ブランドの付加価値を高める方法とは?
どうも!ブランドコンサルタントの中江です。
今日は「ブランドの付加価値を高める方法」というテーマでお話していこうと思います。
「付加価値を高めることが重要だ!」ということはブランディングやマーケティングの世界でよく言われる訳ですが、「付加価値を高める方法」を理解するには、まず「付加価値が高い」とはどういうことかを理解しておく必要があります。
1.付加価値が高いとはどういう状態か?
まず、「付加価値が高い」とは、「普通」よりも、価値がプラスされている状態のことだと理解しておけばいいでしょう。
例えば、以前の動画で紹介した、メイドインジャパンのアパレルブランド「ファクトリエ」が出す、「汚れを弾くコットンパンツ」という商品があります。
これは間違いなく付加価値の高い商品です。
コットンという素材は、ふんわりとした肌触りで、通気性と吸水性と耐久性に優れていて、発色がキレイという特徴を持っています。
コットンパンツは、全国展開している大手アパレルチェーンや、ネットで探せば、1000円台から購入できると思います。
これが今のコットンパンツの「普通」です。
ファクトリエの「汚れを弾くコットンパンツ」は、この普通のコットンパンツとは一線を画しています。
まず、最も違う点は、「汚れを弾く」という機能を持っていることです。
ということは日常の中で起こり得ることだと思います。
ですが、普通のコットンパンツは吸水性に優れているため、洗濯しても汚れが取れないのが普通ですが、ファクトリエの「コットンパンツ」は、糸1本1本に撥水加工が施されており、コーヒーやワインがパンツにこぼれてもその水分や汚れを弾きます。
なぜ、水分や汚れを弾くことができるのかというと、パンツに、フライパンなどで使われているテフロン加工を施しているからです。
このパンツを作成した後に、テフロン加工を施すという技術は世界初で、国産ジーンズの発祥地のとしても有名な岡山県児島にある工場の職人の皆さんが1年間かけて、試行錯誤しながら編み出したものです。
なので、こんな作り方をされているコットンパンツは、ファクトリエ以外にはありません。
簡単にいうと、これが付加価値の高い状態です。
つまり、
ということです
特別だからこそ、価格が高くても飛ぶように売れていきます。
ファクトリエの「汚れを弾くコットンパンツ」は1万3200円と、普通のコットンパンツよりも8倍以上の価格ですが、多くの人が購入するヒット商品となっています。
だから、ブランドの付加価値を高めたいのであれば、「普通とは違う、特別なものを作る」という意識がとても大切です。
2.ブランドの付加価値を高める方法
次に具体的に、ブランドの付加価値を高める方法について解説していきたいと思います。
まず、押さえておきたいのは「普通とは違うものを作る」といっても、「普通と違えば何でもいい」という訳ではありません。
「違い」や「差」とは「価値」なのですが、それがイコール、全ての人にとっての魅力ではないということです。
例えば、先程の「汚れを弾くコットンパンツ」ですが、明らかに付加価値が高い訳ですが、全ての人にとって魅力的かというと、そうではないんです。
例えば、
という人も中にはいます。
そういう人はファクトリエのコットンパンツではなく、ユニクロやGUやZOZOTOWNなどで、できるだけ価格の安いコットンパンツを買うと思います。
これは人によって価値観(人生において、何を最優先させるのか?という基準)が違うからです。
シャネルは好きだけど、ルイヴィトンはそこまで好きじゃないという人もいますし、逆にルイヴィトンは好きだけど、シャネルは嫌いという人もいます。
どんなブランドでも、全ての人にとって「魅力的」な存在にはなれないということです。
2-1.ターゲットの設定
だから、まず、付加価値を考える際に重要なのは
を決めることです
このターゲットの設定のポイントは「具体的に、直接コミュニケーションを取ったことがある、実在する人物まで絞り込む」ということです。
最初は、年齢、性別、居住地、家族構成、仕事、年収、趣味といった外面的な属性と、性格、価値観、ライフスタイル、願望、不満といった内面的な属性を書き出していく中で、絞り込んでいっても良いのですが、最終的には
と聞かれた時に、名前を答えられるのがベストです
属性だけでターゲットを作成しても、それはあくまで架空の想像上の人物であって、それだけを設定しても、「その人が何を魅力に思うのか?」という心までは捉えることができないからです。
例えば、40代の男性が、東京の女子校に通う高校生をターゲットにしたアパレルブランドの立ち上げに携わるとします。
一応、ターゲット設定では「東京の女子校に通う高校生」とした訳ですが、これだけでは、彼女たちの心を掴むような付加価値は考えられません。
というのも、その人は今まで東京に住んだこともなければ、男なので女子校に通ったこともなければ、40代なので今の高校生の感覚すら分からないからです。
もし、ここからヒットするブランドを立ち上げようと思ったら、まずは、「東京の女子校に通う高校生」と直接コミュニケーションすることが大切です。
直接コミュニケーションしなければ、彼女たちにはどんな価値観があるのか、悩みがあるのか、願望があるのか、どんなライフスタイルを送っているのかは、具体的にはわかりません。
だから、「実在の人物」まで思い浮かべることが大切なのです。
2-2.ブランドコンセプトの作成
ターゲットを定めたら、次に「ブランドとして、どんな付加価値価値を持つのか?」という方向性を言語化して、決めていく必要があります。
