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vol.3 映画、好きですか…?

高校生の頃から映画がとても好きで、邦画、洋画
問わず、大学生になるまで約500本もの映画を観まくっていた。
大学時代は全て映画に費やしたと言っていいほど、自分は"映画好き"だと胸を張って言える。

ただ困るのが、「自分は映画が好きです」と自己紹介したあと、食い気味に「じゃMARVELの作品観てる?!」と言われる瞬間はとても気まずい。
映画鑑賞は趣味の一つなのは間違いないのだが、
アベンジャーズ等のヒーローものは格段に疎い。
そういうド派手なアクションと比べると少し地味な、ドンチャンしすぎてないヒューマンドラマの方が自分の性に合っている。

私はハッピーエンドの映画がピンとこない。
そりゃ正義と悪の対立構造なんだから正義が勝つに決まってんだろ?とか思っちゃって集中できないのである。(そんなこと言ったら怒られるかもしれないが)

そりゃバイキンマンは悪いやつだ。
でもバイキンマン側は自分が悪だと思ってアンパンマンに挑んでいるわけじゃないと思う。
バイキンマンだって自分なりの正義があって行動を起こしたんじゃないのか?それを頑なにアンパンマン側の
一方的な正義の論理でバイバイキンさせていいのか?
(我ながら変な文法です…(笑))

彼は、そのような扱いを毎週受けてて、腹わたが煮え切らない訳がないだろう。
そこにあらゆる葛藤とか苦悩とか反骨精神とかあるはずだ!
それを描かずしてどうしてアンパンマンたちの悠々とした平和な日常を観なければいけないんだ?
どうしてバイキンマンは"悪者"側に徹しないといけなくなったのか、そこから生まれる悪側の主張を描かないなんてナンセンスだと思う。

私はそういう偏屈な視点で正義と悪の対立構造の作品を一歩引いた視点で見てしまう。
(アンパンマンはこども向けの作品であって、何も悪くないです。もちろん冗談です。)

正義が悪を罰して、今まで被害を受けていた登場人物は皆ハッピーになるのは、そんなん普通じゃんとか思う。
どうせなら悪者側の敗者コメントも聞いてみたいと思う。


一方、バッドエンドの映画というのも勿論出会うことがある。胸を張って"好き"とは言えないが、でも嫌いじゃない。

「セブン」という映画がある。

今まで見た映画の中でも5本の指に入るくらい好きな作品で、何度も観ている作品だ。
(ここからはネタバレになります。すみません。
これから映画を観るという方は下の段の「今度、」から始まる文章まで飛ばして頂けると幸いです。)

映画は、"2人の刑事vs得体の知れぬ凶悪犯"という
対立構造で構成されている。
だが最後に凶悪犯は自らの命を投げ打って
ブラッドピッド演じる刑事に社会的な死を与え、
"七つの大罪"を完成させてしまうのだ。
凶悪犯は結果的に6人の人間を猟奇的に殺してるわけだが
こいつ自身はそれを悪だなんてこれっぽっちも思ってない。
凶悪犯は自らの正義を持って6人の男女に罰を与えた。という
そういう認識なのだ。
こういうやつの思想はかなり破綻していて、殺された側の人たちにとってはたまったもんじゃない。

この作中では、当時のアメリカの鬱屈とした街並みをあえて暗い画面で、退廃的に、(ずっと土砂降りの雨が降っていたり、背景で若者がひたすら喧嘩していたり。)
描いていて、妙な説得力と、そこに得体の知れぬ魅力を感じてしまいます。
「セブン」は結果、胸糞バッドエンド系列の類いに当てられがちだが、その枠に嵌めるには勿体ないぐらいの魅力と迫力に溢れている。
こういう結末が吹っ切れまくってる映画は本当に不思議な魅力に溢れていて、本当に面白い。
なんなら結末がハッキリしていない映画の方が考える余地もあって、頭にずっと残っているものだ。


今度、「MARVEL作品観てる?」と言われようものなら、これぐらいの論を相手にぶつけてみよう。
その瞬間、映画好き同士の引くには引けない
正義と悪の対立構造が出来上がってしまうだろう。

もちろん、例外はたくさんあるよ……  「バックトゥザフューチャー」とか。「フォレストガンプ」とか。

でも結局「JOKER」の方が好きかも。
どちらも面白いよね。(笑)

(2020年4月13日に書いた日記を再編集しています。
拙い文章お許しください🙇‍♂️)

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