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映像制作の過程に見せ場は必要か。

きのうは映像制作の最終段階であるMAでした。知る人ぞ知るイマジカでのMA。ナレーションを収録して音声のバランスなどを整える作業です。現在の仕事の仕方だとほぼほぼリモートで行われるので効率がいい反面、制作側にとっては見せ場が撮影現場ぐらいしかありません。MAだって行わずに納品する仕事も増えてきました。いまでも編集をオフラインの場でみせたりする仕事もあるのかもしれませんが、ぼくの仕事はほとんどが撮影現場でしか顔を合わせなくなってきています。べつに見せ場をつくりたいわけではないのですが、今回の案件は最近のぼくにとっては珍しい案件だったので思考量をお見せしたかった。
今回の案件はリブランディングした企業が社員に向けてメッセージするインナー向けの仕事でした。企画を提案して撮影するまでは、とてもスムーズで関わるみんなが満足してる感覚をもっていました。もちろん各所で提案をして修正をしてはOKをいただきました。しかし編集に対するフィードバックでおどろきました。それまでに一度もでてこなかったワードが飛びだし、つくっていたものの方向性がちがう。という事態になりました。方向性がちがうことはあり得ない。という話ではないのです。ただこの案件に限らずどのような雰囲気になるのか、専門用語でいうと「トンマナ」をつかむような会話は行います。ぼくの場合、表現を狭めないためにはっきりとつかむわけではないのですが、企画を説明するときのことばであったりイメージしていただくために参考動画もいくつか提示しています。撮影のときも考えを伝えたりして全体像を共有できていると思っていました。しかしそれがまちがえていた。
フィードバックがくると後戻りはなかなかできません。この案件は昨年末からはじまっていて年末年始を挟んだことも原因のような気がします。年が明けてあらためて共有する時間を十分にもうけなかったことを後悔しました。映像制作は一筋縄ではいきません。ぼくたち制作側だけでかく、みなさんも大変な作業になってしまいます。だからこそ同じ目標にむかって一緒に歩んでいく必要がある。なんとなくお互いの信頼関係が少しだけ揺らいだ気がしたので、この案件ではMAをしっかり行うことができてよかった。ちゃんと思考量をお見せする場があってよかった。映像は感覚でつくっているように思われることもあるので、その誤解はといておきたい。ナレーターへのディレクションで「ここはこういう意味なのでこのようなニュアンスを込めて」「ここからはメッセージの内容が少し変わってきているので〜」など、できる限りの思考量はお伝えできたと思います。伝わってほしいと願いながら。

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