女性職場で働くこと②
さっそく、翌日から自分なりに本を読んで解釈した事を、実践してみることにした。
もちろん、まだまだ知識も経験も自信もないので、ハードカバーを付けたその愛読書をお守りとして、手荷物に忍ばせながら…。
そんな私がおどおどしながら、まずやってみた事は、“女性”を理解するということ。
女性ならではの思考(陥りやすい原因やこれまでの女性の生活に対する歴史的背景)をインプットして、良い意味でのフィルターを相手にかけることで、その人に対する見方がぐっと変わる。
これをするだけでも心がうんと楽になり、今まで自分に向けられていると思っていた言葉や表情も、相手側に理由が存在するかも、と考えるようになっていった。
そうすると、傷つくな…と感じていた相手のアウトプットも、自分にとっては“大切な情報(相手を知るための材料)”になることを実感した。
そうなってくると、今度はおのずと私の起こすアクションも変わってくる。
相手に対して興味を持ち、うっすらと心配するような、愛着を持つような気持ちさえ、浮かんでくるのだ。
声のトーンや表情、言葉選びや間の取り方も全て変わっていった。
挨拶はもちろん、こちらから声をかけることが増えるだけでなく、
“○○さん、大丈夫ですか?最近、お疲れのようなので、心配していました。私では力になれない所か、まだ来て間もない状況で手を煩わせてすいません。”
などど、自然に口にするようになっていたのだ。
すると、思わぬことが起きた。
いつもどこか不機嫌そうな先輩が、
“違うの、ごめんね。ちょっとだけ聞いてくれる?”
と、これまで抱えていた先輩の立場ならではの悩みを口にしてくれたのだ。
“いつもあなたには八つ当たりのような態度を取っていたよね。本当に、ごめんなさい。気持ちの行き場がなくて、分かってはいるのに後輩にぶつけていたんだと思う。”
とも。
もちろん、それは良いか悪いかで言えば難しい所だが、私は先輩の気持ちにぐっと近づけたことが、少しだけ嬉しかった。
それだけではない。
私の雰囲気も変わったことが良い連鎖を生んだとするならば、やはり私自身にも、周りをそうさせてしまう何かが存在していたのであろう。
そのことを知る、良いきっかけになった。
女性職場で、あるいは人間関係で悩む全ての人に、ここで伝えたい事は、
相手からのアウトプットは、必ずしもあなた自身が原因とは限らない、ということ。
だからこそ、相手からの言葉や表情を、深追いして自ら傷つく必要性はないと思う。
そして、何か上手くいかないな…と感じたら、相手に変化を求めるよりも、自分に出来る事をまずしてみた方が、思わぬ未来が待っているかもしれない、ということ。
これらは一見してただの綺麗事だが、この綺麗事をコツコツ積み重ねていくと、そこに辿り着ける者しか見れない景色に、出会えるのかもしれない。
それについては、また別の機会に話すとしよう。
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