恐れや不安を抱いている自分に安堵しよう
普段、浮かびやすい考え方や
何かに対して反応するクセというものは、
自分にとって当たり前過ぎて疑うこともありません。
これらは、本当の自分というよりも
過去の経験から得た答えです。
Aという体験をしたら嫌な気分になった。
という情報から私たちは
同じようなことが起きたときにそれらを思い出すことで
嫌な気分を回避しようとしています。
同じ危険を繰り返さないように守ってくれている機能ですが
それを大切にし過ぎることで、
本来の自分としてではなく、過去の自分を大切にして生きることに繋がっていきます。
本来の自分とは、
過去の経験とは無関係な本質的(コアな)自分自身です。
私たちは、体験したことがあるものに対して安心します。
なぜなら、出来事に対してどう対応したらいいのか?答えを知っているからです。
しかし、未体験のものに対しては、答えがないので
どう対処したらいいのか?分からなくなり
恐れや不安を抱くようになっています。
コアな自分というものは、過去の延長線上にはありません。
過去に体験をしたことがあるものに対して私たちは答えがあるため安心します。
未体験なことに対しては、恐れや不安を抱くのが当たり前な構造になっているのです。
コアな喜びというものは、良い悪いという価値観や、
それが好きである理由が存在しない領域にあるため、
体験したかどうか?は関係ありません。
つまり・・・
過去の延長線上にない「わたし」という存在になることが
コアな生き方に繋がっていくので
未体験な世界の中にコアな自分が存在していると言えます。
ということは、
コアな自分を生きるとき、恐れや不安が起きるのは
とても自然なことなんですね。
なので、
恐れや不安が起きたとき、本当は
過去の自分ではない歩み方をしている、と安堵して良いということなのです。
これらのことをかみ砕いて説明していきたいと思います。
◎恐れや不安の要因は大きく分けて2つある
恐れや不安が起こる一つ目の要因は、先程も書きましたが、
私たちは経験したことがあるもの、答えが予測できて対処が可能なものに対して安心します。
それはとても無自覚なものなのであり、自動的に起きているので
感覚的には、対象となる何かに対して、
「私はそれが好きなんだ、合っているんだ」という判断をさせられています。
安心するもの、気分の良いものに対して、
好きだなと、感じることに疑問を抱くことなんて
日常の中ではほとんどないですよね。
これらのことからも、未体験な情報に対しては、
「分からない」という理由のはっきりしない恐れが発生します。
これも無自覚なまま自分の気持ちとして認識しているので
新しい環境や、新しい出来事などに対して、
自然と怖いと感じるようになっています。
好きなことであったとしても、未知なる世界であったのなら
怖い、嫌だ、逃げたい、と反応が起きる仕組みなんですね。
もう一つの要因は、
過去の体験によって、その時の自分が判断した解釈があります。
例えば、幼い頃の自分がとても歌うことが大好きで
みんなの前で歌っていたとしますね。
そのとき、大人たちが幼いあなたを愛おしく感じて笑ったとします。
それを見た、幼いあなたが
そのときどう感じたのか?という素直な気持ちがそのまま
大人になった今でも無意識の解釈として様々なことに作用しています。
みんなが喜んでくれて嬉しい!と感じたなら
私が歌うとみんなが幸せになる、と解釈しているでしょう。
逆に、みんなが笑って恥ずかしかった・・と感じたなら
私が歌うとバカにされる、と解釈しているでしょう。
歌いたい、という純粋な気持ちに対して、
抵抗感を感じてやめようとするか?
喜びから行動するか?
