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おはなし 『次の方、どうぞ』

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10年くらい前に書いた、お話です。(2022.04) 「繁華街の雑居ビルで、夕方から明け方だけ開けている診療所。 ちょっと、変わった治療をするスズキと、いつも大きなマスクをつけた…
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#ショートストーリー

「次の方、どうぞ」(9) 白い壁

「う・・・ううまく、こと、こと言葉が、出ない、です」  何度も何度も何度も瞬きをしながら…

在原なほ
2年前
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次の方、どうぞ(12) 赤い糸

「・・・それで、いろんなことが、半分なんです」 その女性は自分でも納得できない、という感じに…

在原なほ
2年前
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「次の方、どうぞ」(11) 燃費効率

「最近、力が入らないのです」  見るからにやせこけた男が、大きなズタ袋―――最近はエコバ…

在原なほ
2年前
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「次の方、どうぞ」(10) 匙、ふたたび

 「苦いんです」  文字通り「苦虫をかみつぶしたような」表情で、その青年は言葉を絞り出し…

在原なほ
2年前
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「次の方、どうぞ」(7) ケツの穴

「オレァね、いつ死んでもいいんだよ、いつ死んでも」  それは、こんな深夜にわざわざ医者に…

在原なほ
2年前
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「次の方、どうぞ」(6) 忘れる

「これがね、最初の手術の跡」  女は左耳に髪の毛をかけると、右手をうなじに沿わせ、髪を束…

在原なほ
2年前
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「次の方、どうぞ」(5) 理屈壺

「はい、吐血はしておりません、しかしながらですね、わたくしの見立てでは十二指腸もしくは胃幽門部に潰瘍があるのではないかと思われるのです、と申しますのも、空腹時における、このみぞおちの痛みがですね、あの、先生、聞いておいででしょうか」 それらしい専門用語を織り交ぜながらの非常に流暢な男の説明を聞いているうちに、スズキは在学中どうやっても苦痛だった症例検討会を思い出し、そして条件反射のように、うとうとしかけたのだった。そこの君!聞いているのかね? 「あの、聞いておられますか」 い

「次の方、どうぞ」(4) 魔法の匙

「きっかけは、十八になってすぐの家出だったんです」  そのご婦人はハンカチを握りしめなが…

在原なほ
2年前
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「次の方、どうぞ」(3)だれか、いる

「あのね、ここに、だれか、いるの」  あどけない顔に似合わぬ深刻なまなざしで、少女は手の…

在原なほ
2年前
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「次の方、どうぞ」(2) 転ばぬ先の杖

「ご存知とは思いますが、遺伝的な疾患です」  ひと昔前なら「ロマンスグレイ」といった言葉…

在原なほ
2年前
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「次の方、どうぞ」(1) 堪忍袋の緒

 その男は診察室に足を踏み入れた時から、顔を真っ赤にしていた。小柄な体を精一杯いからせて…

在原なほ
2年前
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『次の方、どうぞ』

『次の方、どうぞ』 10年くらい前に書いた、お話です。 「繁華街の雑居ビルで、夕方から明け方…

在原なほ
2年前