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なぜ、いま、発達指向型組織でなくてはならないのか?

「強くなければ生きていけない。 優しくなければ生きていく資格がない」
この言葉は、米国人作家 レイモンド・チャンドラーの小説の一節ですが、こと組織運営の現場において強さと優しさは時に両極に振れやすい問題になりがちだと見えています。

強さに振れすぎた会社はブラック企業だと言われ、一方で優しさに振れすぎた企業はホワイトすぎる企業と言われて、いずれもZ世代に見放されているように思います。
更に言うなら、ブラック企業では難易度の高い「無理ゲー」と評されるほどの状況に管理職が疲弊していく様子を毎日見せられ、「ああはなりたくない」と成長を放棄する若者が多く、一方でホワイトすぎる企業では「このままでは他社で通用しなくなる」というキャリアに関する不安を募らせ早々に転職を検討する人が多いとも伝えられています。

こうした時代において、人が「ここに所属して本当によかった」と思えるような、もしくは、単に成長だけを目指すのではなく、人生を充実させるという観点から自分自身の人生に向き合えるような組織の姿とは、一体どのようなものなのでしょうか?


その問いに対する一つの仮説として提示されているのが、成人発達理論の大家であり専門家でもあるロバート・キーガン教授による、「発達指向型組織(DDO)」です。
これは、好業績であることはもちろんのこと、従業員がお互いに支え合い、高め合い続ける文化を有する組織を重点的に分析した結果作り上げられた組織モデルです。

この「発達指向型組織」と名付けられた新しい組織は、むやみに業績を追っているわけでも無視しているわけでもなく、一方で「業績を上げる手段としての人材と教育投資である」という考え方とはまるで違う人間観と組織観から創られている組織です。
キーガン教授は、彼らが創り出している組織形態こそが、組織内で発達を促す文化や仕組みとなっているのだという特徴を明確にしたのです。

キーガン教授は以前の来日イベントにおいて「今後当たり前になっていく未来はいきなり発生するのではなく、既に一部で始まっているということが良くある」と述べていました。
発達指向型組織は正にその一例です。
今はまだごく一部の組織しかそれを体現できていなかったとしても、この先、22世紀までには当たり前の姿になっていてもおかしくはないでしょう。
いずれ当たり前になるかもしれない組織モデルについて、いかにその本質を捉えて取り組んでいけるかが、我々にこれから問われていくのではないでしょうか。

今後、様々な要因によって企業経営がままならぬことということが増え、より現場力が求められる時代を迎えることが予想されます。
そのとき、現場の社員一人一人が、自分の一部を切り売りするかのようにその仕事に関わるのではなく、自分自身の人生の目的と、会社が創り出そうとしていることを高度に一致させていくことがますます必要になっていくでしょう。

一朝一夕には難しい、その一人ひとりの力をいかに生み出していけるのか。
そのヒントがDDOにあると思い、「なぜ、今、発達指向型組織でなくてはならないのか?新春スペシャルセッション」と題したセミナーを1月下旬に開催して、アーカイブ視聴も含め150名を超える方にご参加いただきました。

セミナーでは、複雑な環境下で直面する課題と、それに対する我々のスタンスとあり方について探求し、発達指向型組織がどのような可能性を秘めているのかについてご紹介しました。

ご感想として、「これからの組織に重要なことの本質を理解できた」「あり方をアップデートする必要性を感じた」といった多くの反響をいただきました。
多くの方が発達指向型組織に関心を寄せてくださったことを非常に嬉しく思うと共に、ここから新しい組織の形が広がる第一歩となることを期待しています。

                   
あなたが思う、これからの組織に必要な本質とは何ですか?
    

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