見出し画像

龍と出逢いに その3 ィイ・ヤシロ・チ㉘(修正版)☆画像は和歌山の作家殿最操(トノモミサオ)さんの作品

龍と竜と辰の違いは何だろう?

そういえば長年疑問だった。「タツ」と読むものと、「リュウ」と読むものと。改めて、この三者の違いを見つめみよう。

https://hideo002.com/archives/6595

なるほど、これで一先ず整理が出来た。解りやすく詳しい解説に、心から感謝して、これまでなんとなく見過ごしていたことをまた、自分の裡に明らかにできたことがとても嬉しい。

そしてまた、「リュウ」と「タツ」の2つの音がどうしてあるのだろうか?とまた発問してしまう。音訓の読みと言われればそれまでだろうが、声に出して、感覚にスコープしてみよう。

龍の「リュウ」という音は、流れと水平な広がりを同時に感じられる。対して、「タツ」にはまっすぐに上昇するイメージや天地をつなぐ作用などの垂直方向が頭に浮かぶ。

ふいに、リュウジンは、龍(リュウ)と辰(シン)を合わせたものに、違う漢字を当ててしまったのではないだろうか?と妄想した。もしもそうであるならば、わたくしが感じることのイメージにもスナホに符合する。

まず、「水平のリュウ」をイヤシロチ巡りの記憶の森の中に探すと、北口本宮富士浅間神社のシナツヒコを祀る社が現れた。
かつてわたくしが参拝したその日、台風が刻々と近づいてきているとの天気予報が聞かれていた。それでもわたくしは、根拠なく「いや大丈夫、台風は逸れる。そして富士山のお姿を午後に参拝する富士浅間本宮神社で必ず目にすることができる」と根拠なく思いこんでいた。
そんな心持で境内を歩いていると、諏訪拝殿前の大木に寄り添うように祀られた小さな風神社を偶然(?)見かけた。なんとなく魅かれるように近寄り、ご挨拶した。頭を垂れて一呼吸のあと目を開けると、社の下に「渦巻きが刻まれた石」が置かれているのに気が付いた。瞬時に、台風だと理解した。その渦巻の象りである祭神のシナツヒコは風を司る神である。此処で 願えば台風を少しどかしてもらうことは、たやすいだろう、となんだか笑えてきた。わたくしが、すぐさま心を込めて祈ったのは言うまでもないこと。
結局見事に天気予報は外れ、台風は彼方に逸れていき、強い風が雲を吹き払った。わたくしは、青空を背景とした美しい富士の山容を、富士山本宮浅間神社の鳥居の前で遙拝することができた。シナツヒコは、渦巻きながら広がる流れの龍(リュウ)なのだろう、と思う。
そして、まっすぐに上下するエネルギーである、「垂直のタツ」。そうだ、龍は風神とも、雷神とも描かれる。タツは雷(カミ鳴り)鳴る神、つまりイカヅチだ。藤原道山とSINSUKEの「組曲 風神×雷神」という曲もあったと思い出した。↓

https://www.youtube.com/watch?v=DkTgLSyZMbI

尺八とマリンバのコラボから生まれた龍の楽曲を心地よく聴きながら、沖縄で見た、龍柱(リュウチュウ)を思い浮かべた。アレは「タツ」ノオトシゴのようにまっすぐに立っていた。

画像2

かつて、わたくしが参拝した九州のいくつかの一宮の拝殿での龍柱(リュウハシラ)は、龍が柱に巻き付いている形なので、まっすぐに上下するイメージと今ひとつ合致しない。対して、まっすぐな龍の姿の柱である、沖縄の龍柱についてのこの記事↓には、確かにわたくしがしっくりと合点できる、タツのエネルギーの表現についての根拠が見つかった。

https://okinawa.kawawii.com/post-2000/

天に向かって真っすぐに伸びる力強いエネルギー。その様子を具現化した形が、沖縄の龍柱なのかもしれない。それが「建物を支えない」柱であるのは、天地をつなぐ役割(西洋のオベリスクも同様の意味を持つのだろうか?)だからこそと解釈できる。それに加えて、もし聖処の前に一対で建てる場合、護りの役割も担わせるには、揃って来防する者に向かう配置で、警護の呪をかけるのが適切であろうと想像する。(向い合う形で建てると、フリーパスの歓迎を意味すると思う)先の首里城の火災被害を考えると、次回は警護を龍柱にも担ってもらうのが安全を期する気がするのは、門外漢の妄想かもしれないが。

天に向かう龍と言えば、天橋立の伝説をまた思い出す。龍神祝詞にあるように天界地界人界を行き来することができるエネルギーであれば、龍は縦方向のベクトルも持つはずだ。そのエネルギーは天然のものか、もしかすると人の思念エネルギーもそのような作用を示すのか、天につながるエレベーター?のようなものかもしれない、などとまた空想が続いていく。

そうしていると、「光の柱が立つ」という表現にも、連想はつながっていく。(わたくしは、光の柱が「立っている感じ」は少し分かる気がするけれど、「見た」ことはない。)タツは天と地をつなぎ、エネルギーの行き来を担う。

実物の柱を立てる祭は、諏訪大社にある。寅年の本年は、その御柱祭の年でもある。

社を囲む4本もの「柱がタツ」祭は、龍の神事か、もしくは、その龍を封じ込める囲い込む魔術なのか?そういえば、しめ縄はとても太かったので、何かしらを〆込んでいるとも思われる。

神事は人間の意図があってのことなので、その思惑が何か気になるところではあるが、わたくしには推し量れないと感じる。
そして、諏訪と言えば、冬期の諏訪湖の御神渡りも有名。湖面を走る、割れた氷は、まさしく水平の龍の姿でもあると感じる。

https://www2.nhk.or.jp/archives/michi/cgi/detail.cgi?dasID=D0004990116_00000

この国は水平のリュウと垂直のタツに守られ、その力を慕う人々が暮らしている。縦横に拡がるエネルギーが包む、奇しき日本という国。龍と辰の力に守られていることへの感謝とその僥倖に見合う住人の在り方への探求を忘れず、これからも龍の存在を求めてイヤシロチを巡っていきたいと思う。

画像3

最後までお読みくださり、ありがとうございます。和風慶雲。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?