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「とりあえず完成させろ」が闇の作家を生む

「とりあえず完成させろ」とは、最後まで走りきれない作家に向けて叫ばれるセリフとして最も有名です。
実際、完成させることによって得られる恩恵は数多くあります。

では、「完成を目指さない」事によって得る恩恵は存在するのでしょうか?
完成を目指さないメリットは存在します。

なお、ここでの「完成」は「作品を終了させる」ことであり、妥協を含むものであります。

1.完成を目指すのメリット

A. 完成によって区切りをつけることができる

B. 発表の場を設けることができる

C. Bに伴いフィードバックや視聴回数など、
モチベーション向上のためのパーツを得ることができる

D. 完成させるための技術力が向上するので完成までのスピードが早くなる

わぉ!完成最高!良いこと尽くめじゃん!
そう、完成は良いことなのです。
しかしながら、見落としがちなポイントがあります。

完成までが遠すぎる

そう。誰も彼もが完成まで漕ぎ着けないのです。
ある者は疲弊し、ある者は路頭に迷う。
完成できるのはいつだって一握りの人間、時代の寵児......

当然ですが、完成までにあらゆる作業が存在するからです。
それらを無視して完成という甘い蜜を啜るべく奔走するのは愚の骨頂。
耐えて苦しんだ先に道があるというのが世の常らしいです。

でもそれって果てしなくつまらない、そう思いませんか?
私としては、受験勉強に似ているもんだなぁと感心するほどです。
合格のための勉強というものは、一度達成してしまえば頭から自然と離れていくものです。
また、「完成のための作品作り」になってしまえば作品としての価値を大いに落としていくこととなるでしょう。

なので私は完成を目指さないメリット/デメリットを論じようと思います・

2.完成を目指さないメリット

A.好きなことだけできるので、個人の特性を強めることができる

B.面倒な作業がないので基本的に楽しむことができる

C.作品作りに消費する体力が減り、気軽にできるようになる

D.モチベーションが常に自分自身にある(内発的モチベーション)

一番のメリットは楽しいということです。
したい時に好きなことをする。なんて贅沢なことでしょう。

そして「作品作りは楽しい!」ということを体験することで、
作品作りに掛かる体力消費を減らし、気軽にできるようになります。

また、完成させる必要がないので発想がより自由になります。
多くの人が口を揃えて「学生の頃は良かった」と言うのは、
学生は責任も気概も持ってないからです。

皆さんは初めての作品作りの時、どんな気持ちでしたか?
私が初めて作曲した時、何もかもが楽しくワクワクしました。
そこには「完成させよう」という気概も無く、「良いものを作らねば」という責任もありませんでした
それは真に自由な制作と呼べるものではないのでしょうか?

3.完成を目指さないデメリット

A.作品が完成しない

B.完成によって得られるメリットを受けることができない

C.周知されにくい

D.活動実績(ポートレート)が増えない

要約すると、SNSのフォロワーが増えないです。
ですが改めて検討しますと、「趣味なら何一つ問題ない」です。
なぜなら全てが自己完結するからです。


逆説的に書けば、「完成させる」というのは「他人に見せる物にする」と捉えることが可能です。
そして人は他人に見せるために制作をする。

あれ?逆じゃね?

自分が作りたいから作ってたハズなのに、いつからか人に見せることばかり考えてた......なんてことは良くある話です。
と言いますのも、人に見られるのは気持ちが良いからです。
先に挙げたメリットはSNSとの親和性が高く、躍起になる人も少なくないと思われます。

ですが、未熟な者が祭り上げられた場合、(論理的ではないですが)芸術性の少ない作品になりがちです。

自分自身に確固たる芸術観や哲学が無いうちに人気を取ろうとすると、近い将来にしっぺ返しをくらいます。

話がそれてしまいました。
私が言いたいのは、「自分自身が一番大事!楽しめ!!」ということです。


作曲や効果音制作でなんとか身ですのでサポートをいただけると嬉しいです!