我が子に「産んでくれてありがとう」って言われた話
私は現在小学4年生の娘と暮らしいます。
「毎日がすごく楽しい!ママ、産んでくれてありがとう!」
数年前、学校から帰ってくるなり彼女がこんな事を言いました。
私はそのセリフを聞いて「あ、もうこれ子育てやり遂げたな」ふっとそんな気持ちになったのです。
もちろん子育ての先輩方から「思春期の女子はものすごいよ」と助言はたんまり聞いておりますので(震え)
それはそれは戦々恐々とその日が来るのを待ち構えているのには変わりないのですが。
娘は産まれてすぐ先天性の病気が見つかったり、離乳食は一口も食べない、一歳過ぎても歩かない、体は小さいくせに意志の主張はだいぶ強めなとてもマイペースな赤ちゃんでした。
(育児が大変すぎてこの辺りの記憶がほぼない…)
そして、時は流れ私はシングルマザーになりました。
これから自分一人で子供を育てていくにあたり、とにかく娘には居場所をたくさん作ることが必要だと思ったんです。
いつも2人きりだとどうしても視野が狭くなってしまうし、親以外の安心できる場所を見つけて欲しい。あなたを見ていてくれる人は世界にたくさんいるんだよ、という事を知っていて欲しい。
そのために放課後は学童に通ったり、習い事をしたり、長期のサマーキャンプに参加したり、家以外で過ごす時間を多く作るようにしました。
人見知りを全くしない子なので、どこに行っても誰といても初日から全力エンジョイして帰ってきます。(コミュ力モンスター)
そんな中で、とある習い事先の先生に言われた言葉がずっと胸に残っています。
「娘さんはインフルエンサーですね、みんなを巻き込んで何かを成し遂げる力がすごいです」
私には皆無な能力なのでひっくり返りそうになりました。
「この遊びしようよ!」「ここをこうしてみようよ!」などの提案にお友達が巻き込まれてくれている様子。
それは全て優しいお友達たちのおかげなのでは?と先生に返したところ
「優しいお友達を作れるのは娘さんが優しい証拠だし、なかなか大人の言うことを聞かない子もなぜか娘さんの言うことには耳を貸すんですよね」とのこと。
私、この能力って生きていく上ですごく大切なものだと思っていて。
当時の幼い彼女の中にはなんの計算もないんですよね。脳内に「どうしたら楽しくなれるか」しか持ち合わせていない。
自分が楽しい事をしていたらみんなが乗っかってくれて、1人より2人、2人より3人で遊んだ方が楽しいよねー!というだけのこと。
なんて素敵な力なんだろうと感心しました。
子供の時に自由に遊び回ってこの力を思いっきり伸ばしてほしいと思い、基本的に子供の行動に手も口も出さないように心がけました。
(もちろん人様にご迷惑をおかけした時は別です)
娘は隙があればどこかに遊びに行って、学校にも、習い事にも、ご近所にもたくさんの仲間がいて、楽しさを共有している。
そりゃあ、毎日キラキラ輝いて、生きているとことが楽しくて仕方がないのだろうと思います。
この先反抗期がきて母親に「クソババァ」って言ってみたり、お友達とうまくいかない事が出てきたり、苦しくて悲しい恋愛をすることがあるかもしれない。
生きてることを辛いなって思う瞬間もあるかもしれない。
そんな時に少しだけでもいいから
生きているだけで楽しくて、親に感謝しちゃうくらい輝いていた日々があったということ。
それを思い出すことができたなら、きっと彼女の芯になるじゃないかと思います。
子供が親の手が届かないところへいってしまったとしても、芯さえあればなかなか折れることはない。
だからうちの子はきっと大丈夫。
そんなこんなで私は、冒頭でお話した子育てセミリタイアモードに突入してしまいました。
(もうそう思い込まないとやってられんのです、子育てって修行!!笑)
正解も不正解もないこの世界で、親である私だけが我が子に一生花丸をあげ続けていたらきっとそれが正しい。
そしていつの日か、私以上の愛で彼女を包み込んでくれる人がきっと現れる。
その時がきたら本当の本当に子育てをリタイアして、思いっきり余生を自分のためだけに楽しんでやろうと目論んでいます。
「ママも生きるのが楽しくてしょうがないよ」って我が子に胸を張って言えるように。
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