選択が変わってきますね。
これらの解釈は、その頃の幼い自分の判断で創られたものであり
大人の自分にとって相応しくない古いものであることもいっぱいあります。
私たちは認識できる全てのことに対して、必ず
無意識の解釈が加わっています。
そうでないと、ものごとを判断することができないのです。
今、目の前に起きている出来事に対して、
嫌な気分を感じたのなら、それは
勘違いした古い解釈が加わってますよ!というサインです。
つまり、
心地良くない気分になる、強い抵抗感を感じるなどがある場合は、
新しい捉え方を創って、コアな自分に相応しい生き方をしましょうね、ということです。
まとめると
ただ未体験だから恐れや不安を抱くときと、
捉え方が間違っている、もう古い概念であるとき、
この二つに大きく分けることができます。
◎見極め方のヒント
どちらの恐れや不安なのか?によって
その後の選択や行動が違いますね。
なので、今の恐れや不安はどっちなのかな?と見極めることができると
必要以上に労力を使うことが減ってくるでしょう。
ただ単に未知なる世界であるために抱く恐れや不安の場合、
怖い!と感じる理由がとても漠然としています。
お化けが怖い~!というようなものですね。
なぜなら、
知らないから怖いだけなので、理由は「わからないから」
でしかありません。
その場合は、どうしたらいいか?
体験してみることによって、データが蓄積されていくので
安心の量が増えていきます。
どんなことであっても、です。(^^)
お金がなくなったら怖い!
と、誰もが思うところですよね。
でも実際、なくなった体験をしたことがなければ
未体験なので怖いわけです。
体験したことがないけれど、親から
働かないと生きていけないわよ!と言われていればそれを信じますね。
一度でも一文無しになった体験をして、
周りの人々や行政などによって助けられたとか、
潜在的な力が発揮されて思いがけないことが起きたとか、があれば
お金がないという体験によって、大丈夫だったという答えが生まれるので
いつしか、未来への恐れが小さくなっていきます。
これは分かりやすく極端な例えとして書きましたが
よくあるのは、
好きなこと、やってみたいことがあるけれど、
それをしたことがないから怖い、という感覚でしょう。
その場合、未体験な状態のままでは恐れは消えません。
資格を取るとか、応援してもらうなどでは、本当の意味で不安は小さくならないでしょう。
やってみるという体験こそが、豊かさなのですね。
もう一つの、
間違った捉え方によって恐れや不安が生まれているとき。
そのときは、強い負の感情が生まれています。
○○だから嫌い、嫌だ!という理由がはっきりしているものです。
自分の感覚に素直になる機会が少なければ、
わりと私たちは、自分の気持ちに無頓着です。
自分が一体なにを嫌がっているのか?を能動的に知ろうとしなければ
なんとなく嫌、モヤモヤする、などという感情しか浮かばないものなのです。
潜在的に、恐れに対して目を背けようとするものですね。
なので、避けることで安心しようとする行為に進みがちです。
しかし、実は
避けることによって、私たちは安心感から遠ざかっていきます。
恐れや不安の正体を知ることが安心への入り口なのです。
古い捉え方などの思い込みをしっかり知ることによって、
過去の続きを生きている自分を卒業することができます。
何が嫌なのか?何を恐れているのか?を知ること、
それは、まるで
無意識の自分の思い込みを改めて手に取って観てみるようなものです。
内側に存在していたモノを手の上に乗っけて観てみることで
それはすでに外に取り出された状態になっています。
客観視できているんですね。
観ることで、扱える状態になります。
そうすることで、それをもう一度、持ち続けるか?新しいものに変えるか?を選択することができるんですね。
これが、過去の自分とは違う道に立った瞬間です。
過去の自分がどうであれ、
これから私はどう生きようか?を選ぶ力を誰もが持っています。
新しい生き方、捉え方、常識を自由に創ることができる、と
理解する必要があるのです。
◎コアな喜びとは、気持ちが良いことだけではない
本質的な自分(コアな自分)とは、過去の自分とは関係ありません。
どんな環境で育ってきてもです。
ただ、過去の体験は、私たちに大きな影響を与えています。
それらによって、無自覚に創られた概念をもとに、今も生かされているからです。
それを手に取って観ることが大切、と先ほど説明しましたね。
意識の世界の智慧を理解したことで私たちは、
コアな自分というものをとても大切にして生きようとしています。
とはいっても、
当たり前になり過ぎて習慣化してしまった、
考え方のクセ、身体のクセ、好き嫌いという
ただの反射に振り回されてしまう状態などが浮上してくるために
コアな自分と遠ざかった生き方を自動的にしてしまうこともよくあります。
コアな自分と違うなと気付いたら、その都度
コアな自分としての生き方を創っていけば良いだけです。
