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【読書録】「ビブリア古書堂の事件手帖III 扉子と虚ろな夢」 三上延

はじめに

 ビブリア古書堂の事件手帖シリーズはドラマ化もされているので、ご存じの方も多いかと思います。いきなり最新刊を紹介するので、簡単に本シリーズに説明します。

 鎌倉にある古書店「ビブリア古書堂」の店主篠川栞子に、度々本にまつわる相談事が持ち込まれます。栞子は普段はおとなしく、人見知りな性格ですが、本が関係すると途端に鋭い洞察力を発揮します。

 基本的には日常の謎よりのミステリですか、たまに刑事事件が起きたりもします。(殺人事件は起きません)

 各事件ごとに中心となる古書があり、その本の内容がカギとなることはもちろん、逸話や古書としての価値の解説が見どころです。

扉子がもう高校生!!

 今回紹介する最新刊である本作は、栞子さんから娘の扉子に主人公が移ってからの3作目となります。

 前作では小学生くらいだった扉子がもう高校生になっていました!結構大胆に時間が経っていたのでびっくりしました。

 そして高校生になった扉子も母と同様に本のことになると饒舌になります。ただ栞子ほどの鋭い洞察力はまだないようです。推理のシーンでの二人の対比は見ていてどこか微笑ましく思えました。

シリーズに青春要素が加わった

 栞子が主人公の第1シーズンは、大学生の年代からのスタートでした。後の夫(扉子の父)となる五浦大輔との甘酸っぱいやり取りがありました。二人とも初心な設定ではありましたが、高校生同士の恋愛に比べて青春という感じはありませんでした。

 一方本作では、扉子と同じ高校に通う樋口恭一郎という男の子が出てきて、結構甘酸っぱい心理描写があったなと感じました。ここにきて本シリーズに青春要素が加わった気がします。このあとも恭一郎が物語に絡んでくるのか?それとも本作のみなのか?続刊を待ちたいと思います。

おわりに

 本シリーズを読むたびに著者の古書にまつわる知識量に圧倒されます。毎回1っ冊書くのにどれだけの文献を読んでいるのか・・・・。想像しただけで少し寒気すら感じます。
 作中に出てきた古書も読んでみたいとは思うのですが、ただでさえ積み本がたまっているので、中々手を出すことができません。。。

それでは今回はこの辺で終わろうと思います。
最後までお読みくださりありがとうございました。


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