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部長と課長の間にあるものは・・・

私の世代はもうシニアと呼ばれる世代で、○○部長とついている人も役職定年なんて言葉のとおり、そろそろ一線を退くころです。この世代の管理職は個人の能力で目立ってその中から生き残ってきた人たちです。だから正しいのは自分なんですが、最近はどうも世の中が変わってきてそれだけでは管理職は務まらないようです。

それでも次の世代へ管理職を引き継いでいかないといけないわけで、そんな時こんな記事を読みました。

最近、部長と課長の決定的な「差」を考えることがあったので興味深い記事でした。

決定的な「差」

ということで「差」なんですが、これは部長職は会社の中で小さくとも一つの塊の経営者であることです。経営者の視点を持つということなんですが、もっと違う言い方をすると、部長自身がいくら成果をあげてもそれでは会社の成果につながらないということです。部長一人が成果を全部上げられるなら、部下である社員は必要ないわけです。極端に言えば「部長、一人でやってください」ということになります。

部長の仕事は
「部下にいかに成果を上げさせるか」
これにつきます。
部下をどれだけ成長させてチームとして結果を残せるかです。

部下は部長のために存在するわけではないということは忘れてはいけないことです。

これまでのパターンでは・・・

これまでの常識では、自分の能力で成果を上げた人が評価されて管理職になるという王道のパターンがあったかと思います。それはそれで構わないのですが、それだけでは通用しないということです。

部長はその部門の経営者として、部門の存在意義やビジョン達成のために、自分の周りの部下の強みを理解しなければいけません。
①実行力
②影響力
③人間関係構築力
④戦略的思考力

更に、部下がどのような成長をこれからしていきたいのか?仕事の中で何をなしとげたいのか?いわゆるキャリアビジョンというものを理解しておくことが大事です。

そして個々の強みと希望は、ここの仕事を通じて得られることをきちんとストーリーで語れることが必要です。これらができて、初めて部下は部長の下、強みを発揮して成果を上げることができるのです。

課長までは実務を回すことができればある程度できる仕事です。それはその部門の責任を最終的に持ってくれている部長がいるためです。

実務ができることではない

ここまで書いてきて、あらためて部長と課長の差とは何かと考えた時、仕事の実務能力だけでは務まらないのが部長です。
ありきたりですが、「人間力」が試されているのではないかと思います。
部長が自分のチームメンバー(部下)を使って、自分の力以上の成果を上げることができたとき、初めて部長自身が評価されることになります。

失敗を恐れない

課長までは自分自身に目を向ければ良かったのですが、部長職は一つの組織体のTOPですから目線は周りに向いている必要があります。
また、最高責任者ですからそこで起こったことは最後は部長の責任です。成功だけではなく失敗もあります。しかし、失敗を恐れて先回りしてすべてを決めて(押しつけて)しまったらどうなるでしょうか。

部下は部長から言われたことだけをやるようになります。部下にとってみればこんなに楽なことはありません。これで上手くいかなければすべて部長の責任だからです。言われた通りにやっただけですから。こんなことを続けていたら、その部長の能力以上の成果は永遠に出せないということになります。これからの変化の激しい時代の中では置いていかれるのは誰でもわかることでしょう。

自分の正解を一旦手放す

部長になるには、一旦自分の正解を手放してみて、このチームはどんな成果を上げられるのか?メンバー(部下)を主役にストーリーを描くことが必要ですね。

部長自身に対しては
①信頼
②思いやり
③安定
④希望

この4つが求められているのではないでしょうか。
自分の強みを理解して、この4つを与えてくれる上司ならついていきたいなと思うのは私だけでしょうか。

次の世代の管理職(部長)候補のみなさんは、自分の成功体験は一旦脇に置いて、目線を自分ではなく周りの人たちに向ける訓練をたくさん積んでほしいなと思います。その人なりの素敵な部長像ができることでしょう。

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