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2021年度 研究活動以外のまとめ

2021年度は例年になく研究活動以外のことを行った年だったので,年度末に一気にまとめて記録しておこうと思います((多くはこれからデフォルトになりそうなものですが)。「研究活動以外」といっても,論文出版や学会発表以外という狭義で,純粋に研究に関連しないことというわけではありません。

研究のアウトリーチ活動

今年出版した論文について,プレスリリースというものを出しました。所属先の教員組織でプレスリリースをあまり出していないということがちょくちょく話題になっていたので,せっかくだからこの機会にと思ってやってみました。

といっても1人で勝手にプレスリリースを出せるわけではなく,広報やサイエンスコミュニケーターのチェックを受けることが必要です。その際,研究結果を正確に伝えたいという気持ちと,より多くの人に分かりやすい表現でなくてはならないことの折り合いをつけるのがとても大変だったように記憶しています。それでもこれをきっかけに筑波大学新聞の取材を受けたり,Flintboxという産学連携のサイト(私もよく分かってないのですが)に掲載して頂いたりしたので,広く知ってもらうという点では良かったのかなと思います。

データサイエンス科目の導入講義動画の作成

筑波大学の全学1年次共通科目「情報」のデータサイエンス科目の導入講義動画というものを作成しました。「言語教育にデータはどのように活用されるのか」というタイトルで,主に英語教育の文脈でコーパスや学習者データの利用方法について紹介しています。動画は以下で公開されています。

「導入」とあるように,本動画は当該科目の第1回目の授業で学生が視聴するためのものとなっています。今後自分が専門としようとする分野においてデータの活用がどのような成果につながっているかを理解することで,データサイエンスを学ぶ動機づけとすることを目的としています。各学類から1名の教員がこの動画の作成を担当し,教育学類の担当は私ということになりました。なので,私の場合は動画の冒頭でも述べている通り,本学において教育に興味・関心のある学生が,これから授業でデータサイエンスを学ぶやる気を出してもらうというのが目的です。動画をご覧頂いた方の中には,話が表面的すぎるとか,教育とデータサイエンスならもっとこういう話をすべきと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが,上記のような目的や位置づけを考慮して頂けると幸いです。

一方で,私自身は胸を張ってデータサイエンスを深く語れるほど知識や技術がないのも事実です。そのため,動画の中では他の先生方が作ったツールやデータベースなどの紹介が主で,自身の研究は最後にちょこっと触れている程度です。動画の中で紹介しているツールやデータベースを作成された先生方には,動画の中での利用・紹介の許諾を快く頂き,改めて感謝申し上げる所存です。学生は所属にかかわらず自分の興味関心にあった動画を(複数)視聴するということになっているので,学類や文理問わず,この分野や研究テーマに関心を持ってくれる学生がいることを期待します。

ちなみに,所属先ではお隣にあたる心理と障害の先生の動画もありますが,こちらもとても面白いのでお勧めです。(教育に関連する部分も大いにありますし,私と違ってご自身の素晴らしい研究を紹介されています)

APEC

データサイエンス動画の作成をきっかけに,「教育に関するアジア・太平洋国際会議」でデータサイエンスの言語教育への活用というテーマで講演を行いました。参加者は東南アジアあたりを中心にとても多かったようで,英語で大きな会議の檀上に立つ(オンラインですが)という経験は初めてだったので,よい経験になりました。

高校(母校)への出張授業

高大連携事業の一環で,6月に母校である水戸第一高校へ出張授業に行きました。自分が高校生活を3年間過ごした場所に,こういった形で帰ってこれるのは感慨深いものがありました。ただ,授業の内容は生徒さんたちが進めている研究活動へのアドバイスをするというもので,各自がいろいろなテーマや方法で進めている以上,話はどうしても研究のジェネラルなものに留まってしまいました。その後,同じくすぐに大学の模擬授業の依頼があり,それは別の方が担当されたのですが,また機会があれば今度は専門分野のことをもっと話せればと願います。

統計勉強会への参加

最後に,これはもう記録に残すような活動ではないかもしれないのですが,自分の中で大きかったものとして,所属先の心理統計の先生が主催する勉強会に今年から参加したことがあります。所属先では教育と心理が大きくは同じ組織に入っているので,心理統計の先生から勉強会のお話を伺って,貴重な機会だと思い参加させていただいています。

統計は自分なりに勉強はしてきたのですが,分野の中での進歩や展開も早く,もっと本格的に勉強をしなければという思いがずっとありました。実際に勉強会に参加してみて,如何に自分が基礎的な部分を学んでこなかったかを痛感し,その分非常に身になっているとも感じます。学類生や院生になったばかりの方が自分よりずっと知識もスキルもあって愕然とすることもありますが…。

今年は勉強会を立ち上げたばかりということで基礎的な内容でしたが,これからより高度なものになっていくようです。ついていけるかという不安は大いにありますが,継続は力なりで続けていれば知識も確実に身につくという手応えもあるので,長期的な視点で頑張っていきたいと思っています。


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