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ルワンダ時代のおもてたのと違った隣人の話。

ぼくが思い描いていた隣人と完全に違った。

朝、家を出るとき「行ってらっしゃい」とか、帰ってきたときの「お疲れさま」とか、海外ドラマにあるような煌びやかな生活を想像していたのに。



いまから5年半も前になるが、ぼくは青年海外協力隊という制度で東アフリカのルワンダという国で活動をしていた。

海外旅行はしたことはあるが、アフリカは初めてで、海外に住んだことはなく、なにより一人暮らしすら今回が最初の体験であった。

アフリカで一人暮らしというからには、さぞかしローカルな暮らしだろうと思うかもしれないが、ぼくの任地は首都のキガリで、ここはアフリカの奇跡と言われるほどに急速に発展したエリアだったため、まあまあ良い感じのアパートに済ませてもらえることとなった。

「千の丘の国」という異名もあるので、4階建ての最上階に住んでいたぼくの家のベランダからは、丘の上に立つ赤やオレンジ色の屋根が並ぶ家々を眺めることができた。朝、寝起きでコーヒーを飲みながらこの絶景をみると「よし、今日もがんばろう」と一気にスイッチが入ったものだ。


さて。最初の一人暮らしでしかも初海外ということで、ぼくは「ご近所づきあい」なるものを楽しみにしていた。聞くところによると、ここのアパートは外国人が多いそうだ。グローバルな隣人に囲まれて過ごすなんて、想像しただけでニヤニヤしちゃう。

と思ったら、最初の1ヶ月、ぼくの隣は空き部屋となっていた。

ちょっとガッカリして、なんだか寂しくて、この間に友達のところで生まれた子猫なんか飼っちゃったりして、隣人はいなかったけど、毎日大好きな猫といられるのは、これはこれで幸せなことだった。



ある日突然、隣人はやってきた


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