模な取引でも過度な手数料負担を避けることができる。
また、逆に取引金額が小さくとも初期の段階では高い手数料率が適用されるため、アドバイザーは積極的に取引を推進し、成功報酬を得るモチベーションを維持できる。

ということで、手数料を支払う側、受け取る側双方にメリットがあるとして使われている。

さて、このレーマン方式。
アルファベット表記すると、Lehmanとなる。
Lehmanを金融界隈の人間たちに読んでもらったら、皆さん「リーマン」と読むはず。
このレーマン、実はリーマンブラザーズが考案した手数料方式。

今は亡き、かつてのウォール・ストリートにおける雄であるリーマンブラザーズが、M&A業務を手掛ける時に用いた計算方式。
それが国内に持ち込まれ、少し訛ってレーマン方式という名前で活用された。

国内でM&A仲介業務をはじめたのは、1987年設立のレコフ(2016年にM&Aキャピタルパートナーズに買収され子会社化)と言われている。
レコフ社がレーマン方式を用い、更にその後業界の最大手に成長した日本M&Aセンターもそうしたことで、一般的な方式として広く国内でも活用されるようになった。

レーマン方式のような段階的手数料方式は、M&A業界以外にも広く適用されている。
不動産取引、資産管理、保険ブローカー業務、証券取引など、多くの業界で取引規模に応じた柔軟な手数料設定が求められている。

貴方の業界でも使えるかも!?

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