洗濯機が壊れた!(2年ぶり4度目)
もりです。
『2年ぶり4度目』って、センバツ甲子園の有名校みたいです。
我が家に置かれた洗濯機は相変わらず強そうで良い。
過去の顛末はこちらにも。
うららかに平和な午後、配偶者(監督か?)から、非情な通達が告げられます。
「洗濯機が壊れた。」
またかよ。と思いつつも、監督の思い違い、操作ミスなどということだってあり得ます。
(そしてウチの監督は「オマエがなんとかせい」という阪神タイプ。)
自分の目で確かめてみます。
壊れていました。
かってないほどわかりやすく壊れています。
だって「電源ON」するだけで異常なのがわかります。
↓ 29秒の参照動画(音が出ます。)
「電源ON」すると、『ズ、ズガカカッ、ガガガッガガガー!!』と、
『これ以上先に進んではいけないような音』
が鳴り響きます。
家電製品にしては、かってないほど激しい自己主張する故障です。
機種名は、さきのNoteで自慢していた
日立『タテ型洗濯乾燥機 BW-D11XWV』です。
ー通常の動きー
①「電源ON」押す(操作パネル光る)
②「スタート」押す。(ピロピロ音)
③ドラムが数回転し、洗濯物の重さを計る。
(「洗剤:1杯」とか表示)
④水が入り、洗濯スタート。
(「残り時間:47分」とか表示)
今回は、①の段階から異音が鳴りますが、無視すれば②の「スタート」は押せます。(ピロピロ音も鳴ります。)
しかし③には進まず、ピクリともドラムが回転しません。「洗剤:1杯」とか表示せず、ずっとガーガー鳴っています。
でも、5分ほど放置してもエラー表示が出るわけでもないので、センサや回路の故障ではなく、機構的にどっかが引っ掛かってるだけ?
なんとなく、自分で直せそうな気がしてきます。
洗濯機のフタを開けたところ。
下のお皿みたいなもの(パルセーターと言うらしい)と、周りの銀色の筒はつながっていなくて、洗濯やすすぎのあいだ、同方向に回転したり、互い違いに回転したりして、衣類をもみほぐしています。
この洗濯機はベルト方式ではないため、洗濯槽の真下にモータが入っています。
モータと洗濯槽が直結されてしまうと2つとも同方向にしか回転できないため、その中間に逆回転機構があるはずです。
逆回転機構があるということは、回転を切り替えるクラッチの様なものがあることになります。
そしてその部分の異音の様な気がします。
ネットで調べてみました。
部品ありました。
イッキに気が楽になり、壊しても「コレ買えばいいや。」の気分になってきます。
このサイト様の部品写真を使って説明します。
A.モータ、変速機構からのシャフトは同軸になっており、外側の筒(下の矢印)が洗濯槽を回し、中のシャフト(上の矢印)がパルセータを回しています。(この部分の固着か?)
この部品を下から見たところ。
B.一番下にあるのがモータ、オレンジの枠内が変速機構(だと思います)
C.赤枠(矢印)のところに変速機の正逆回転を切り替える、ラッチレバーの様なものがあること確認できますね。
バラす前に『異音の原因』について推察してみます。
A.モータ軸の2重構造シャフトの軸先が(洗剤カスなどで)固着している。
→互い違いに回せないので異音が鳴る。
→→でもそれが原因なら、異音は②の「スタート」ボタン押下後に(洗濯槽が回転し始めるとき)鳴るはず?
B-1.DCモータが故障している。
B-2.『変速機構』がギヤ欠けなどで壊れている。
→直せそうにないので基本お手上げ。(部品購入)
→→どちらかの場合なら、異音は②の「スタート」ボタン押下後に(回転する時点か途中)鳴るはず?
→→→『F8』『Fd』などの勘合異常エラーや、DCモータ異常のエラー表示無し。
C.『変速機構』の一時的な嚙みこみなどで、『ラッチレバー』が回転同調の位置(若しくは回転反駁の位置)に動かなくなっている。
⇒『どちら方向に回すのか?』は②の回転前に決めておく必要があるので、コレなのでは?
家電によくある『壊れた時には保証期間が微妙に終了』しているため、分解決行!
