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書籍【ブッダという男】の感想。高評価はできない。

著者の清水さんは、ボクなどでは足元に及ばない大変な碩学博識です。
それはこの書籍を読むとわかる。
そして、もうひとつわかるのは、彼は仏教者ではなく、ブッダの思想など全く信じていないという感情を文章から強く感じます。
色々なことを、すげーたくさん知ってるだけです。

知っているだけなので、実践によって身につく大事なことが身についておらず、であるがゆえに大事なところが見えてなくて致命的な認識誤りをしている部分もあります。

とはいえ、碩学博識な学者だからこそ言える素晴らしい主張もあります。
このnoteでは、その素晴らしい部分を取り上げます。
それは64ページから始まる「第4章 ブッダは業と輪廻を否定したのか」の部分です。著者の清水さんの結論は「ブッダは輪廻を否定していない」です。
ただし文章全体からは「俺は輪廻転生なんて全く信じてないけどな!」という著者の清水さんの感情が伝わってくる文章の書き方です。

この部分に興味がある人は、実際の書籍を手にとって確かめてください。
特に南伝テーラーワーダ仏教にハマっている人は心して読んでもらいたい。東南アジアから来たテーラーワーダ仏教の僧侶たちの中には、当たり前のように「輪廻転生は【お話】であって実際には存在せず、輪廻とは生きているうちの心のありようが次々と変わっていく様子のことである」と自信満々に述べている人がいて、それを信じている人もいますよね?
それ、完全に誤りですから。そんなの仏教ではないです。
それがわかる文章になっていますから、この第4章は読むと良いでしょう。

ちなみに阿含宗会員信徒からすると、この程度の内容は軽く見積もって40年前には阿含宗開祖が漢訳の阿含経から見出して、ずっと主張している内容ですし、阿含宗開祖の主張の範囲内以下のことしか述べていないので、阿含宗会員信徒にとっては新鮮味は皆無です。
そうは言っても阿含宗会員信徒以外の人々にとっては初めて知る内容が多いと思いますから、ここまで堂々と書いてくれたことにはありがたいと思いますし、やっと時代が追いついてきてくれたのかな?とも思います。

この4章については、阿含宗会員信徒の視点による追加の解説をしたいなぁと思っています。著者の清水さんが輪廻転生についての認識に誤っている部分があって、その結果、第6章で致命的な認識誤りを披露しているので、そこは主張したいです。
まあ、その内容は、ボクが他のnoteでずっと書いていることなのですけれども。


仏教の四苦八苦という人生の苦しみの定義があるのですが、その中に怨憎会苦おんぞうえくというものがあります。
怨憎会苦おんぞうえくというのは、憎い相手と会いたくないのに会わなければいけない苦しみのことを言います。
・パワハラ上司のいる会社に出勤したくないけど出勤しなければいけない
・夫が離婚も別居も同意してくれないので一緒に住み続けなければいけない。今日にでも夫が死ねばいいのに
という苦しみです。

この書籍の著者の清水さん、仏教なんて信じてないし信じるつもりもないのに、すげー頑張って仏教、しかもアビダルマのような屁理屈哲学までしっかりと学んで、その上、周辺の仏教学者とは学会等で顔を合わせる必要があって、そして憎しみあって、罵りあっています。
これ、まさに怨憎会苦おんぞうえくを体現してますよね。
そう思いませんか?
こういうのは第三者から見るとよくわかるのですが、本人たちはわからないんですよね。

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