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6年越しで参加できた「温泉観光士養成講座@熱海」【2020.2】

 今日は一段と寒い。こんな日は温泉につかれたらいいだろうなぁ〜と妄想。
なかなか出かけにくい今なので、今日は書きたいと思いつつ後回しになっていた「温泉観光士」の話を書こうと思います。
 気づけばもう一年近く前になってしまいましたが、去年の2月に「温シェルジュ&温泉観光士養成講座」に参加しました。

私が温泉を好きになったきっかけ

 私が温泉を意識するようになったのは、今から8年前。休日に月1回くらいトレッキングをするようになった頃から。トレッキングをした後にその土地の温泉に入る時の至福感。都内で人と人の間に立って調整し続けるPRの仕事をしていたので、休みの日は完全に日常から離れたくなったというのもあった気がします。そんなこともあってどっぷりハマったトレッキングと温泉
 それと元々、新卒でPR会社に入社した頃から当時は「いつか地元のPRに関わる仕事をしたいな」と思っていて、今も「仕事で地元に何かしらの形で貢献できたらいいな」という気持ちを持ち続けています。そんな面でも地元(群馬)の持つ観光資源でもある「山」と「温泉」に関心があるのかもと思っています。
 自分が楽しみつつ、もっとそれぞれの温泉の違いなども知りたいなと思うようになり、半日の講座に参加すれば学べる「温泉ソムリエ」「温泉ソムリエマスター」を取りました。2014年の話です。

(↓ 2014年に富士山山頂の浅間大社にお参りしたときの一枚)

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出産前に参加できなかった理由は「平日に3日間」が難しかった

 同じころに「温泉観光士養成講座」の存在を知りました。多岐にわたる講座が2日半に渡って行われるのに、参加費が1万円と破格で、日本温泉地域学会という学会と自治体が開催している講座ということもあって興味が湧いたのです。
 ずっと参加したいと思い続けていたのですが、基本的に年1回、群馬の草津温泉で平日に開催されていたので、平日に3日間仕事を休むのは出産前はがむしゃらに仕事していたこともあって、それなりにハードルが高かったのです。確か申し込んだものの仕事が立て込む時期と重なり、事前にキャンセルしたこともありました。

母親が一人で出かけるという心理的ハードルを超え、熱海へ!

 その後は妊娠中は妊婦が一人で温泉地に行くのは気が引け、育休中は授乳中は子どもと数時間離れることもままならないのに3日なんて遠い憧れ、復職してからも夫に幼子を委ね3日も家をあけるのはさすがに気が引け・・・とまぁ、気づけば6年越しでいつかは参加したいなぁと思い続けてきたわけです。

 2019年にプロボノや地域ボランティアといった課外活動を始め、ちょっとずつ自分のことも時にはしようという意識になってきたタイミング。
 定期的に日本温泉地域学会のサイトは見ていて、そんな時に2年に一度、だいたい2月頃に熱海で金・土・日で開催されている「温泉観光士養成講座」が開催されることを見つけたのです。これはもうこの機に参加するしかない!!笑
仕事は金曜だけ有休を取るため、業務を調整すればいいけど、問題は母が一人で出かけるという部分。(といっても当時は3月に大きめな仕事が控えていた時期ではあったのですが)

 夫に恐る恐る「バレンタインなんだけど、金・土で熱海に一人で行ってもいいかな?」と聞くとややあきれつつもOKとなり、産後初一人で温泉地に泊まることになりました!私から土曜に夫と息子も熱海に来てもらうことを提案して宿で合流、熱海温泉に一泊して帰るという旅程に。
 自分勝手に暴走しすぎるのはよくないし、とはいえ自分のことを後回しにして我慢しすぎるのもよくないし。家族とも心地良く一緒に暮らすにはバランスって大事ですよね。といっても夫が私にあわせてくれているところも結構あるんですが・・・夫にありがとう!ですね。
 バレンタインデーの朝、夫と息子にチョコレートを渡してから、一人新幹線で熱海へ!

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3日間に詰まった とっても濃い温泉の世界 

 熱海市の全面協力で、文化財の起雲閣が会場。初日のスタートには熱海市長の挨拶も。ボランティアの方もたくさんいらっしゃり、自治体と一体になって行われているということが感じられました。

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 「天与の恵みである温泉資源を保全し、その適正利用を図る中で、全国の温泉地がそれぞれに個性豊かで持続可能な温泉地域社会を形成し、多くの観光や保養のために活かす」ことを目的に温泉観光士養成講座を行っているようです。

 参加者は、全国から年代は20代から70代までの男女が60名ほど集まっていたそうです。観光や温泉業のようなプロの方と温泉巡りのプロな方など、『おんな鉄道ひとり旅』などを描かれている漫画家のYASCORN先生も温泉観光士養成講座に参加されていたようでした。(私も子鉄の影響を受け、電車好きで温泉好きなので勝手に共感!)

 講座の内容は、1日目に「温泉地学」「温泉化学」「温泉生物学」「温泉工学」「温泉観光学」。2日目に「温泉医学」「温泉経済学」「温泉文化論」「温泉法学」「熱海学」、試験。3日目に温泉屋外実習という充実の内容。

 「温泉」とは?という話から、温泉の泉質の話、湧出の仕組み、温泉の微生物の話、温泉採掘の話、入浴法、療養泉の効能、温泉権、温泉地の歴史、旅行形態の変化や温泉地の抱える問題などなど多岐にわたる内容を学びました。
それぞれの分野の専門家から温泉という軸でいろいろ知れるのがとても面白い!

↓ 詳しくはこんな内容です

 お昼休憩の間に一人で熱海の市街地を探索。
2日目の朝にはひとりで来宮神社と湯前神社を参拝。湯前神社の近くには間欠泉(今は人工で噴き上げるようにしている)や大湯もあり、昔の名残がある場所なんだなと感じると見え方も変わります。
 熱海自体には行ったことがあったけれど、ちゃんと背景を地元に関わる人から話を聞くとより深みが増すというのも観光の楽しみ。

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 「温泉地は日常生活からの解放の場でもある」「温泉の湧き出る場所は争い事をおこしてはいけないアジールとみなされた」という石川理夫先生のお話も印象的でした。

 洋の東西を問わず、昔も今も、人が心とからだを癒したいと願うとき、めざす先は大きく二つに分かれた。一つは、スピリチュアルな霊場、宗教的聖地である。もう一つは、地球が育んだ(温)泉の恵みに心とからだが癒される湧泉地、湯治場である。人は癒されたい自分の心とからだの状態、苦悩に応じて、より切実に目指したい先を選んだ。(石川理夫(2006)『温泉巡礼』PHP研究所)

 なるほど〜、だから山岳信仰のあるお山にトレッキングをしに行き、神社を巡り、帰りに温泉に立ち寄って癒されていたのかぁ〜となんだか納得感がありました。ていうか、どれだけ癒しを求めてたんだ?20代の自分…!

 2日目の最後にペーパーテストを受け、座学は終了。3日目に半日野外実習があります。「温泉観光士」「温シェルジュ」の認定証をいただきました!

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 最後に、緊急事態宣言で温泉地はまた厳しい状況にありますが、せっかくリモートワークができる環境になっていることもあるので、今年は感染症対策に気をつけつつ温泉地でのワーケーションもしてみたいなと思っています。「温泉Biz」!

 できれば親子で地域と関わる、そんなこともしていけるといいななんて思いながら、これからもいろいろ知りながら実際のアクションも起こしていきたいです!

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