まず『推察A(2重構造シャフトの固着)』ですね。
(コレで終わればもっとも簡単。)
パルセータ中央のメクラキャップ(⊖ドライバで取れます)を外すと、パルセータを固定してあるボルトがあります。
14mmでした。
パルセータは、洗剤カス等で固着していると、ボルトを外しただけでは中々取れないようです。
YouTube等でも往生している方がたくさんいました。
でも今回は別に洗濯槽を綺麗にクリーニングしたいわけではなく、お客様の洗濯機でもなく、もし『洗濯槽とパルセータが固着しているのなら、それが外れれば良い。』だけなので、『洗濯槽をグルグル回してお皿だけをバシバシ止めて打撃!』を数回すると、割とあっさり外れてくれました。
パルセータを外したところ↓。
パルセータが簡単に外せたことや、このシャフトの写真状態から判断できますが、同軸シャフト先部分に固着カスなどはありませんでした。
(というかとてもキレイ)
この時点で結構軸をガタガタさせていたので電源を入れてみましたが、結果は変わらず。推察A⇒×。
つづく推察B(『クドウブコミ』の交換)の工程の為に洗濯槽のボルトも外しましたが、このボルト径は45mmと、家電だとなかなか見ない大きさです。
電車とかも作っている日立の本気を感じます。
外す工具を持っていないので、仕方なく購入します。
(うれしい。)
部品交換が必要な『推察B』はお金がかかるので、お金のかからない『推察C』を先に試してみることにします。
『推察C(ラッチレバーが動かなくなってる)』の場合の解除方法。
以下の方法で、『BW-D11XWV』の前面パネルを外すことが出来ます。
①洗濯機下部の左右側面にある、突起を押す(赤矢印)
②下部の(赤枠)樹脂パーツを取り外す。(ビスなどは無し)
③前面パネルを止めているビス(青矢印)3本を取り外す。
④前面パネル全体を押し下げながら手前に引き出す。
⑤前面パネルを取り外すと、オレンジ色で書いている位置に洗濯槽にぶら下がるかたちでモータと変速機があり、赤色の位置にラッチ機構があります。パネルを外せば、前面から直接目視することができます。
そしてこの状況で異音の発生部位が特定できました。
赤丸部分のキカイ、中には昇降用のモータが入っていてオレンジ色の矢印方向にラッチレバーを上げ下げするものの様です。
そしてこの部分が全く動かせずに電源投入後にギガガガガ鳴っています。
この部分のみ取り外して、電源投入からの普通の動きを見てみました。
(7秒ほどのピンボケ動画)
取り外してこのキカイの動きを見てみると、電源投入(ピピ音)の後に、モータが廻り、ラッチレバーを押さえるレバーが定位置→最下部→最上部→定位置に戻る様子が確認できます。
それが動けなくて、このレバーを動かすモータが発するガガガガ音でした。
どのタイミングで電源をONしても、必ず上記の動作を繰り返すので、電源ON時のルーチンに組み込まれている。
本体からこのキカイへの配線は4線になっているので、多分「一周廻ったか?」のセンサ信号を読んでいる。
(動作し終わると「カチ!」というリレー音がする。)
取り付けている状態だと動けないため、「一周廻ったよセンサ」からの返事がない。なのでその先に進めない。
(何故かエラーコードは吐かないが。)
ということでラッチレバーの固着ですね。
ラッチレバー(というのか?)を直接触れる状態にして、カチャカチャしてみます。
動きません。
洗濯槽を手で回しながら、レバーを指でカチャカチャしてみます。
動きません。
モータ自体を動かしてみることにします。
現在昇降させるキカイは取り外してあるので、「一周廻ったよセンサ」からの回答もあり、洗濯機をダマしたまま②のスタート工程に進めるはずです。
昇降装置の動きを観察すると、「上位置」→「下」→「上位置」で停止するので、スタート時にラッチレバーは上位置にあるはず。
そして今現在レバーは上位置で固着している。
荒療治で変速機構が壊れたら、『クドウブクミ』を買えばよい。
「洗濯スタート」ボタンを押してみました。
ピロピロ音がして、何事もなかったように洗濯槽が回りだします。
モータも故障していないようです。
「洗剤:1杯」表示まできたところで停止させました。
レバー、動かせるようになりました!
(うれしさの為に、またピントがボケている。)
直りました \(^o^)/!
このラッチレバーを上げ下げするキカイ、外すことは前面から出来たのですが、元に戻すのは底面のパネルを外し、底側からでなければ無理でした。
(底面のパネルはビス無しで、前に引き抜くだけですが、底側から見るためには洗濯機本体を倒す必要があります。)
完全動作の動画をご覧ください。
よっこらしょ。と洗濯機を戻し、前面パネルを戻して完成です。
監督にも喜んでいただけました。
ムスメに甘いものを買います!