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M先輩のこと 7

さて、賢明な皆さんは、ここまで読んで、この結果がどうなったのか、もうお分かりでしょう。

友人に託されたM先輩の言葉を受け取ってからも、あのフェイスブックの〝友達申請〟の表示はなくならなかったです。

それどころか、今ではヒステリックに、時を置かずに現れ、相変わらず私を悩ませていました。

もうこうなったら、毎日のルーティンですよね。
私はなるだけ気にしないよう、無視し続けておりました。

なぜ、こんな事が起こるのかと言うと、以前聞いた話では、
霊が生きている我々に知らせるには、〝電波〟が一番操りやすいんですって。

なので、私も母が亡くなってから、母の携帯が、時折鳴るのが日常になっておりました。

それは、私が実家の問題に悩んだ時や判断に迷った時などに、決まって鳴るのです。
その音に、ビックリして、キョトキョト見回すと、母の携帯からなのでした。

そして、「ああ、母が怒っている・・・」とか、
もしくは、「ああ、それでいいんだ」などが分かるのでした。

その〝音〝は、時に、叱咤激励、時に、ゴーサインだったりするのですが、
その時に考えていることに対しての、母の意見が飛んでくるといった感じでした。

その母からの合図も、父が亡くなってからは、一切、無くなってしまいましたが・・・。

母にとって、自分亡きあとの父の行く末だけが、心配だったのだと思います。

さて、そんな経験もあったので、今回のM先輩からのメッセージもすんなり受け入れていた私ですが、あまりにも止まない「友達申請」に少々辟易しておりました。

なので、こうも、終わらないということは、おそらく、先輩にはまだ何か言い足りない事があるのだろうと考えていました。

友達からの言葉にもあったように、もうすでに先輩は〝光の中〟へ還っており、苦しみなどはないと思うのですが、それでも、まだ表示が止まらないということは、そういうことなのだろうと感じていました。

でも、それが何なのかは私には分らず、どうしようもありませんでした。

そんなある日、ふと何気なくつけたテレビのニュースで、さる事件のことを取り扱っており、それを見ながら、私は、側にいた元夫に、

「ああ、これって、幼い頃の虐待が原因なんだよね」と話し掛けておりました。

「これは、M先輩もそうなんだよね」と。

私は、現在離婚した元夫と同居しており、元夫も同じく専門学校の同級生だったので、M先輩のこともよく知っていたのです。

「え?そうなの」と元夫は驚いたように言いました。
「うん、そうなんだよ。M先輩があのキャラになったのは、親からの虐待が原因だと思うよ」と答えました。

その時、〝これだ!〟と私の中で何かが閃きました。

先輩は、この事を、自分のことを、私に書いて欲しくて、これまでずーっと、私にメッセージを送り続けてきたのだと思いました。

なので、仕方ない、と私は腹を決め、M先輩のことを書くことにしました。

そう決意した途端、実は、このしつこい「友達申請」がパタッと止んだのです。

と言うわけで、今、こうして、M先輩のことを書いている、という訳なのです。


つづく

☆それでは今日もよい一日を。