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悲しみの方が心に残る理由 - 6月12日のDearMedia NewsLetter

私は毎朝、ニューヨーク・ロンドン・パリ・ミラノ・東京から生まれる約1000記事をチェックして、週3回、ニュースレターを書いています。
その中から「ちょっと気になる情報」「最近話題のニュース」「面白いできごと」をピックアップしています。

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このニュースレターも今回で130通目になりました。

2019年10月9日から配信を始めて、2月28日までは平日は毎日配信。3月からは週3回となりました。丸8ヶ月もよく続けられたと思います。

毎日毎日、次は何を書こうと考え続け、面白いニュースがないと嘆き(コロナめ~)、購読者数が増えない、反響がほとんどない、収益化なんて夢のまた夢と独り言で文句を言い(どなたか良いアイデアがあったら教えて下さい!)、

何度、「明日は書かなくていいかな…」とか「高熱で1週間くらい寝込まないかな…」とか思ったことか知れません。

その一方で、「このテーマすごく良かったよ」とか「心に響いた」「読んで涙した」とか「勇気があるね」などと伝えてくださる方もいて、正直それだけが心の支えです。

メールやTwitter、メッセンジャーなどでわざわざ時間をかけて暖かい言葉を送ってくださり、本当にありがとうございます。
お返事は全て出せてませんが、メールも全て読ませていただいています。

私は私の読みたいものを書けばいいと、自分を励ましながら毎日wordを開くのですが、それでもこんなふうに、外からの影響で悲しみや喜びが左右されてしまいます


今日ピックアップするのは
喜びよりも悲しみの方が、なぜ深く感じるのか?と疑問に思ったライターがニューヨークタイムズに寄稿した記事です。

愛犬が病気になってしまうことで、悲しみが心地良いと気がついてしまった飼い主の物語をお届けします。


【本日のピックアップニュース】

ロサンゼルスでコロナウイルスが蔓延し始めた頃、愛犬のオリが餌を食べなくなりました。

私はオリが癌になったのではないかと疑い、人の命を守るためのステイホーム期間に、犬のために外出するのは間違えていることかもしれないので、安楽死させなくてはならないかも、と心配しました。

獣医のキングムーン先生のところに連れていくと、先生はオリは癌ではないと言ってくれました。

翌朝電話があり、血液検査の結果、オリは重度の腎臓病でした。
ほとんど効果がない高価な治療を施すか、安楽死かを選ぶことができました。

オリの最期の夜、彼はひどい気分のようで
ソファにぎこちなく立っていました。

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The New York Timesより

ドアベルが鳴って、ニコラスが食べ物を持ってきてくれました。
オリはソファを飛び出してドアに駆け寄り、吠えました。

私は泣いてしまいました。

オリと一緒にいた7年間、彼が吠えすぎることを何度も怒ったことで罪悪感を感じました。

オリは、家と家族を守るという、自分の責任だと考えていることを
ただしているだけだったのだと思いました

彼は死にそうになっている今もそれをやってくれたのです。

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The New York Timesより

不思議なことに、私は泣くことで気分が良くなりました。
もっと的確に言うと嫌な気分になるのが心地良かったのです。

なぜ、嫌な気分になると心地良いのだろうか。
何がそうさせているのか?
私には二つの説がありました。

ひとつめの説は、痛みが私をその場に追い込んだというものでした。

翌朝にはオリの死が迫っていて、将来の計画を立てるどころか、もう何をすることもできませんでした。
私はその瞬間を受け入れるしかなく、それが心地良くさせたというものです。

2つめの説は、正直さが気持ち良さをもたらしたということでした。

私はいつも人生の中で真実から逃げていました。
私の犬はもうすぐ死んでしまいます。
私はそれに直面していて、そのことが救いとなっていました。

そして疑問に思ったのです。
なぜ私は、正直に今を生きるために悲しみを必要とするのだろうか?

悲しみのように喜びを深く感じることができないのは
なぜだろうか?

悪いと感じることでしか良いと感じられないというのは、
どこか心の欠陥のように思えました。

そして、悲しみと同じくらい深く喜びを感じるには
コツが必要だと思いました。


悲しみがなぜ気持ち良いのかというと
今この瞬間を生きることにフォーカスし
オリは死につつあるけれど
私はまだ彼のことを愛していると気づかせてくれたからだ、と思いました。

***

なぜ悲しみのように喜びを深く感じることができないの?と私が誰かに聞かれたら、「喜びを感じたらダメだ、という罪悪感があるから」と答えると思います。

悲しみを感じたら心地良くなったのは
このくらい辛い思いをしたのだから、少しくらい喜びを感じても良いだろう」と自分に許可が出せたからです。

生物はいつか死を迎えますが
その別れの悲しみを使わないといけないくらい、自分に対して自分を罰していることを、New York Timesという世界中で読まれているメディアで公表した筆者は、とても勇気があるなと思います。

悲しみを感じて心地良くなった、なんて
ここまで正直に感じて書ける人はそうそういないです。

本来感情には、浅いも深いもありません。
深いように感じるのは、深度ではなく彩度です。

そして喜びは、なにかと引き換えにしなくても
毎日毎秒感じても、まったく問題ありません。

私も、
数が増えない、反響がない、面白くないという
「ない」にばかり目を向けるのではなく

受け取り、読んで、アクションしてくれている
そういった、もうすでに「ある」ことに目を向けて
喜びの方を選んで行きたいなと思います。

今日も読んでくださって、本当にありがとうございます。

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