世界のホルモン「バラエティ・ミート」
なじみの商店街の精肉店に、年季の入ったポスターが貼ってある。
『VARIETY MEATS(バラエティ・ミート)』
これは、ホルモンのことだ。
内臓肉・ホルモンは、英語で「バラエティ・ミート」と呼ばれる。
アメリカや、オーストラリアなどでは、「バラエティーミート」や「ファンシィーミート」とも呼ばれている。
内臓肉は、ビタミン、ミネラル、タウリンなど栄養成分が豊富。しかも、安くて、経済的で、おいしい。世界でも人気の食材だ。国によっては、赤身肉よりも貴重なものとされ、価格も高い部位もあるそうだ。
世界のホルモン料理では、よく「ハチノス(第二胃)」を見かける。
中華料理には、「ハチノス炒め」や「ハチノス煮込み」がある。
私も作った「トリッパのトマト煮」は、イタリア版「ハチノス煮込み」だ。「トリッパ」とは、イタリア語で「ハチノス」のことだ。
スコットランドの伝統料理には「ハギス」という料理がある。これは、羊の肝臓、心臓、腎臓などを挽き肉にして、袋状のままの羊の胃袋に詰め込んで、しっかり口を縫ってから、蒸したり茹でたりするものだ。内臓を内臓に詰める。なんだか、すごい料理だけど、スコッチウイスキーに合うことから、日本では、英国風パブで食べることができる。
ヨーロッパには、豚の血入りスープや、ブラッドソーセージ(豚の血の腸詰め)などもある。これも、おぞましく聞こえるが、鉄分がたっぷり摂れて、健康的な食べ物だ。
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内臓肉・ホルモンは、ビタミン、ミネラルたっぷりで、栄養の宝庫。
焼肉、もつ焼き、もつ煮込み。酒場のつまみから、各国料理、お洒落なパブからレストランまで。気がつけば、そこに、ホルモンがあるのだ。
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