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22万円も無自覚に損をしてしまう習慣

結論から言うと「睡眠不足の人は毎年22万円も損をしている」です。

さらに企業は、従業員の睡眠不足によって60億円、国は44兆円も損をしています。


ところで、下の数字はなんの数字だと思いますか?

イギリスは39%。日本は66%

この数字は、睡眠時間が7時間以下の人口の割合です。つまりイギリスは人口の4割が、日本は人口の6~7割が7時間以下しか眠っていないということです。

問題なのは、大半の人がしかたなく睡眠時間を削っているということ。皆、忙しくて眠っているヒマがありません。

多くの人は平日の睡眠不足を解消しようと、土日にまとめて眠ろうとしています。実際、平日に8時間以上眠っている人は3割なのに対して、休日に8時間以上眠っている人は6割にもなるのです。

しかし、残念ながら睡眠は借金とはちがいます。たまった睡眠不足をまとめて返すことはできません。失われた睡眠はとりもどすことはできないのです。

22万円も損をする睡眠不足の人

日本は睡眠不足大国です。そして同時に、生産性が低い国としても有名です。

これはどちらも関係があるのかもしれません。なぜなら睡眠不足はほぼすべての仕事で必要な能力が、著しく失われるからです。

しかし一昔前、もしかするといまでも、「仕事時間が長いほど生産性があがる」「仕事時間が長いほどえらい」という風潮があるため、いまでも睡眠時間を削って働こうとする人がいます。

残念ながらこれはまったくのデタラメどころか、真逆です。睡眠不足なほど生産性が下がります。

このことを証明した研究を紹介します。

アメリカの4つの大企業を分析してみると、睡眠不足によって生産性がさがった結果、従業員1人あたり年間で2,000ドルの損失につながっていることがわかりました。現在のレートで換算すると約22万円にもなります。

60億円も損をしている企業

さらに、さらに睡眠時間が削られると損失額が3500ドル(約40万円)になるのです。

企業全体で計算すると失われる額は5,400万ドル。日本円にして約60億円。

社員を激務に追いこんで睡眠時間を奪っている会社は、60億円も毎年捨て続けているということになります。

もし、別の理由で毎年60億円もムダにしているとバレたら、株価は大暴落になるでしょう。

44兆円も損をしている国家

さらに深刻なのは国です。

独立系の研究機関であるランド研究所が、睡眠不足によってどれだけ経済的な損失がでるのかを調べています。

その結果、平均して7時間以下しか眠らない人は、8時間以上眠る人に比べて、国に強烈な経済的ダメージを与えることがわかりました。

その額は、アメリカで4110億ドル(約44兆円)、日本で1380億ドル(約15兆円)もの損失にもなります。

あらゆるパフォーマンスが強烈に悪くなる睡眠不足

なぜ、睡眠不足によってここまで甚大な損失がでるのでしょうか?

全米上位500社が収入をもとにランキングされる「フォーチュン500」の企業は、「KPIs」という指標をつかっています。これは「Key Performance Indicators」の略で、純収益、目標を達成する速さなどの項目でパフォーマンスを測定するものです。

特に重視されるのは、以下の項目になります。

・知性
・努力
・効率性
・創造性
・社交性
・誠実さ
・心の安定
・モチベーション
・グループで働くときの有効性

どれも仕事や生産性においては非常に重要な要素ですよね。

しかし、これらのすべての能力が、睡眠不足によって激烈に失われるということがわかっています。

事実:睡眠不足は作業スピードと作業効率を悪くする

実際に、実験でも作業効率や作業スピードを悪くすることがわかっています。睡眠不足の従業員は生産性が低く、給料以上の働きができなくなっているかもしれません。

つまり、睡眠不足の従業員は問題解決能力が低く、解決策も思いつかず、解決策を思いついたとしても間違ってしまうのです。

これを証明した実験では、睡眠不足の人と、しっかり眠っている人に協力してもらってとあるタスクを選ばせました。タスクは以下の2つがありました。

タスク① 簡単な作業(留守番電話を聞く)
タスク② 考える必要のある仕事(問題解決力や創造力を発揮する難しいプロジェクト)

その結果、もっとも簡単なタスクをするのは、必ず睡眠不足の人でした。

睡眠不足の人はあらゆる能力が下がっているため、難しいタスクを避けて常に1番簡単なタスクを選び、創造的な仕事をしたがらなかったのです。

「でも、睡眠を軽視する人は、もともとめんどうなことを避ける性格なんじゃない?」

と思うかもしれません。確かにこれだけでは「睡眠不足によって楽な道を選ぶようになった」とは言い切れませんね。

しかし、今度は睡眠不足の同じ人にしっかり眠ってもらったうえで仕事を選んでもらうと、創造力が必要な難しい仕事も選ぶようになったのです。

寝不足の人はパフォーマンスの低下に気づかない

さらに問題なのは、睡眠不足の人は自分のパフォーマンスの低下に気づけないということ。つまり、睡眠不足だと無自覚に生産性が下がっていってしまうのです。

先ほどの実験の参加者も、寝不足のときに簡単な仕事を選んでいても、それが自分のパフォーマンスが下がっているからだとは気づいていませんでいた。

これは「ダニングクルーガー効果」に似ています。ダニングクルーガー効果とは、能力が低い人ほど自分の能力を高く評価してしまう認知バイアスのことです。

人が寝不足になると、生産性、モチベーション、創造性、幸福度、倫理観のすべてがだだ下がりになり、その結果、怠惰になってしまいます。

脳をスキャンした実験では、睡眠不足の人の脳は、理性や感情をコントロールする前頭葉の働きが損なわれると証明されています。前頭葉の働きが弱いと感情をコントロールできなくなるため、判断を誤りやすいのです。


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