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あのひとはアファンタジア

オープンな関係に挑戦しているアラフォー母さんです。

マッチングアプリで出会った11人目さんとこの度お別れ致しました。

11人目さんはお仕事が忙しくかつ体調不良がち。
なのでご負担にならぬよう週末に、更に体調を崩してないか確認の上話を切り出しました(笑)

独占契約を終えたい事を伝えると

「OK、分かった。
元ダンとより戻すの?」

と何故か聞かれる。

「元ダン?いや、それはない」

と答えると暫く返事が来ず。
私が特に別れたい理由を書かなかったので、さすがに2回目、察したようです。
夜になって長文のメッセージが来ました。

内容は、

君は素晴らしい人で母親として子供に全てを捧げているところを本当に尊敬している、自分は最近あまり社交的じゃなかった、それは分かっていて大変申し訳ないと思っている、実は最近親しい友人が亡くなり精神的に苦しんでいて、周りの誰もとそういう感じになっている。
今までの全てにありがとう、もし君が今後も話したかったり何か助けが必要な時はいつでも連絡してね。

といったものでした。


メッセージを読んで正直な気持ちは


えー、結局またー?

でした。

ご友人が亡くなられたそうなのにそんな感想で、人でなし過ぎ大変申し訳ないのですが、

この半年、ずっとこんなだったな。 


自分の生い立ちがいかに不幸か、仕事がいかに大変か、自分の体調がいかに辛いか、元カノがいかに酷い別れ方をしたか、更には彼の友人達が今いかに大変かという事まで彼の吐出口(色んな意味で笑)になっておりました。

ご自分でも「気分屋」と仰っており、ご気分の良い余裕のある時はユーモア溢れる優しい方だったので、今は大変な時なだけなのかな、私も子供がいるから何とか踏みとどまっているけれど離婚後の最悪の精神状態の時こうだったろうな、と落ち着くまで話を聞く相手くらいにはなってあげたいと思っていました。

また私は自分が特に大きな不幸もなくぬるま湯に浸かったごくごく平凡な人生を送れる程恵まれているという自覚があるので「生い立ち不幸」「苦労人」「何か壊れてる人」さんに弱いのです。



今回も、いつもだったら彼の友人が亡くなるなんて辛い事があったのに別れを切り出した事を申し訳なく思い、その話を深く聞いてあげていた事でしょう。

でも半年。

しかも一回別れを告げて改善すると言っていたのに。

だからさすがに「また?」なのです。

きっと今彼にとっては辛く思い通りにいかない事の続く暗黒時代だと感じているのでしょう。でもそれが人生なのです。それをどう捉えてどう生きていくか。それに尽きると私は思うのです。
でもそんな時にセフレの私如きが何を言ってもどうせ届かないし、人に言われて何か変わるものでもないというのも分かっていて、彼女として彼の人生をずっと応援し引き上げていく義務もないので、これ以上そこに付き合う必要もないかなと思いました。


そして私も経験を積みました。
思えば別れた二人の夫はどちらも「生い立ち不幸」。しかし共に人生を歩む上で「生い立ち不幸」を力に変えてポジティブな人(一番目の夫)の方が私には合っている、そこから脱せずネガティブに囚われたままの人(二番目の夫)は合わない、と分かりました。
11人目さんもネガティブな方だと早い段階で分かった為、絶対付き合う事はないと思っていました。それでも半年ずるずる続けてしまったのはその停滞感が居心地が良かったから。
オープンな関係をしていると寄ってくる人は割り切った恋愛をポジティブに楽しんでいる人が多くて。離婚の痛手から自分もそうなれるかもと思い頑張ってみたけれどやっぱりなれずにしんどくなってしまっていました。
だから11人目さんと傷を舐め合うのが気楽だったし、自分もそうだからこそ、一緒にいてあげたいと思ったりしていました。けれど同時に冷めた目で彼を反面教師として見ながら一緒にいたような気もします。
そしてついに、
私はそこから抜け出して、前に進もうと思えました。

11人目さんも、早くそうなれたらいいね。

心から、そう思いました。

でも、もう貴方の辛い話を聞いてあげる事に私の時間は遣わない。

「私も同感だよ。
良い時間をありがとう。
私もいつでも話聞くから言ってね。
さよなら」

いつになくあっさりな私の対応に向こうも察したのか、それ以上はなにもなく、最後はお互いをふざけて呼び合っていた愛称で呼び合っての、余韻の残る良いお別れとなりました。

まあ色々私なりの推測を書きましたが、結局単に私の優先順位が単に低かっただけかもしれませんね(笑)
考えすぎか!

とはいえ、何だかんだで半年繋がった、不思議なご縁でした。
楽しい瞬間も沢山ありました。
こういう関係値の人は初めてだったので、もうお会いすることないと思うと奇妙なものです。 
友達でも恋人でもなく、いつか終わると分かっていたので私は敢えて何も残さないように、彼に頼まれても写真も送らなかったし、一緒に写真を撮る事もなかったので、彼が私を想い出すようなものはほぼないでしょう。(彼は何も考えていないのか色々くれましたが)

そして彼はアファンタジアという脳の特性を持った方だったので、
きっと私の顔をもう思い出す事ができないのです。

アファンタジアとは頭の中にイメージを思い浮かべる事ができないという脳の特性の事だそうで、私も彼から聞いて初めて知りました。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%82%A2

この動画がとても分かりやすいです

https://youtu.be/Xa84hA3OsHU


脳内イメージの事なんて他人と話す事もなかなかない為、自分が他の人と違うと気づかなかったり人知れず悩んでいる方も多いそうで、この動画を見て何十年もの苦しみが解決し涙したという方もいるようです。
まだまだ知られていない特性なので、私も今後色んな方にこの特性の事を伝えて周囲に実は悩んでいる方がいれば知ってもらいたいなと思っています。

アファンタジアの方はリンゴを思い浮かべて下さい、と言われても頭の中が真っ暗なんだそうで。
なので本を読んで想像する事や、目の前にいない人を思い浮かべる事が難しかったりするので、一定の学習や仕事、人間関係に困難がある事もあるようですが、反面過去への執着や未来への不安に囚われにくい為、より今この瞬間に生きる事ができる、特定の職業で力を発揮しやすい、という良い面もあるようです。

だからもう、私は彼に思い出される事もないかもしれません。

たかがセフレだったので元々そんなものでしょうが、
それでも半年も繋がった人の頭の中からさっぱりと消えてしまうんだなと思うとすこし寂しい気がします。

けれど彼が

過去の事はイメージとして思い浮かべる事はできないけれど、
その時の気持ちは覚えている

とも言っていたので、
何かの拍子に
生まれや育ち年も全然違うアラフォー母さんというセフレがほんの短い一瞬彼の人生に交わって、
理解したい、つながりたい、助けになりたいと思っていた、
そんな彼女と楽しい(それから気持ちいい(笑))時もあったと思い出すことがあって
彼がしんどい日々が少しでも楽なものになればいいな、と

そう、祈るのでした。

おしまい








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