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欠点を強みに変えた人②松下幸之助

「経営の神様」と呼ばれる松下幸之助

一代でパナソニックの前身・松下電器を創り上げた日本を代表する実業家です。

松下幸之助は、「あなたが経営者として成功できた理由は何ですか?」と聞かれたとき、驚きの答えをされています。

「経営者として成功した理由」に、「学歴がなかったこと」と答えたそうです。



小学校中退だった松下幸之助


有名な話ではありますが、松下幸之助は小学校を中退しています。

「学歴がなかったから何も知らなかった。おかげで、誰にでも聞く耳を持てた。」という言葉を残されており、折に触れて小学校中退のエピソードを語っておられます。

松下幸之助ご本人曰く、「勉強していなかったため、分からないことは人に聞き、自分よりも賢い人をどんどん登用していったことで、経営者として成功できた」というのです。

学歴を追い求める現代の受験生が聞いたら、拍子抜けしそうな考え方ですね!

小学校中退という、普通であれば自分の劣等感の原点になりそうなお話さえ、成功の原点に変えてしまう松下幸之助先生。

その影には人知れず努力する姿があったに違いありません。

苦労人だった幼少期

松下幸之助の実家は元々裕福な家でしたが、父親が米相場で失敗して破産したため、小学校も卒業できなくなり、丁稚奉公に出されたそうです。

自転車屋に奉公した後、大阪市の路面電車を見て感動し、電気に関わる仕事を志して、16歳で大阪電灯へ入社。
在職中、簡単に電球を取り外す事ができる電球ソケットを考案します。

松下電器誕生


1917年
大阪電灯を辞職し、新型ソケットの製造販売に取り組みますが、初期の頃は軌道に乗らず。
アタッチメントプラグ、二灯用差し込みプラグがヒットして経営が安定し、松下電器製作所現・パナソニックホールディングス)を設立します。

1927年
自転車用角型ランプの販売にも着手し、この商品から「NATIONAL」の商標を登録開始。

1931年
ラジオの生産開始。

1933年
日本で初めて、事業部制を取り入れる。
事業部制とは、企業を事業ごとの部署へ分割し管理する制度です。

今でこそ上場企業の多くが事業部制を取っていますが、松下電器が取り入れたのが最初だったのですね!

1935年
国民ソケット(電球と電気回路の接点を構成する電気部品)を発売。
松下電器産業株式会社に改組し、9分社を設立。


私たちのイメージする「松下電器」が形作られたのはこの頃です。

近年(2008年)、パナソニックと社名を変え、日本を代表する電気機器メーカーとして、エアコン、洗濯機、照明器具などを販売しているのは、皆さんご存知の通りです。

「学歴がなかったから、成功できた」

今なお読み継がれる哲学を打ち出しておられる松下幸之助氏は、偉大な経営者であり、日本の誇る賢者のお一人です。

それにも関わらず、

「学歴がなかったから、成功できた」

「自分よりも優秀な人を使うことが経営のコツだ」


なかなか言える言葉ではないと思います。

常に謙虚な姿勢を忘れずに、精進を続けておられることが分かります。 

この言葉を堂々と述べられること自体が、松下幸之助氏が大人物の器であることを表しているのでしょう。

また、事業部制を取り入れられたのも、「優秀な人たちに仕事を任せる」ことができたからですね。

リーダーの陥りやすいポイント 

社長などリーダーの方が「自分が一番頭がいいぞ」と意地を張っていると、結果的に他の優秀な人を使えずに、事業が頭打ちになることが多いといいます。

特に、自分が優秀だと自負している社長の場合、プライドが高いので、なかなか他の人からのアドバイスや諫言に耳を傾けることはできません。

似たような例として、「項羽と劉邦」でいえば、間違いなく項羽がこのタイプだったそうです。

しかし、結果的に天下を取ったのは、自分よりも優秀な人材を使うことのできた劉邦でした。

今、自分以外の人材を使えずに孤軍奮闘されているリーダーの方。

松下幸之助先生から見れば、「優秀な部下の話を聞いてあげて、使ってあげればもっと事業が発展するのに……!」と残念に思うことだらけかもしれません。

「松下幸之助先生の例から学べること」

松下幸之助先生の例から、以下のようなことが学べます。

・学歴がない、という「欠点」があっても、人から素直に学び続ける姿勢のある人は伸びていく。

・自分に学がないことを「謙虚さの武器」とし、自分より賢い人をどんどん登用して、能力を引きだせれば、大きな成功を収めることができる。

ただし、自分より優秀な人を使えるようになるのには、自分磨きとは別の努力が必要です。

優秀な人を使うために必要な条件とは?

・常に謙虚な姿勢を持ち続けること

・優秀な人に嫉妬せず、才能を愛する度量があること

・「この人ならついていきたい!」と優秀な部下に思ってもらえるような、「徳高き人格」の持ち主であること


事業を継続するには、個人の能力だけでなく、全体の総合力が必要になっていきます。

優秀な人を使えるかどうかは、才能よりも「徳」の問題が大きくなっていきそうです。

ある意味で、大勢の人を従えるような「徳」を兼ね備えることは勉強ができること(「才」)よりも、もっともっとずっと難しいかもしれませんね。

また、優秀な人に嫉妬せず、その才能を愛してあげられる人というのは、それだけで人格者の器があると思います。

「徳の力」については、またどこかの記事で掘り下げてみたいと思います!

この記事が少しでも皆様の参考になれば幸いです。

※松下幸之助についてもっと知りたい方はこちら↓↓

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