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持続可能な大きさ、生まれた時から存在する区別...先週のDearMedia Newsletter[2019.11.11〜11.15]

こんにちは、ディアメディアの味岡です。

ディアメディアでは、私が毎朝目にしている約1,000記事の中から、「ちょっと気になる情報」「最近話題のニュース」「面白いできごと」をピックアップして毎朝お届けしています。

先週のニュースレターでは、
・存続し続けるための取り組みのお話
・つくられた「区別」によって新しい世界が生まれるという話
・アイデアをつくる「組み合わせ」の話
・「意見を考えて伝える」ということの「構造化」のお話
・ウェブアクセシビリティについてのお話
についてお届けしました。

そのDearMedia Newsletterの一部をご紹介します。

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持続可能な大きさ

KLMオランダ航空が 「飛行機の代わりに電車で移動することはできませんか」 という100周年広告を出し、話題になりました。

▼本日のピックアップニュース


KLMオランダ航空が次の100年に向かって打ち出した「Fly Responsibly(責任ある飛行)」計画では、高速鉄道という代替案、バイオ燃料の利用促進、少ない燃料で飛行できる新機体の導入などを進めていくと発表しています。

同時に発表された意見広告の中では、

“100年の歴史を持つ航空会社は大きな責任を担っています。”
“なぜならこの美しい世界を、将来の子どもたちにも知ってもらいたいから。”
“つぎの100年も飛び続けられるよう、 私達は日夜努力をしています。”
“だから皆さんにもお願いしたいのです。”
“次のフライトの前に、自分に何ができるか考えてみてください。”

とのメッセージを伝えて、 「この映像制作には 一度も飛行機を利用しませんでした」とクレジットが入ります。

大企業には将来の世代のことを第一に考える責任があるから、とピーター・エルバース社長は路線を縮小し鉄道の利用を推奨しました。

KLMオランダ航空のこの態度表明は素晴らしいと思いますし、この決断ができる経営陣は信頼できますよね。

ただ少しうがった見方をしてしまうと「路線縮小やむなし」という状況が先にあったとしたら、

・・・以下、省略・・・

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生まれた時から存在する区別

米カリフォルニア州では、2017年10月、 出生証明書に男性・女性だけではなく、「Nonbinary(第3の性)」を記載、または性別を記載しないことも選択できるようになりました。

これは“gender creative”または“gender expansive”と呼ばれている、小さいながらも急成長している考え方を知事が認めたと言われています。

ロサンゼルスに住む親子の、性別に関する物語です。

▼本日のピックアップニュース

この記事によると、現在アメリカではカリフォルニア州以外にも10の州で出生証明書にジェンダーニュートラルな記載が許可されています。

しかし、社会保障局では未だに男性か女性かを選ばなくてはなりません。

また、ほとんどの州では、運転免許証の性別を変更できるようになっていますが、テネシー州、カンザス州、オハイオ州では変更を許可していません。

カナダ、ドイツ、オーストラリア、インドなどではパスポートに第3の性の記載することが許可されていますが、米国ではそれができません。

日本では、戸籍の性別変更は法律的には可能ですが、2名以上の医師による性同一性障害の診断、生殖腺の機能を永続的に欠くこと、他の性別の性器に近似する外観を備えていること、20歳以上であること、婚姻してないこと、 などの高すぎる条件が必要です。

今年2月には、性別変更のためには生殖機能をなくす手術を必須とする規定を不服とした裁判で、最高裁が原告の訴えを退けました。

性の在り方は本来多様で、江戸時代の「若衆」文化やインドの「ヒジュラ」、バルカン半島の「ブルネシャ」など男性でも女性でもない間の性の文化は世界各地に、昔から存在しています。

生物学的的にも、両方の性腺を持って生まれてくる、いわゆる両性具有の方々もいます。(余談ですが、調べたところ日本では、出生直後に外見上の性別が不明瞭である場合、出生届等で性別留保という手続きをすれば戸籍には性別は記載されないそうです。)

考えてみれば、私達はこの世に命を授かった時点から性別、人種、国籍などの区別の中で生きています。

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組み合わせの楽しさ

「Wear What You Eat(あなたが食べるものを着なさい)」をスローガンとするファッションレーベル、Meals。 

スイカやバナナ、オレンジをモチーフにした作業服スタイルの服を創り出しています。

▼本日のピックアップニュース

サム・サラダ(仮名)さんとパートナーであるRebmaさんが立ち上げたこのレーベル。

サラダさんは何年も前からこのアイデアを持っていたそうです。

ジーンズショップで働いていた時、「このジーンズは今本当にカリカリだけれど、いずれバターのようになってくる」というようなコンセプトを出したところ、そのジーンズが売れ始めた経験から、食物とファッションを関連付けるようになりました。

アイデアが欲しいと思う時、

・今あるものを組み合わせる
・今あるものを分割する

・・・以下、省略・・・

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「意見を考えて伝える」ことの構造化

「問題解決大全」という本を書かれた読書猿さんが、Twitterで「どうしたら意見を考えて伝えられる人になりますか?」という質問に、それは丁寧に構造化して答えておられました。

子供の頃から行ってきた「意見を持つ」「考える」ことについて、どうしたらそれができていると言えるのか、きちんと説明できますか?

