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変革推進者と現状維持者の着眼点の違いとは?

組織開発コンサルタントとして様々な企業様にサポートをさせていただいている中で、何年もかけて準備を進めいよいよ実行…というときに計画が頓挫してしまうことが残念ながらよく起こります。

その理由のほとんどは「先送り」です。
そして先送りが繰り返されていった結果、関係者の入れ替わりや情勢変化によりせっかく積み上げたものが全部ご破算になってしまう…ということも少なくありません。
この進まない変革をいかにサポートするかが組織開発コンサルタント、ファシリテーターとしての腕の見せ所でもあるのですが、それにしても積み木崩しのようだなと思う場面も多々あります。

常々思うのは、そのご担当の方が「変革推進者」なのか、「現状維持者」なのかで状況が変わってくるという点です。
計画のなし崩し、骨抜き、先送りが往々にして起こるのは担当者が現状維持者であったときです。
そのため、その方が変革推進者なのか、現状維持者なのか、見極めた上でサポート方法を変えていくことが重要なポイントとなります。

何が変革推進者と現状維持者の違いを創り出しているのでしょうか?

ポイントは、見ている観点の違いです。
・やる/やらない
・メリット/デメリット
この二軸で捉えたとき、「やるメリット」と「やらないデメリット」に目が向くのが、変革推進者です。

対して「やるデメリット」と「やらないメリット」に目が向くのが、現状維持者です。
新たな取り組みを進めるとき、どんなネガティブなことが起きるのか?という質問や、取り組みに対する不安や懸念ばかりを口にしている人は「やるデメリット」に目が向きがちであり、「やらないメリット」を選択する傾向が非常に強いと思います。

対して変革推進者の方は、何を実現したいのか?何を成し遂げたいのか?ということを膨らませていきます。
そして取り組みを進めないことによるタイムロスを見据えて、「じゃあやろう」と腹決めしていきます。
このような方に対しては、何を可能にしたいのか、未来を描くサポートや、やらないことによる副作用についてをお伝えさせていただくなどすると、それが後押しとなって変革推進が為されていきます。

では、現状維持者の方にはどのようなサポートが有効なのでしょうか。

「どのテーマならやれますか?」という問いかけで姿勢が変わるパターンもあります。
しかし、基本的に腰が重く、やらないことが前提になっていて、やらないことを正当化する理由を一生懸命探しているような状態を超えていくためには、これまでの経験上、次の二択になると考えます。

一つ目は、サポートを止めて、やらなかったデメリットを十分に体験していただくということ。
かなりの荒療治にはなりますが、このことが必要な場合もあります。

二つ目は、本人がその気になるまで粘り強く気持ちに寄り添って関わり続けることです。
正直骨の折れることですし、またそれが4、5年間続くということもあり得ます。
それでも、少しずつその方の中で決意の言葉が結晶化されていったり、
「やっぱりやらないのもどうかと思う」
と姿勢が変わっていくのを辛抱強くサポートしていくと、やがて現状維持者の姿勢から変革推進者へと変化されていくこともあります。
ここで重要なのは、どれだけご担当の方と信頼関係を築けているかだと思います。
「いい加減、先延ばしにしていることの代償に気付いてください」と、ストレートに伝えられるか、です。

「現状維持者」タイプの方々は、ともすればいわゆる抵抗勢力として扱われる、または、抵抗勢力に変貌していくということがあります。
そのことが組織の中での対立構造を生んでしまうと、物事を生まないどころか、諦めの雰囲気が蔓延していく、ということになってしまいます。
何かをやりきれなかったという事実は、そこに関わった方々の心残りとなり、「痛み」として残り続けます。

変革という難しいテーマに対して、結果はもとより「自分は出来る限りのことをやったのだ」と思えるだけの行動をし続けられたかどうかが、ご自身や組織における新たな変革を創造できるかどうかのカギになるのではないでしょうか。
      
                   
できる限りのことをやったと言えるために
あなたに必要なものは何ですか?

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