コアな世界には、良い悪いという概念がないのですが
私たちは普段、価値観の世界で生きることが多いので
純粋なコアな喜びの世界で生きたいだけなのに、
コアな自分でなくてはいけない!!と
自分に負荷をかけてしまうこともありますね。
コアな生き方が本当の自分らしい生き方である、と
理解することができたら、その次は
コアじゃない自分で居てはいけない、という価値観が生まれてしまうこともあります。
そのとき、コア=気持ち良い感覚
ということにこだわり過ぎて
気持ちの良くない状態を排除しようとしてしまいがちです。
これでは、本末転倒なんですね。
先程の説明を思い出して欲しいのですが、
抵抗感を強く感じるときは、勘違いした古い捉え方が作用しています。
コアな世界は、肚から湧いてくる心地良さを体感しますが
強い抵抗感を抱いているときというのは、
何かを排除しよう、避けよう、という古い思い込みが働いているときです。
コアな感覚は身体中で感じるものであり、内側から溢れるエネルギーのような感動の喜び、という表現が近いでしょう。
それに対して、嫌だ!という抵抗感は、思考が働いています。
過去に○○な体験をして知っているわ!これは危険だわ!という無意識の反応が起きた結果として浮かんだ感情なんですね。
出来事や環境そのものにコアな喜びの答えがあるのではありません。
地位、価値、環境、愛情など外側の条件、
つまり、誰かや何かの存在によって決められている幸せの条件には
コアな答えはないのです。
なのに、私たちは
気持ちが良いことだけがコアで、気持ちが良くないものはコアじゃない、と
排除しようとしてしまうものですね。
まとめると
身体の奥から湧きおこる気持ちの良い感覚はコアな喜び。
しかし、抵抗感がはっきり感じる、理由のあるものは
過去の経験によって創られたクセであり、それを思考が認識しているに過ぎないということです。
なので、抵抗感がある事柄そのものがコアじゃない!とは言い切れないのですね。
私たちは何かを決めるとき、モノ、コトそのものを良いものか合うものかを考えます。
この会社は自分に合っているだろうか?
この人は?この仕事は?この場所は?と悩みます。
その条件が自分に気持ち良さを与えてくれなかったとき、
そこにコアな喜びはないと判断するのは
もうちょっと先にして欲しいのです。
強い抵抗感が生まれているとき、今の自分には古い捉え方が隠れています。
それを卒業しないことには、自分にとってコアな世界かどうかは判断しにくいのですね。
「気持ちが良いものだけを自分に!」という生き方を
中途半端にしてしまうとコアから遠ざかります。
世の中には、そのように生きている先人たちもたくさん居て、それを発信してくれていますが
その方々の生き方を観ていると、実は
コアな世界を生きるために、
未知なる恐れや、過去の経験を超えるときの抵抗感を受け入れたまま
自分らしい生き方を勇気をもって選択しています。
表面的な表現に惑わされないことが大切ですね。
◎何をするか?何を得るか?をコアな自分は求めていない
不安や恐れを抱いている状態は嫌なものですが、
必要以上に排除しようとすることで、コアな選択から遠ざかることもあります。
私たちは無意識にどんなものに対しても、コアな世界観を投影しています。
普段は、思考や感情が多くて、コアの象徴であるそれらのものに気付くことができないのですね。
私自身、人体実験として
心地良くない思考や感情を自分の本音ではないと理解しながら
心地良くないと感じる事柄を体験し続けてみました。
抵抗感を抱く感情は、とても身体にも反応が起きるため、臨場感があります。なので、それに私たちは振り回されてしまうものです。
意識の構造上、思考や感情は過去の情報から生まれた結果なので、
それを自分の気持ちである、と採用することは
「私は過去の延長線上に生きる!」と潜在意識に宣言することになります。
理論上、
思考や感情が騒いでも、それを採用しないことで
新しい未知なる自分と出会えるということなんですね。
でも・・・
嫌な感情などの痛みはとてもリアルなので、私たちはどうしてもそれを避けようとしたり、できるだけ早く消そうと努力したくなるものです。
頭痛がするから痛み止めを飲むのと似ています。
そのときは、痛みが引き安心できますが、頭痛の要因が分かっていなければ
またいつか、同じ状況になったときに痛みは発生します。
さらに薬を飲んで対処しようとするでしょう。
心地良くない状況から逃げ出したい気分は、私自身とてもよくわかります。
自分に甘く、逃げグセがありますので。笑
でも、痛みの要因が見つかれば、自分のやりたいことにエネルギーを使えますね。
それと同じで、嫌な感情の要因を観ることで、本来の自分らしい生き方へ近づいていきます。
なので、
不安や恐れ、痛みを伴う感情や思考などを嫌って、すぐに消そうとしないでください。
その要因を見つめ直す時間を持つことで、コアな自分にどんどん近づいていきます。
どんな体験が良くて、どんな道が正しくて、何をすることが自分にとって価値があるのか?
