大学入試制度の改革と未来予想図
今度の新高1生から、センター試験が「大学入学共通テスト」に代わります。先日、文部科学省の専門官が高校の先生向けに入試制度改革について説明されるというので聞いて来ました。
(まだ流動的なところはたくさんあるのですが)現在決まっている大きな変化は、国語と数学に記述問題が一部加わることです。
センター型がまるまる変わるようなことはなさそうです。
・マーク型中心(中身の問いかたは変わる)
・国語の記述はおそらく3問程度?
・一発試験制度はそのまま
今回の教育改革のベースになっている2つの考え
「2011年度にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学 卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」
(キャシー・デビッドソン氏(ニューヨーク市立大学教授)の予測)
「今後10~20年程度で、アメリカの総雇用者の約47%の仕事が自動化 されるリスクが高い」
(マイケル・A・オズボーン氏(オックスフォード大学准教授))
これからの社会はAIが仕事のライバルになる。
AIではできない分野や能力を伸ばしていく必要がある。思考力や、判断力、より人間らしい心を育てることがより求められる。
時代の変化に対応できる子供を育てるために
(小学校・中学校)
⇒ 教育改革を行いやすい(アクティブ・ラーニングなど)
(高等教育・大学教育)
⇒ 教育改革が難しい ⇒(手段として)入試制度を変える。
現在の受験中心の高校教育では限界が見えていることが伝わってきました。今後、高校でインターンシップの導入など、キャリア教育も重視されてきます。高校での日ごろの授業の在り方を変えていくために、試験問題の中での問い方(考えさせたいこと)が変わります。
また、これからの社会、国際世界でどのような人材が求められているか、格差をいかになくしていくか。文部科学省の事務官の方からは、相当真剣に考えていることが伝わってきました。入試問題にも教育メッセージが込められていることを知りました。しかも公正・公平な評価をするために努力されています。
教師の経験則が役に立たない時代
これからの子供たちは教師や大人が経験していない未来へ突入していきます。大人や先生たちの経験則だけのアドバイスは、これからの未来ではあまり役立ちません。
子供たちを不安なく歩ませるには、教師や大人こそ未来に余計な不安に煽られず勇気を持って生きていく必要があります。変化に対応できる生徒を育てるために、まずは先生たちが変化への対応を迫られていくのが、今回の入試制度改革とも言えます。
【参考資料】
平成27年2月17日 産業競争力会議(文部科学省提出資料PDF)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/wg/koyou/dai4/siryou2.pdf#search=%27%E5%AD%90%E4%BE%9B%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AE%EF%BC%96%EF%BC%95%27
リンク:文部科学省
高大接続改革の実施方針等の策定について(平成29年7月13日)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/29/07/1388131.htm
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