コントにわかによるKOCファイナリスト紹介'24(後編)
※こちらの記事は後編になります。前編は⬇️
ファイヤーサンダー(2年連続2度目)
2014年結成、ワタナベエンターテインメント所属のコンビ。コントのワタナベが誇る最高戦力が、今年も難なく決勝に駒を進めた。昨年は初の決勝で4位と健闘したが、個人的には最終決戦にまで進めると思っていたので、この結果は少し残念だった。そして今年は何度か生でネタを見たり、KOCコラボカフェでカードが2種類出たことに勝手に縁を感じたことも相まって、とても期待している。﨑山さんが書く悪意マシマシのネタと、それを体現するこてつさんの熱量が武器。ネタの安定感もファイナリストの中では随一だろう。ABCで優勝してから早6年、今年こそ一番大きな大会で優勝して﨑山さんがこのネタを擦り続ける現状から脱却してほしい。
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「情熱と悪意のコントマスター」
や団(3年連続3度目)
2007年結成、SMA NEET Project所属のトリオ。3度目の決勝進出を果たし、ついに常連組の仲間入りといったところか。その割にはあまりにもそれ以外での露出が少ない気もするけど…。こうなったらもう優勝するしかないのだろうが、下馬評は昨年と変わらずかなり高いし、予選の口コミも期待通りの高評価だった。ボケ2人の狂気とツッコミの本間さんの間や表情、これらの相乗効果による圧倒的な爆発力を誇る。今年は一度だけ生でネタを見たのだが、共演していた王者・錦鯉やサルゴリラ、昨年準優勝カゲヤマを差し置いてその日一番のウケを誇っていたように感じた。経験豊富な“劇場キング”は、今年本物のキングになれるのか。
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「熟成された弾丸コント」
ラブレターズ(2年連続5度目)
2009年結成、ASH&Dコーポレーション所属のコンビ。ニッポンの社長と同じ5度目の決勝進出だが、あちらは近年のKOCを知り尽くし、こちらは色んな時代のKOCを知っているコンビ。昨年は7年ぶりの決勝返り咲きを果たすも、王者サルゴリラの次の出番、なおかつ1stラウンドのトリでの登場ということもあって、一瞬で終わってしまった(結果は6位タイ)。2人揃って演技力がめちゃくちゃ高く、見ていると次第にラブレターズワールドに引き込まれるような、そんな魅力がある。こちらも今年一度だけネタを見たのだが、昨年の決勝ネタに比べてかなり“分かりやすく”なっている気がした。初の決勝から13年、長い長い戦いに終止符を打ちたい。
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「不屈の演技派ボーイズ」
隣人(2年連続2度目)
2013年結成、吉本興業(大阪)所属のコンビ。ナニワのコント職人が2年連続の決勝進出。去年・今年と大阪のコント界隈を引っ張る存在が次々と東京進出し、今は彼らがそのトップランナーとして界隈を牽引している(と、勝手に思っている)。コントでも漫才でも、唯一無二のトリッキーな発想を武器とするコンビで、昨年は結果こそ振るわなかったものの、ネタ自体は個人的にかなり好きな部類だった。だが、今年に関してはネタもまだ見てなければTwitter上での情報もほとんど入ってこない。裏を返せば、芸風はなんとなく知っていて、なおかつそんなに多くのネタを見たわけではないので、一番ワクワクする状態で見ることになるので楽しみだ。
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「ナニワのトリックスター、再び」
ロングコートダディ(2年ぶり3度目)
2009年結成、吉本興業(東京)所属のコンビ。言わずと知れたダブルファイナリスト。お笑いに留まらず舞台の出演が決まったり(兎さん)と活躍の幅を広げているが、そんな中でも本業でしっかり結果を残すあたり、さすがの一言である。2人にしか生み出せない脱力感と、そこから時折繰り出される鋭いボケ・ツッコミが特徴。コントでは主に兎さんがボケ担当であることが多いが、役に入りながらも兎さんという人間が滲み出ている感じがするのもまた面白い。今年は予選の段階からかなり下馬評が高く、優勝最有力候補にも名前が上がるほどである。さらにM-1グランプリではラストイヤーということで、ここで優勝してM-1にも勢いづけたいところだ。
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「静かなる闘志の脱力系」
以上、キングオブコント2024ファイナリスト10組を自分なりに紹介してみた。前編の冒頭でも述べたように、今年は経験組が多くかなり異例の選出となった。初出場組にとっては厳しい戦いになるとは思うが、そんな中で優勝ないし上位に食い込んだら、大金星といっていいだろう。一方、経験組の中にも今年で確実に決めたいと思う組は少なくないはず。「コントの最高到達点」にふさわしい戦いを今から期待したい。