なんてことをコアは求めていません。笑
どんな状況であっても、どんな環境であっても、
あなたらしい生き方、あなたらしい感性を表現すること、そして、体験そのものを喜び、自分自身に感動することを
コアは求めているんですね。
嫌な感情を避けて、何かの体験を選択しなかった結果、
今の自分が幸せじゃないとか、充実していないと感じているのなら
その選択の基準となった考え方、捉え方が間違っているということです。
そうだとしたら・・
選択を変えてみれば、過去のレールとは違う道を歩むスタート地点に立っていると言えます。
でも、そのとき、
心地悪さという過去の反応とともに居ます。
それが私たちは嫌なんです。笑
この矛盾を超えたところに、新しい自分が居ます。
それはコアに近づいている証拠です。
頭がすっきりする気持ちの良さを追い求め過ぎないということ。
それはとても自分の中で矛盾を感じる心地悪さがあるでしょう。
潜在意識の構造上、
習慣化が重要であるというルールがあります。
慣れたことに安心を抱くのです。
新しい自分が定着するまでには、数か月かかるものなんですね。
実際、私自身、心地悪い気分のまま
「どうしてソレをやらなくちゃいけないの?」という疑問と抵抗感が浮かびながらも、新しい体験を自分に選択させ続けていました。
いや~!という感情を持ったまま。笑
数か月後、いつしかその世界にコアな光を見つけ出していたんですね。
その光はとても自然な喜びに繋がっているものでした。
その喜びの感覚を見つけ出せたとき、やっと
囚われから解放されたニュートラルな状態になって
物事を判断することができます。
自分に合っているのか?それが本当に必要なことなのか?は
ニュートラルな状態にならないと答えが出ないものなのです。
不安や恐れ、抵抗感などを自分に許してあげることが
もし、本当の自分としての生き方の入り口に立つことだったら
あなたは今、どう在りたいですか?
どんな選択を自分にさせてあげますか?
意識の世界の智慧は、
日常で体験している常識とは真逆に感じられます。
それを生かすということは、まるで
自分の中に矛盾が存在することを許してあげるようなものです。
そうなることで、外側に起こる矛盾も受け入れられるようになります。
これからの時代、ますます私たちは自分らしく生きることを許していくでしょう。
古い概念との矛盾を超えて、喜びとして生きるとき
そこには、葛藤がとても生まれると思います。
そのとき、この知識があるかないか?は大きな差となるはずです。
「私はこういう人間だから」という過去の思い込みとは関係のない
新しい自分を創作して生きたいものですね。
どんな自分を創作したいのか?なんて
頭で考えても分からないものでしょう。笑
ならば、今までの概念を基準にしない生き方をしてみることも
とても興味深いものだと思います。
ご自身で実験検証した結果、こんなこと感じました~という報告や
質問などありましたら
お気軽にLINEなどにメッセージくださいね。
また、記事にして説明できたらと思います。
◆発行者情報
コアコーチング かなやまなほこ
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