このステップが「ブランドコンセプトの作成」です。
付加価値といっても、何でも噛んでも付け加えればいいという訳ではありません。
例えば、カレー屋であっても、
というように、付け加えれば付け加えるほど、「どんなカレー屋なのか?」が分からなくなっていき、価値を認識してもらえません。
順序としては、まず付加価値の方向性を定めた上で、付け加えていく価値を考えることが大切です。
例えば、「100種類カレー」というブランドコンセプト(方向性)を定めた上で、具体的に商品メニューや材料や作り方でのこだわりを考えるということですね。
この方向性というのは
✅定めたターゲットの人たちにとって魅力的であること
✅自分自身もその付加価値の方向性に共感できること
の2つが揃っていることが大切です。
付加価値の方向性を見つけていくためには、まずは、自分の業界のプレイヤーをリサーチしていくことです。
彼らが、どんな付加価値の方向性を提示しているのかを見ていけば、「共感できる方向性」と「これは違うな」「ここはまだどこもやっていない」という方向性が見えていきます。。
そして、重要なのは
というブランドプロミスを設定することです
例えば「100種類カレー」なら「これまで食べたことがない新しいカレーに出会えます」というようなものがブランドプロミスになります。
このブランドプロミスを設定するからこそ、人はそのブランドと関わりを持とうとします。
こういうものを言語化していくからこそ、初めてそのブランドを認知した人が、そのブランドの付加価値を理解してくれるようになります。
付加価値を高める際には、まず、このブランドコンセプトを作成していくことが何よりも重要になります。
この方向性が定まれば、あとは、商品メニューに落とし込んだり、ウェブサイトやパッケージなどのデザインに落とし込むことで、この付加価値というものを目に見える形で具現化していけば、自然とブランドの付加価値は高まっていきます。
2-3.付加価値を言語化して、伝える重要性
付加価値を設計し、付加価値を形にしたら、あとはその付加価値を言語化して、伝えていく必要があります。
これはブランドコンセプトの作成のステップと共通しているのですが、目に見えない「価値」というものは、言語化しないと他人に伝わることはありません。
何の説明もなく、ただカレーを目の前に出されても、価値を認識できませんが
✅どんなカレーなのか?
✅どんな風に作られたか?
✅どんな食材を使っているのか?
などを伝えるだけで、「ただのカレー」ではなくなります。
だから、最終的に、付加価値は言語化することが大切なのです。
現在、急成長している、生鮮食品のECサイトに「食べチョク」というサイトがあります。
この「食べチョク」は品質にこだわる農家・漁師から旬の食材を直接お取り寄せできるオンラインの直売所で、2021年現在、ユーザー数は50万人を突破し、利用率No.1の産直通販サイトです。
ここで販売されている生鮮食品は、取り寄せで送料もかかり、近所の普通のスーパーで売られているものよりも価格は高いですが、飛ぶように売れていきます。
価格が高くても売れていくのは、農家の皆さんが、こだわりを持って作物を育てているということもありますが、商品ページで「付加価値」をちゃんと言語化していることも大きく関わっています。
例えば、今、食べチョクのサイトで「標高800mで育った高原野菜(9-10品目)野菜セット」という商品が売られています。
食べチョクの商品ページには、その食品の生産に携わった人の顔写真や名前や地域がわかるようになっています。
この野菜セットを作ったのは、長野県の佐久市のみまきはらファームの農家さんです。
この方は、男性で、元々は都内で27年会社勤めをされていて、登山など自然に触れ合う中で、田舎暮らしにあこがれを抱くようになりました。
そんな、ある日のこと、たまたま農家の友人の畑を手伝う機会があって、自然の中で土に触れ野菜が育てることが楽しくなり、いつか住んでみたかった信州で農業をしようと決心して、有機農業をしている農家さんのもとで9ヶ月間住み込みで研修させてもらって、2014年に長野県の佐久市の御牧原で農家になりました。
みまきはらファームの農園がある御牧原は標高800メートルの台地にあります。
長野県内でも寒さが厳しい地域で真冬はマイナス15度くらいまで下がり、春は一日の寒暖差が20度を超えることもめずらしくなく、土壌も強粘土質といって野菜にとっては頑張って根を張らないといけない厳しい土地です。
でも、この厳しい環境だからこそ野菜本来の味が凝縮していて、とても美味しい野菜が育ちます。
そして、みまきはらファームでは、農薬、化学肥料は一切使っていません。
この方は、レイチェル・カーソンの「沈黙の春」を読んでから、
という疑問が沸き、実際に農薬を使わず、防虫ネットや太陽の熱だけで、野菜を育ててみたらと十分作れると確信したので、このスタイルで作物を育てています。
こういった商品の背景が全ページで、写真と共にふんだんに書かれているのです。
普通のスーパーで売っている野菜とは一味も二味も違うので、価格が高くても売れるのです。
しかも、この農園で買った人の赤裸々な口コミも書かれているので、初めての人も安心して購入することができます。
なので、付加価値を高めるためには、「付加価値を伝える」ということまで意識していきましょう。
最後に
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます。
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