ロックダウン明けに国内旅行したら、悔しくなった話。
僕が今住んでいるメルボルンは、今年の3月から2回ものロックダウンを経験した街だ。
そんな街ではロクに遊べなかったし、何より半径5km圏内しか移動できなかったことが一番つらかった。
ともあれそんなロックダウンも終わりを告げ、上記の制限も解かれた今は、自由に外に出れる、そんな幸せをかみしめている。
帰国前には旅行したいという気持ちがあった分、この制限解除の措置にはとても胸を躍らせた。そのニュースが流れたその日には、旅行の手続きを終わらせていた程だ。
旅行、といってもオーストラリア国内旅行、そしてキャンピングカーを借りてオーストラリアのヴィクトリア州をぐるっと回るロードトリップを計画し、つい先日帰ってきたばかり。
stand.fmでは毎日その様子をLive配信や収録で残していた。
正直この旅行ではハプニングの連続で、ゆっくり、なんていう言葉は到底似つかわない。そんな最中でも、ふと気づくと圧倒的な自然を目の前にしている自分に気づき、そこでいつもハッとするのだ。
「自分は今、この大自然に飲まれていた。」
この感覚は、いつも海に感じていた。
そこはかとなく深く、光さえ届かない海底に、僕はいつも恐怖を感じている。畏怖。あらゆる手段を使ってもなお、人はこの海の底では無力だ。
何においても、勝てない。
この自然に対してもそうだ。
この景色を見た瞬間、恐怖で足が動かなくなった。
客観的に自分の状況を判断していたことが、今では信じられない。
自然に対して、初めて「恐怖」を感じたのだ。
それは、恐れおののく、ものではなく、
圧倒的な力の差を感じた「恐怖」だった。
だから、悔しかった。
なぜここまでの絶景に、今まで出会わなかったのだろう。
旅の魅力は、事前に調べたものと現実とのギャップだ、と思っていた。
それもあるだろう。
だが、僕が経験したのは、まさに「未知との遭遇」。
突然出会う絶景に、息をのみ、立ちすくむ。
そこで得られる感情は、どんなSNSでも得られない稀有な体験になる。
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