見出し画像

変化に強いチームの作り方

こんにちは。
Management 3.0 Facilitatorの中原です。

Management 3.0 Advent Calendar 2020   19日目になります。


今年はコロナで色んな事が変化がありましたね。

僕は会社に行くことが無くなり、人と会うことが少なくなり、
オンラインの会議が主体になり、家族との時間が増えました。

(そういえば先週、ひげをそりました。コロナ関係ないけど)


僕は社内のアジャイル推進や組織への定着、コーチング、要求開発の展開なんかをやっています。


社内のアジャイルコーチをやっていると、産業ドメインにも言語にもフレームワークにも精通した、凄腕の人ばっかりが集まるチームなんてのにはまぁ遭遇することはありません。

新人さんがいたり、メカ屋さんからソフト屋さんに転向した方がいたり。

特に新規事業や新しいサービスだと、対象ドメインを勉強するところから始まったりします。

もちろんアジャイルの経験者もいない事がほとんどです。

さてさて、事業会社としてはそんな中でもビジネスや開発は推進していかないといけない訳です。
そのために、チームとして価値をデリバーしていかないといけない訳です。

けどメンバーのスキルや経験が足りない、つまりコンピテンシーが足らない訳で、なかなか進捗しなかったりするわけです。

そんな時、チームが達成すべき目的に対してどんなコンピテンシーが必要で、どんな事が足りていないのかを明らかにするのって結構大事だったりするなぁと感じています。

そして、足りないコンピテンシーを全員が習熟する必要は必ずしもなくて、ものによっては一定のメンバーや数名が習熟すればよいってのもわかってくるわけです。

いきなりですが、こんな感じ。

画像1


これはManagement 3.0のプラクティスの1つ「コンピテンシーマトリクス」ってやつを応用しています。

↑の例について、コンピテンシーマトリクスはチームが目的を達成するために必要なコンピテンシー(スキル+行動)を書き出し、どんなレベルの人が何人いるか、メンバーの現状はどうなのか?ってのを可視化します。
↑の例の通り、もちろん定期的(週毎とか)に見直し、現状の把握と計画の更新をします。

画像2

出展:https://management30.com/practice/competency-matrix/

↑の例だと、表の上に何のチームなのか(e.g. チーム名)を記載し、
一番左の列にコンピテンシーが書かれています。
その右隣の列にに、どんなレベルの人が何人ぐらいいるかを書きだします。

そして、その右側にメンバーの名前と現在の状態を表します。

↑の例だと、赤丸がBeginner、黄色が一人前、緑が熟練を表します。

例えばCocktailsというコンピテンシーでは、熟練が1人、1人前が1人必要となっていて、現状はEmmaが熟練、Lizが1人前なので、チームが目標を達成するのに必要なコンピテンシーは満たされていると言えます。

一方、Book-keepingは熟練が足りていない事がわかります。

このマトリクスから、誰にどんなコンピテンシーを身に着けてもらえばよいのか、育成やハイアリングの計画を立てることができます。


さらに、例えばCoocktailは現在はコンピテンシーが満たされていますが、EmmaとLiz以外は初心者という事がわかります。

つまり、EmmaとLizがハネムーンに行っちゃうと回らなくなっちゃいますね。


スキルマップと何が違うのってよく言われますが、1つはスキルではなくコンピテンシーとい点です。

もう1つは、メンバーが持っているスキルを明らかにするのではなく、チームが目標を達成するために必要なコンピテンシーを明らかにするという点です。

例えばJohnがアイフォンのアプリを提供できるとしても、このチームには今のところ関係ないのでコンピテンシーとしてあがってこないですね。


さてさて、もう1つ僕が使っている例を示しますね。


冒頭にお話しした通り、僕は社内のアジャイルコーチなんかをやっています。
これまでほぼ1人でやってきましたが、もちろん一人では賄えないので社内の有識者や経験者を集めて、コーチのチームを作りました。

しかし、みんな知識や経験のレベルも得意分野も違います。
コーチングやティーチングの得意、不得意もあります。

そこで、コーチチームが提供する事をもとにコンピテンシーを洗い出し、コンピテンシーマトリクスを作りました。


画像4


↑のコンピテンシーマトリクは、僕が作ったのではなくチームのみんなが作ったものです。(前の例もそうですが)

そして、自己評価・自己申告で現在のコンピテンシーレベルを書き込んでもらいました。

ちなみに先の事例でもこの事例でもスキルレベルを3段階(Beginner、一人前、熟練)ではなく、5段階にしています。
最初は3段階にしていたのですが、段階が上がっていくのがわかった方がモチベーションが上がりますよね!
なので5段階にしました。チーム自身でね。

これと平行して、レベルをアップさせるためにはどんなことをやれば良いのか(スキルの習得方法)、どんな事ができればよいのか(行動/タスク)を書きだしました。

こんな事をやった結果、チームが自律的に育成計画を立て、メンバーが自発的にスキル習得や経験を積む場を望むようになりました。

これってすごい事だと思うのです。

一般的な企業では、上司とキャリアパスについて話し合ったり、会社できめられた研修を受けたり、なかなか”チーム”で育成計画を決めて遂行するってやらないんじゃないかなと思うんです。

もちろん、有償の研修やカンファレンスに行くとかってなると、チームに予算執行の権限などが無い場合はマネージャーにお伺いをたてたりします。

しかし、チームのために自分のスキルをアップさせ、チームのために行動するって、素敵じゃないっすか?


勿論、ビジネスが進行すれば必要なコンピテンシーも変わってきます。

そんな変化にも適応することができる、強いチームになると思います。


今回は強いチームを作るために「コンピテンシーマトリクス」の活用方法をご紹介しました。


コロナで大変な状況が続いていますが、感染に気を付けつつ、変化に適応できる強いチームを育んでください。

この記事が少しでもそのお役に立てれば幸いです。



ちなみに、僕は現在の会社の仕事以外に副業として自分の会社を運営しています。

Management 3.0のワークショップやコンサル、コーチング、アジャイルのコーチ、講演やインタビューなどなど、何でも、何かあればご遠慮なくご連絡ください。
ホームページは作っていないので、FacebookでもTwitterでも!

https://www.facebook.com/kei.nakahara3


ではみなさん!

Merry Christmas !!
良いお年を!!


中原 慶

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?