▼本日のピックアップニュース

質問された方は、学校でリフレーミングのコツを覚えるという授業があり、
グループで自分の短所を紙に書き出し、それを交換して長所にリフレームするということを行ったそうです。

その際、ふわふわしたことしか考えられず、意見もあまり出せなかったそう。

また「◯◯について考えて」と言われても、どのような視点で何を考えたら良いのかわからないと質問されています。

それに対し読書猿さんは
「考えることや意見を持つことは、一見誰にもできそうですが、 改めてそのやり方を尋ねると多くの人は答えることができません。」と、簡単な2つの方法を教えてくれています。

ひとつめの定式化は、

①ほどく:考えているものを言葉にして分割する
②かえる:いくつかの部分を修正したり変更したりする/それぞれの部分を別の類義語に変換する
③むすぶ:ばらばらにした部分をもう一度結びなおす

です。

これを「人と上手く話せない」という短所のリフレーミングに当てはめると

人と/上手く/話せない
他人と/上手に/会話することが/できない
自分と(なら)/上手に/会話することが/できる
自分自身と/話すのは/できる(うまい)
考えることは/できる(うまい)
思考することが/できる/深く
思慮深い

となります。

ただ、読書猿さんは、
「ここでやっているのは言葉の操作であって、思考などというものではなく、推論だとしたら乱暴な上にいくつもの飛躍があります。二重の反転というトリックを使って『敵の敵は味方』だと思わせるのに似た、一種の詭弁です。」とも追記しています。

そしてこれは発想法としては役立つし、発想法とは間違えるための方法であるとも。

もう一つ「対立解消図」を使った考え方も説明してくれています。

①抽象的で意味が広すぎる言葉を、
より具体的に何を指しているのか捉え直す
②その前提を推測する
③前提の解釈を変える
④より高次の前提と結びつける

これを「人と上手く話せない」に当てはめると、

【抽象的】人と上手く話せない
【具体的】人と話すときに、言葉につかえたり、言い淀んだりする
【前提】人と話すときは、つかえたり言い淀んだりせず、スムーズに話すべきだ
【代替の前提】人と話すときは、つかえたり言い淀んだりしてもいい (むしろその方がいい)
【高次の前提】人と話すときは、真剣/真面目であるべきだ
【高次の前提と代替の前提の結びつきの根拠】どんな言葉を使うのか、思いつきに任せず、真剣/真面目に考えて選ぶのは時間がかかる。

となります。

これによって完成されたリフレーミングは、

「確かにあなたは、言葉につかえたり、言い淀んだりしています。
でもそれは、あなたが言葉を慎重に選んだり、どう言えば上手く伝わるかを
いつも懸命に考えているからだと思います。それに、淀みなく流れ出る言葉はすぐに消えてなくなりますが、一つ一つ丁寧に扱った言葉は心に残ります」

です。

上記のどちらの考え方のフレームも発想の飛躍や想像に頼る部分があるので、「何が正しい、間違っている」ではないことがとてもよくわかります。

・・・以下、省略・・・

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視覚障害者にとってのインターネット

インターネットの登場で、私達の生活は激変しました。

たった20年前、日本での普及率が20%程度だったインターネットはスマートフォンの影響もあり、現在では80%近くにもなっています。

皆さんは視覚に障害を持つ方がコンピュータをどう使っているのか、想像したことはありますか?

彼らがインターネットを利用する時には、スクリーンリーダーというソフトウェアを使います。 WindowsやiOS、携帯電話にも標準搭載されており
コンピュータ画面を読み上げるものです。

しかしながら、特にウェブサイトを読み上げるときにはその作り方の問題で、ほとんど意味をなさないサイトが多くあります。

「リンク」「リンク」「サーチボタン」「グラフィック」「インターナルリンク」…

今日はそんな、ウェブアクセシビリティの話題です。

▼本日のピックアップニュース

アクセシビリティのソフトウェアを作っている会社が8月に行った調査( https://accessibility.deque.com/nucleus-accessibility-research-2019 )によると、ECサイト、ニュースサイト、政府関係サイトなどを含む70%のウェブサイトが読み上げることが難しい”癖”のある作り方をしているそうです。

別の調査では、上位100万のホームページのうちアクセシビリティの標準を満たしているサイトはたった1%だったとのこと。

米国では1999年にAOLが提訴され、オンラインのアクセシビリティは公民権問題だと主張されました。

同じ年、World Wide Webコンソーシアムは、最初のウェブアクセシビリティのガイドラインを定め、デザインに関する14の推奨事項を決めています。

しかし、それからもウェブサイトのデザインは新しい技術や流行りによってどんどん進化し、そのことがアクセシビリティに問題をもたらす場合も出てきています。

これはきっと、サイトを作る人にもアクセシビリティについての知識が足りていないこと、意欲はあっても間違えた内容が流布していることも影響していると思われます。

参考:目が不自由な人のネット利用に関する8つの迷信
https://www.webcreatorbox.com/tech/myths-screen-reader

Googleはアクセシビリティについても積極的に取り組んでおり、先日も法定盲人でありGoogle東京オフィスのビジネスアナリストの方がGoogleマップのチームと協働し視覚に障害を持つ方に向けた新しい機能を発表していました。
https://japan.googleblog.com/2019/10/google.html

テクノロジーの進化は、障害があったとしてもそれを乗り越え、様々な活動ができるよう手助けしてくれる素晴らしいものだと思います。

・・・省略・・・

※「障害」の表記に関しまして、現在様々な議論がなされている表記ですが、こちらの考え方に賛同し、今回のニュースレターでは「障害」で統一いたしました。
https://whill.jp/column/16_shougai

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以上、先週のDearMedia Newsletterでした。

今週は、
・日本の清潔さについてのお話
・とある理由で大人気な音声番組の話

などについてお送りする予定です。

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